土曜日, 6月 27, 2015

民間貯蓄2種 by ピケティ

21世紀の資本第五章より
  民間貯蓄の構成要素二つ 
 ついでなので、民間貯蓄に構成要素が二つあることも明らかにしておこう。民間個人が直接行った貯蓄
(世帯可処分所得のうち、ただちには消費されない部分)、そして企業がその所有者である民間個人に
わり、直接的あるいは金融投資を通じて間接的に行う貯蓄だ。この二番目の構成要素は、企業が再投資す
る利益(「内部留保」とも呼ばれる)が占めており、国によっては民間貯蓄総額の半分にも達する(表5−2参照)。

21世紀の資本第五章の表によれば、日本は企業の内部留保が多い。
1990年代以降、特に財閥が持ち株会社=ホールディングスとして復活したのも大きいだろう。
来日時は高齢者に富が集中することも議論されたが…。
また、ピケティが富の所有者を三段階に分けたのが画期的だ
例えば資本家という言葉だと各時代によって解釈が変わるが、
所得上位者10%中位40%下位50%に分ければどの時代にも適応できる。

ピケティの指摘では、低成長期に資本、ストックが重要になる。

全体が成長していないのに格差が拡大することが問題視される。

格差そのもの、その固定化はそこまで問題視されない。

格差の拡大が低成長の原因だという仮説がそこにある。

この仮説によってピケティとマルクスが再び交わる。



ピケティはスウェーデンの平等主義を実態から遊離しているとしてあまり評価しないようだ。
ただスウェーデン学派には見るべきものがある。
教育、育児が重要になるのは無論だが、
同一労働同一賃金がないと国家による分配にすべてを委ねるという結論になってしまう。
スウェーデン学派は自由主義と国家主義にさらに分かれるが、この同一労働同一賃金を
主張したのは自由主義的、限定的福祉国家主義者(ミュルダール等)だ。
(ミュルダールの動学志向はRBC,DSGEに近い部分がある)

国家主義的?なヴィクセルは累進課税の根拠を限界効用理論に求めたが、
ピケティは限界生産性は大企業の役員の莫大な報酬を正当化するとして否定する。
ならばピケティの資本税の根拠は何か?
ここでピケティは永久平和論のカントに近づく。



 《 民間貯蓄の構成要素二つ 
 ついでなので、民間貯蓄に構成要素が二つあることも明らかにしておこう。民間個人が直接行った貯蓄
(世帯可処分所得のうち、ただちには消費されない部分)、そして企業がその所有者である民間個人にか
わり、直接的あるいは金融投資を通じて間接的に行う貯蓄だ。この二番目の構成要素は、企業が再投資す
る利益(「内部留保」とも呼ばれる)が占めており、国によっては民間貯蓄総額の半分にも達する(表5−2参照)。》

21世紀の資本第五章の表によれば、日本は企業の内部留保が多い。




『21世紀の資本』第五章(185頁)の表を見ると、日本は企業の内部留保が多いことがわかる。

https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEggoFgs8D0-l0d2nQi7_qP9UtH8cPjCF6OreNP2H2-De0zM7KwRuZ9Sizc7uG8lISLuE5wSpPgSoH5fr6PAnV1HVs-1rBaZPKV1yPUp1gpkRWRZyUUA1lunc1u66iNYUTx4jjvd/s640/blogger-image-1760427857.jpg

 《 民間貯蓄の構成要素二つ 

 ついでなので、民間貯蓄に構成要素が二つあることも明らかにしておこう。民間個人が直接行った貯蓄

(世帯可処分所得のうち、ただちには消費されない部分)、そして企業がその所有者である民間個人にか

わり、直接的あるいは金融投資を通じて間接的に行う貯蓄だ。この二番目の構成要素は、企業が再投資す

る利益(「内部留保」とも呼ばれる)が占めており、国によっては民間貯蓄総額の半分にも達する(表5−2参照)。》


ちなみに法人税に累進性はない。


大企業は大きくなると物作りから金融業へシフトする

ソニーもその一つだろう


これはオランダ、英国を想起すればわかるように

歴代覇権国家にも当てはまる 


ちなみに、ピケティはタックス・ヘイブンの存在を会計的に推察している、、、、、


ガブリエル・ズックマンは、あらゆる情報源を比較し、これまで用いられていなかった

スイス銀行のデータを利用することによって、この相違の説明として最も説得力のある

理由は、報告されていない巨額の金融資産がタックス・ヘイブンに存在することだと示した。

かれの慎重な推計によると、この金額は世界GDPのおよそ10パーセントに相当する(55)。

これを上回る(最大で2、3倍の)推計を出したNGOもある。手元の情報源の現在の状況を

考えると、筆者はズックマンの推計のほうがやや現実的だと考えるが、この種の推計はもともと

不確かだし、ズックマンが下限である可能性もある(56)。

タックス・ヘイブンの金融資産の大部分(少なくとも4分の3)が富裕国の住民のものである

ことは、あらゆる証拠が示す通り。結論は明白だ。富裕国の、他の地域に対する純資産ポジシ

ョンは、実際はプラスなのだ(富裕国は平均して貧困国より多くを所有していて、その反対で

はない。結局のところ、何ら驚くことではない)。それなのに、富裕国の最も裕福な住民たち

が資産の一部をタックス・ヘイブンに隠しているため、この事実は覆い隠されているわけだ。》

21世紀の資本第12章


消費組合、協同組合の可能性は理念的には確保したい

むろん経営者の努力は報われるべきだし、

情報開示さえあれば株式会社は人類史における進歩に違いないが

ホールディングス、持ち株会社、財閥が認められてからの反動性は認識すべきだ

労働力の再生産が困難になり、自分の首を絞めている

移民推進論者は安価な労働力を前提としているが持続可能ではない



ちなみに、ピケティはタックス・ヘイブンの存在を指摘している。


《ガブリエル・ズックマンは、あらゆる情報源を比較し、これまで用いられていなかった

スイス銀行のデータを利用することによって、この相違の説明として最も説得力のある

理由は、報告されていない巨額の金融資産がタックス・ヘイブンに存在することだと示した。

かれの慎重な推計によると、この金額は世界GDPのおよそ10パーセントに相当する(55)。

これを上回る(最大で2、3倍の)推計を出したNGOもある。手元の情報源の現在の状況を

考えると、筆者はズックマンの推計のほうがやや現実的だと考えるが、この種の推計はもともと

不確かだし、ズックマンが下限である可能性もある(56)。

タックス・ヘイブンの金融資産の大部分(少なくとも4分の3)が富裕国の住民のものである

ことは、あらゆる証拠が示す通り。結論は明白だ。富裕国の、他の地域に対する純資産ポジシ

ョンは、実際はプラスなのだ(富裕国は平均して貧困国より多くを所有していて、その反対で

はない。結局のところ、何ら驚くことではない)。それなのに、富裕国の最も裕福な住民たち

が資産の一部をタックス・ヘイブンに隠しているため、この事実は覆い隠されているわけだ。》

『21世紀の資本』第12章より

金曜日, 6月 26, 2015

法身説法(空海『十住心』)、無尽蔵(『華厳経』)

法身説法

www.mikkyo21f.gr.jp>トップページ>八葉蓮台

空海は、「真如」「法界」をその体とし、存在するだけで自ら(「真如」)を説かない「果分 不可説」の「法仏」(法身、毘盧遮那)に代り、密教が起てた「法仏」(大毘盧遮那、大日 如来)に自ら(「自内証」)を自ら説法するペルソナを付与し、「法仏の談話」を可能(「果分 可 ...

法身説法(ホッシンセッポウ)とは - コトバンク

kotobank.jp/word/法身説法-630641

デジタル大辞泉 - 法身説法の用語解説 - 仏語。真理としての法そのものが説法している ということ。密教で、大日如来が法身のままで説法すること。また、その説法。

辞書別に見る:大辞林 第三版




こころの時代 日本仏教のあゆみ~信と行~第三回「密教の曼荼羅(まんだら)世界」[再] ウェブ検索
6/27 (土) 13:00 ~ 14:00 (60分) この時間帯の番組表
NHKEテレ1・東京(Ch.2)
ドキュメンタリー/教養 - カルチャー・伝統文化 , 趣味/教育 - 生涯教育・資格 , 福祉 - 社会福祉

番組概要

日本仏教のあゆみを、「信」と「行」の観点からたどっていく6回シリーズ(毎月1回、第3週放送)。第3回は密教の曼荼羅(まんだら)世界。空海の思想を中心に見ていく。

番組詳細

平安時代、大乗仏教の修行のあり方を超える道として登場した密教。密教とは、大日如来が真理そのものを直接語った教えを指す。日本に真言密教を広めた空海は、それまで説くことが不可能とされた仏のさとりの世界も、独特の言語観や修行法によって明らかにできるとした。自己の心の中に大日如来を中心としたコスモロジーがあることを示す両界曼荼羅(まんだら)やこの身このままで仏と一体となることを目指す即身成仏の思想を見る。

【出演】仏教学者…竹村牧男,【きき手】草柳隆三

HD 16:9 コピー可



無尽蔵(むじんぞう)とは、中国・唐代の三階教の中心寺院、長安の化度寺にあった無尽蔵院
に代表される、三階教特有の寺院内の施設の名称である。

三階教の説く「普法」に基づいた「普施」を実行するための道場として位置づけられていた。三
階教徒より集められた財貨によって、広く天下の寺院の修築に供したという。

化度寺の無尽蔵院は、武則天の時代に、洛陽の福先寺に移されたが、後に化度寺に戻った。
713年(開元元年)、玄宗の勅命によって破壊された。

設備は破壊されたものの、しかし、無尽の考え方はその他の仏教宗派に広まって、お布施等
で集められた財産を広く民間に貸し出して利潤を得るシステムが、唐末の仏教寺院では、無
尽財、寺庫、質庫、庫などと称されて、広く見られるようになった。宋代には長生庫、元代では
解庫、解典庫と呼ばれるようになった。やがて民間にもシステムが普及し、大勢で小額の
金銭を出し合い、必要な時やくじ引き順で一定量の金銭を構成員各員が受け取る無尽、
無尽講が、日本において確立された。

参考文献:
  • 早川道雄「三階教と無尽蔵院」(『鴨台史論』1、1987年)
  • (1973年)

    1973復刊
    矢吹 慶輝
    華厳経に基づくとされる。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

頼母子講
たのもしこう

無尽ともいい,の組織による民間の金融組合の一種。講員が掛金を定期間に出し合い,入札または抽籤で毎回そのなかの1人が交代で所定の金額を受取る。全員に渡し終えた時点で講は解散する。出し合った金で家畜や家財道具などを買入れ,交代に分与する方法などがある。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。


イスラーム圏では一般的な保険は運用によって得た利子を利用して運営を行う事と、いつ起きるか分からない事故や疾病に対してお金を払う事をギャンブルと見做す為にシャリーアに反するとされ、そのままでは販売できない。その為、イスラームの五行にあるサダカに合致させる為、共済頼母子講に似た方法で資金調達と運用を行う。顧客は一定期間にわたって保険料に相当する金額を支払う契約を締結する。保険契約者の支払う保険料は、保険契約者名義の一般口座と特別口座の2つに分けられる。特に事故や病気などがなく支払いが発生しなかった場合は一般口座からプールされた資金とその運用益が分配されて、事故や病気などが発生した場合には特別口座からザカートとして保険金に相当するお金が支払われる。

公認会計士 飯田律氏のイスラム探訪 | 週刊 イスラム市場

www.shukanislam.com/#.../c23du/7EB4E3D6-1C74-4391...

ムダラバ. 営業者(資金運用者)が、出資者から資金を集め、投資・運用結果の利益を 配当するという取引形態。出資者は、事業は ... が買い手との間に入って、転売という形 を取り、買い手は、金融手数料を加えた金額を分割支払する方法( 自動車ローン).


ムシャラカとは?ムシャラカの意味 イスラム金融用語辞典

islamicfinance.jp/words/musyaraka.html

ムシャラカとは何か. このページでは、ムシャラカの意味を説明しています。 ムシャラカ はムダラバと同様に事業への投資や配当によるスキームであるが、共同出資であること が違いである。 ムダラバでは資金の出し手は事業投資から生み出された配当を ...


 <参考:イスラム金融の主なスキーム>

ムラバハ:売買取引。売値と買値の差額が利息相当となる。

イジャラ:リース取引。

ムダラバ:信託取引。

ムシャラカ:共同出資。

イスティスナ:製造する商品を銀行が顧客に代わって製造者に発注、代金を支払う取引。

 製造されたものは顧客に引き渡され、銀行は顧客から代金をリース料などとして回収する。

サラム:売主が対象物を後日引き渡す約束で、買主が代金を一括先払いする先渡し取引。

ワカラ:代理人を指名し、代理人に業務遂行を任せ、手数料を支払う取引。

タカフル:頼母子講に似た保険システム。


International Economic Review




最近『リトル・ライオン』というフランス資本の映画でアフリカイスラム版の頼母子講の実例を見た。

それは近所の人との頼母子講を孫のサッカー留学に使うというものだった。


 <参考:イスラム金融の主なスキーム>

ムラバハ:売買取引。売値と買値の差額が利息相当となる。

イジャラ:リース取引。

ムダラバ:信託取引。

ムシャラカ:共同出資。

イスティスナ:製造する商品を銀行が顧客に代わって製造者に発注、代金を支払う取引。

 製造されたものは顧客に引き渡され、銀行は顧客から代金をリース料などとして回収する。

サラム:売主が対象物を後日引き渡す約束で、買主が代金を一括先払いする先渡し取引。

ワカラ:代理人を指名し、代理人に業務遂行を任せ、手数料を支払う取引。


イスラーム圏では一般的な保険は運用によって得た利子を利用して運営を行う事と、いつ起きるか分からない事故や疾病に対してお金を払う事をギャンブルと見做す為にシャリーアに反するとされ、そのままでは販売できない。その為、イスラームの五行にあるサダカに合致させる為、共済頼母子講に似た方法で資金調達と運用を行う。


頼母子講(たのもしこう)ブリタニカ国際大百科事典より

無尽ともいい,の組織による民間の金融組合の一種。講員が掛金を定期間に出し合い,入札または抽籤で毎回そのなかの1人が交代で所定の金額を受取る。全員に渡し終えた時点で講は解散する。出し合った金で家畜や家財道具などを買入れ,交代に分与する方法などがある。
/////
最近『リトル・ライオン』というフランス資本のアフリカ映画でイスラム版の頼母子講
(タカフル?)の実例を見た。それは劇中、近所の人との頼母子講を孫のサッカー留学に
使うというものだった。

International Economic Review

 <参考:イスラム金融の主なスキーム>

ムラバハ:売買取引。売値と買値の差額が利息相当となる。

イジャラ:リース取引。

ムダラバ:信託取引。

ムシャラカ:共同出資。

イスティスナ:製造する商品を銀行が顧客に代わって製造者に発注、代金を支払う取引。

 製造されたものは顧客に引き渡され、銀行は顧客から代金をリース料などとして回収する。

サラム:売主が対象物を後日引き渡す約束で、買主が代金を一括先払いする先渡し取引。

ワカラ:代理人を指名し、代理人に業務遂行を任せ、手数料を支払う取引。


イスラーム圏では一般的な保険は運用によって得た利子を利用して運営を行う事と、
いつ起きるか分からない事故や疾病に対してお金を払う事をギャンブルと見做す為に
シャリーアに反するとされ、そのままでは販売できない。その為、イスラームの五行
にあるサダカに合致させる為、共済頼母子講に似た方法で資金調達と運用を行う。
 

  頼母子講(たのもしこう)ブリタニカ国際大百科事典より  

無尽ともいい,講の組織による民間の金融組合の一種。講員が掛金を定期間に出し合い, 入札または抽籤で毎回その

なかの1人が交代で所定の金額を受取る。全員に渡し終えた 時点で講は解散する。出し合った金で家畜や家財道具など

を買入れ,交代に分与する 方法などがある。


要するに資本ストック(=β)は必ずしも悪ではない。

問題は、ストックに現勢的な利益を与え、ストックへの欲求可能性を与える新しいアレンジメントとは
何かということだ。ストックはある必然的な相関物をもつように思われる。同時に耕作されている領土が
共存すること、または、唯一の同じ領土において継起的な耕作が行なわれること。諸領土が一つの〈土地〉
を形成し、〈土地〉が領土にとって代わる。このようなアレンジメントは必然的にストックを持ち、第一
の場合には拡大耕作となる。》
(ドゥルーズ&ガタリ『千のプラトー』13)

《…ストックを産出することを余儀なくされているかぎり──たとえ外的な事情による場合でも、どんな
国家がストックなしでいられようか──ギリシア世界、ローマ世界、封建世界において見出されるのは、
常に帝国の発達した形態を新たに活性化したものであった。地平線のかなたにはいつも一つの帝国が見え
隠れし、その帝国は主体的な国家に対し、意味を与えるもの包括するものという役割を果たす。
国家装置が発明されるのは、アフリカ・アジア地方、オリエント、つまり中近東、エジプトやメソポタ
ミア、さらにまたインダス(そして極東)である。農業ストック、その相伴物である官僚機構、軍隊機構、
さらには冶金業、商業が形成されるのは、これらの地域においてである。ただし、こうした帝国的、東方
的「解決」は、一つの袋小路によって脅かされる。国家による超コード化は、強力な官僚機構の管理のも
とで、冶金業者や、職人や、商人を狭い範囲に押し止め、指導階級に奉仕させ、外部との交易を独占的に
所有し、農民たちはほとんど国家の創設による利益にあずかることがない。
こうしてエーゲ海民族は、みずからストックを形成しないまま、東方のストックを利用できる状況に置
かれる。可能なときには東方のストックを略奪し、より定期的には中央ヨーロッパや西ヨーロッパから来
る一次産品(特に木材と金属)と東方のストックの一部を交換する。東方が休みなくストックを再生しな
ければならないのは確かだが、論理的には東方は「一度で決定的に」ストックに成功し、西方はそれを再
生する必要なしにその恩恵に浴する。この結果、現地の国家装置の蓄積した余剰に依存しないことから、
西方における冶金職人や商人の身分は東方におけるものとは異なってくる。農民はしばしば東方世界と同
じか、またはもっと厳しい搾取をこうむるが、職人や商人はより自由な身分と、より多様な市場を享受し、
後の中産階級を先取りするものとなる。東方世界の多くの冶金職人や商人がエーゲ世界に渡り、より自由
で、より多様で、より安定した条件を見出すだろう。
(ドゥルーズ&ガタリ『千のプラトー』13)

世界古典文学全集〈第7巻〉仏典2 (1965年) 筑摩書房 にも、華厳経21/28の現代語訳が所収されている。





 

華厳経 

http://www.geocities.co.jp/suzakicojp/kegon1.html

 

第十八章 十無尽蔵品

菩薩が、このような信心を完成すれば、たとい、諸仏、衆生、法界、涅槃界などの、不可思議であることを聞いても、心におどろきをおぼえない。
 この信蔵は、決して退くことのない信、乱れることのない信、こわれることのない信、執著することのない信、如来本性の信である。
 菩薩は、いかなる世界の戒にも執著しない。菩薩は、つねに涅槃に向う戒にしたがい、この戒のために、衆生を悩ますことはしない。菩薩が戒をたもつのは、ただ衆生の利益をおもい、衆生をよろこばせるためである。菩薩は、かたよった見解をはなれ、ただ因縁を観察して、清浄の戒をたもつ。菩薩は、ただ清浄の戒をたもって、ひたすら仏法をもとめ、一切の智慧を成就しようとおもうだけである。戒を犯すひとを見ても、これをいやしみ、ののしって、なやますことはしない。ただ、一心に戒をたもつだけである。
 

一切の諸仏は、衆生は顛倒によって戒をおかす、ということを知っておられる。そこで、わたしは、ひたすら仏道を求め、無上のさとりを完成し、ひろく衆生のために、真実の法を説き、顛倒をはなれ、清浄の戒をたもたしめ、ことごとく無上のさとりを成就せしめよう。』
 菩薩は、みずから、自分の過去世をおもうのに、
『わたしは、限りない昔から、親、兄弟のなかで、罪をおかしてきた。あるいは、相手をあなどって、みずからたかぶったり、あるいは、心が乱れて、節義を失ったり、あるいは、腹をたてて、親しみがなくなったり、このように、迷いまどうて、いろいろな悪をつくってきた。一切衆生もまた、そのとおりで、もろもろの罪をおかしている。どうして、これでよいことがあろう。
 そこでわたしは、みずから罪をはじ、さとりを完成し、また、衆生のために真実の法を説き、衆生をして罪をはじさせ、さとりを完成させよう。』と。
 これが、菩薩の無尽の慚蔵である。

菩薩は、みずから恥じておもうに、
『わたしは、昔から、感覚の対象や、妻子兄弟や、財産や宝物などを、むさぼりもとめて、満足することがなかった。こうしたことは、やめなくてはならない。』

 菩薩は、そのとき、こころにおもうよう、
『わたしは、これまで、命をおとしてきたことは、測り知れないが、ひとを救うために、自分の命を捨てたことは、まだ一度もなかった。幸いに、御馳走や衣服を得たことは、この上もないよろこびである。このさい、わたしは、命をすて、一切をささげて、衆生のためにつくし、大いなる施しを完成しよう。』と。
 これが、菩薩の最後の行じがたい施しである。

菩薩は、過去の諸仏、菩薩のおこないや功徳をきいても、それに執著せず、妄想もおこさない。
 ただ、ひとびとを、教えみちびくために、身をあらわして、ひろく道を説き、衆生をして、仏法を完成せしめようとおもうだけである。
  菩薩は、未来の諸仏、菩薩のおこないや、功徳をきいても、そのすがたをえがかず、こころに執著せず、その仏国に往生しようともおもわず、味わうこともなく、厭うこともなく、心をおさめて、散乱することがない。 菩薩は、ただつぎのようにおもう、『すべての現象は、ことごとく夢のごとくであり、すべてのおこないは、みな真実でない。衆生は、そのことを知らないから、まよいの世界に流転するのである。』菩薩は、みずから、自分の身を観察してみるに、すでに、受胎のときから、不浄で、悪臭をはなち、一片の真実もなく、骨節たがいに組みあって、血肉によっておおわれ、もろもろの孔からは、つねに不浄がながれ、かくして、ついには、しかばねとなる。 菩薩は、このように、わが身を観察して、一念の愛著をも、おこさない。

ありとあらゆるものは、みずから生じたものでもなく、他によってつくられたものでもない、それは、不生であり、不滅であり、施すこともなく、受けることもなく、ことばによって、表しようがないからである。
 
 菩薩のおもいには、十種ある。
 すなわち、 寂かなおもい、 清らかなおもい、 にごりのないおもい、 澄みとおるおもい、 ちりを離れたおもい、 種々のちりを離れたおもい、 あかを離れたおもい、 ひかりかがやくおもい、 たのしむおもい、 さわりやへだてのないおもい、である。
 菩薩が、このおもいをなすとき、いかなる世間も、菩薩のこころを、みだすことはできず、いかなる悪魔も、そのこころを、うごかすことはできない。

以上が華厳経1-21章からの抜粋です。

参考元はこちらです:

http://members13.tsukaeru.net/qookaku/index.html

http://members13.tsukaeru.net/qookaku/mahayana_sutra/mahayana_sutra.html 



原田霊道訳著『現代意訳 華厳経』(書肆心水)
http://www.shoshi-shinsui.com/SPL079.pdf 冒頭50頁分のサンプル 2/28

     ②無一物中無尽蔵

  『華厳経』に、一つの塵の中に全宇宙が宿っていると説かれてあり、天台では「南無の

一念に三千世界を見る」という意味のことが説かれ、禅に「無一物の中に無尽のもの(全

宇宙)がある」といいます。浄土教では「南無の一声にみ佛の兆歳永劫の修行の功徳が込

められている」と、言います。



経典散策・大方広仏華厳経

http://heartland.geocities.jp/nyoimani/

無一物中無尽蔵/並榎山常仙寺 今月の言葉

members3.jcom.home.ne.jp/jousenji/jousenji0726_06.html

無一物中無尽蔵 この「無一物中無尽蔵」という言葉は、中国宋代の詩人蘇東坡(そとう ば)の、 素紈(がん)画かざれば意高き哉 儻(も)し丹青を着ければ二に落ち来る 無一物 中無尽蔵花有り月有り楼臺(ろうだい)有り という詩から引用された句です。 詩の大意は  ...

日曜日, 6月 21, 2015

柄谷行人『遊動論 柳田国男と山人』より


柄谷行人『遊動論 柳田国男と山人』第二章脚注より



柳田によれば、社倉を理論化し実行したのが南宋の朱子である。朱子に関するこのような見方は、日本の江戸思想史には見当たらない。徳川幕府公認のイデオロギーである朱子学では、朱子は観念的な道義や正統性を説く哲学者だと見なされている。しかし、朱子はきわめて実践的であり具体的であった。また、国家による政策ではなく、民間の自治を説いた。朱子の思想は、科挙制度が全面的に実現された南宋の社会から生まれた。それは、どんな階級の出身でも試験に通れば支配層に入れるという制度を背景にしている。また、この制度は、宋代における南方開拓とともに植民した農民が土地所有権を得るようになった経済的変化にもとづいている。そこから生まれた「士大夫」階級から、自由思想家が輩出し、その一人が朱子であった。しかし、そのような社会は南宋以前にはなく、南宋の滅亡後にも二度となかった。朱子学は明代で隆盛を極めるようになったが、科挙の必須科目となって固定化・形骸化してしまった。宋代にあったような実践的な性格が失われたのである。(戻る)


以下、柄谷行人『柳田国男と山人』より

《注5.柳田によれば、社倉を理論化し実行したのが南宋の朱子である。朱子に関するこのよう

な見方は、日本の江戸思想史には見当たらない。徳川幕府公認のイデオロギーである朱子学

では、朱子は観念的な道義や正統性を説く哲学者だと見なされている。しかし、朱子はきわ

めて実践的であり具体的であった。また、国家による政策ではなく、民間の自治を説いた。

朱子の思想は、科挙制度が全面的に実現された南宋の社会から生まれた。それは、どんな

階級の出身でも試験に通れば支配層に入れるという制度を背景にしている。また、この制度

は、宋代における南方開拓とともに植民した農民が土地所有権を得るようになった経済的

変化にもとづいている。そこから生まれた「士大夫」階級から、自由思想家が輩出し、その

一人が朱子であった。しかし、そのような社会は南宋以前にはなく、南宋の滅亡後にも二度

となかった。朱子学は明代で隆盛を極めるようになったが、科挙の必須科目となって固定化

・形骸化してしまった。宋代にあったような実践的な性格が失われたのである。》




玉音放送にも抜粋引用された『近思録』(朱熹/朱子と呂祖謙)で紹介された張横渠の言葉(下Dのみ)、


《A天地の爲に心を立て、B生民の爲に道を立て、C去聖の爲に絶學を繼ぎ、D萬世の爲に太平を開く。》『近思録』2為学より

爲学95
爲天地立心、爲生民立道、爲去聖繼絶學、爲萬世開太平。


(岩波文庫、新釈漢文大系及び中国古典新書も2行目(B)が「命」ではなく「道」となっている。

出典『横渠文集』に忠実なのかはわからないが、中国では「命」が一般的のようだ。)


近思録』構成
     /C学2_3_4_11\
 B道1〈 A徳5_6_7_12 〉総合14
     \D政8_9_1013/

朱子自身は違う構成を述べているが、10までは同じ。
朱子学は当初実学だったが、孔子にあった対話主義がなくなって行く。
それはカントからヘーゲルへの移行に似ている。
ちなみに、社倉に関して以下のサイトを見ると、600石がβ=1だろう。
14年で最終的に、β=5~8.3?

 <その心ありてその政なきを徒善といい、その政ありて心なきを徒法という>(孟子注)
参考文献:『中国の人と思想8・朱子』佐藤仁著 集英社
http://www.enpitu.ne.jp/usr/bin/month?id=7246&pg=200507

 こうして地方はますます疲弊し、暴動が頻発した。朱子が住んでいた地方でも一揆が横行し、彼の身辺にまで及ぼうとしていた。そこで、朱子は県や府に申請して、官米6百石を貸与して貰い、それを農民達に配給した。朱子がこうしたことができたのは、彼の説得が真に迫っていたことにくわえて、彼がそのころ枢密院編修官という中央政府の肩書きをもっていたことも大きかったようだ。

 その年の冬の収穫で朱子は借りた6百石を返却するかわりに、借用証書を提出し、6百石はそのまま備蓄米として「社倉」に保管した。そして翌年の夏、朱子はこれを10分の2という安い利息で希望する農民に貸し出した。このとき朱子はもし不作であれば無利子にするという条件をつけている。

 これを14年間続けるつづけるうちに、最初に借りた官米を返してもなお「社倉」のなかには3千石以上の米が備蓄されることになった。そこでこれ以後は利息米をとることをやめて、1石につき二升ずつの損料をとるだけにした。それでもやがて備蓄米は5千石に達し、この地方はもはや飢饉の年でも農民が困ることはなくなったという。

 朱子がはじめた「社倉」制度のすぐれているところは、その運営を朱子と村人の共同管理で行ったことだ。そして米を出し入れするときだけ監視役として役人を呼んだ。朱子の「社倉」については、これは「青苗法」をまねるものだという批判があったが、これはまちがいである。その管理を役人にまかせず、農民が主体になっている点で、まったく別の発想に立つものだというべきだろう。

 朱子はこうした実践をふまえて、「社倉事目」という社倉の運営管理に関する条例を作って政府に上申している。どうじに朱子は「条例」だけではだめで、いかにそこに魂を入れるかが問題だと述べている。

 そして魂とは「民を愛する心」だという。また、いくら心があっても「政」がともなわなけば、これも何の役にも立たないという。これは朱子が尊敬した孟子の思想だった。

 <その心ありてその政なきを徒善といい、その政ありて心なきを徒法という>(孟子注)

 朱子の「社倉法」は江戸時代に「朱子学」とともに日本にもたらされ、各地で実施されたという。それらの一部は現在も「文化財」として大切に保存されているようだ。民俗学者である柳田国男は「日本における産業組合の思想」という論文のなかでこれを取り上げ、社倉法を現在の信用組合制度の先駆けとして高く評価している。

参考文献:「中国の人と思想8・朱子」 佐藤仁著 集英社

同書140頁によると社倉は朱子の友人魏掞之(ぎえんし(元履))のアイデアで、魏掞之は利子を取る朱子に批判的だった。朱子は社倉事目という条例を作った。

政事2
伊川答人示奏藁書云、觀公之意、專以畏亂爲主。頤欲公以愛民爲先、力言百姓飢且死、丐朝廷哀憐。因懼將爲寇亂可也。不惟告君之體當如是、事勢亦宜爾。公方求財以活人。祈之以仁愛、則當輕財而重民。懼之以利害、則將恃財以自保。古之時、得邱民則得天下。後世以兵制民、以財聚衆。聚財者能守、保民者爲迂。惟當以誠意感動、覬其有不忍之心而已。
【読み】
伊川人の奏藁を示せしに答うる書に云う、公の意を觀るに、專ら亂を畏るるを以て主と爲す。頤は公の民を愛するを以て先と爲し、力めて百姓の飢えて且[まさ]に死せんとするを言ひ、朝廷に哀憐を丐[こ]わんことを欲す。因りて將に寇亂を爲さんとするを懼れしめば可なり。惟に君に告ぐる體の當に是の如くなるべきならず、事勢も亦宜しく爾[しか]るべし。公は方に財を求めて以て人を活さんとす。之に祈[もと]むるに仁愛を以てせば、則ち當に財を輕んじて民を重んずべし。之を懼れしむるに利害を以てせば、則ち將に財を恃み以て自ら保たんとす。古の時、邱民を得れば則ち天下を得たり。後世は兵を以て民を制し、財を以て衆を聚む。財を聚むる者は能く守るとし、民を保んずる者は迂なりとす。惟當に誠意を以て感動せしめ、其の忍びざる心有らんことを覬[ねが]うべきのみ、と。

*近思録には社倉の具体的記述はない。

前近代文明の三重構造の地政学的型(抜粋): 

|中心  | 朝  |
|    | 鮮  |
| 中国 | 半  |
|    | 島  |
|   /    /
|__/ベ   /
|   ト  /  
|周辺 ナ /   日
|___ム/    本
|亜周辺__________

 ユーラシアの東   

(中心) 中国
(周辺) 朝鮮半島・ベトナム
(亜周辺)日本

(湯浅 赳男 『 「東洋的専制主義」論の今日性—還ってきたウィットフォーゲル 』より)
http://yojiseki.exblog.jp/6583022/

柄谷行人『世界史の構造』『帝国の構造』では日本の文化政治的特色が亜周辺という
地政学的特徴によって説明される。
ただし、これらは中華思想の補強ではない。柄谷行人は非公式に次の覇権国家は中国ではなくインドが有力と述べている
(これは高齢化社会を危惧するエマニュエル・トッドと同意見)。
「元は中国の王朝であるよりも、モンゴルの世界帝国の一部」(『帝国の構造』4-4,123頁参照)。
 ちなみに、ユーラシア西においては、
古代以降、ペルシア→(ヘレニズム)→ローマ→イスラム と中心が移行したと考えられる。
帝国は帝国主義として復活したかに見えるがそれは不可能だとも柄谷行人指摘する。
例えば大日本帝国の不可能性…

柄谷行人交換図は、ストックとフローを明確にする。

ストック フロー
ーーーー十ーーーー
フロー  ストック

社倉はB(A,C)からDへの転換。

//////

ローマという中心の亜周辺にゲルマン,西ヨーロッパがあるとも考えられる(『世界史の構造』180頁他)。なお東ローマ帝国と西ローマ帝国の統治方法の差異は中心と亜周辺の差異として説明される(p93,3-6)。
これは上の図ではローマがイスラムに場を譲ることで説明される。
また、「圏外」には狩猟採集民が残った(『世界史の構造』161頁)。

上記は以前紹介した図だが、『帝国の構造』ではもうひとつ、モンゴル(中国)を中心にした図が必要になる。上記一番右の図の左半分と考られる。

         亜周辺| ヨ        亜周辺|  |中心  | 朝  |
  アテネ   ____| | 西ヨーロッパ____|  |    | 鮮  |
       /ア   | ロ      /バ   |  | 中国 | 半  |
古 ローマ / ナ 周辺| ッ     / ル 周辺|  |    | 島  |
典    / リト   | パ    / 半カ   |  |   /    /
古   /  ア  __| 中   /  島ン __|  |__/ベ   /
代  /キ    /  | 世  /イ    /  |  |   ト  /  
社 | プ   /ペルシア 社 | ベ   /イスラーム |周辺 ナ /   日
会 | ロ  |帝国 中心 会 |半リ  |帝国 中心  |___ム/    本
__|_ス__|____| __|島ア__|____|  |亜周辺__________

ユーラシア西1         ユーラシア西2       ユーラシアの東   

(中心) ペルシア帝国     |イスラム帝国        |中国
(周辺) キプロス・アナトリア |バルカン半島・イベリア半島 |朝鮮半島・ベトナム
(亜周辺)アテネ・ローマ    |西ヨーロッパ        |日本
      =古典古代社会   | =ヨーロッパ中世社会   |

(湯浅 赳男 『 「東洋的専制主義」論の今日性—還ってきたウィットフォーゲル 』より)
http://yojiseki.exblog.jp/6583022/

ローマという中心の亜周辺にゲルマン,西ヨーロッパがあるとも考えられる(『世界史の構造』180頁他)。なお東ローマ帝国と西ローマ帝国の統治方法の差異は中心と亜周辺の差異として説明される(p93,3-6)。
これは上の図ではローマがイスラムに場を譲ることで説明される。
また、「圏外」には狩猟採集民が残った(『世界史の構造』161頁)。

上記は以前紹介した図だが、『帝国の構造』ではもうひとつ、モンゴル(中国)を中心にした図が必要になる。上記一番右の図の左半分と考られる。


C天地の爲に心を立て、A生民の爲に道を立て、B去聖の爲に絶學を繼ぎ、D萬世の爲に太平を開く。

(岩波文庫、新釈漢文大系及び中国古典新書も、2行目が「命」ではなく「道」となっている。出典『横渠文集』に忠実なのかはわからないが、中国では「命」が一般的のようだ。)


近思録』構成
     /B学2_3_4_11\
 A道1〈 C徳5_6_7_12 〉総合14
     \D政8_9_1013/

           |           
   国家      | ネーション     
   B       | A                
           |          平
 __________|__________
           |          等   
           |           
   資本      | アソシエーション   
   C       | D   X     
           |           
          自 由

『世界史の構造』15頁、定本『トランスクリティーク』425頁(文庫版415頁)参照。


前近代文明の三重構造の地政学的型(一部のみ): 

         亜周辺| 
  アテネ   ____| 
       /ア   | 
古 ローマ / ナ 周辺| 
典    / リト   | 
古   /  ア  __| 
代  /キ    /中心|  
社 | プ   /ペルシア
会 | ロ  |   帝国 
__|_ス__|____| 
   ユーラシア西1          

(湯浅赳男 『 「東洋的専制主義」論の今日性—還ってきたウィットフォーゲル 』より)

古代以降、ペルシア(p74,3-3)→(ヘレニズムp99,3-7)→ローマ(p99)→イスラム(p131,4-6)と
中心が移行すると考えられる。
『帝国の構造』ではさらにもうひとつ、モンゴル(中国)を中心にした図が必要になる。

|中心    |  周辺| 亜周辺
|      | 朝  |
| モンゴル | 鮮  |
|   (中国) 半  |
|唐→宋x→元| 島  |
|           | 日本
 \  イラン\____/ベ    / 
  \/ ムガール帝国  ト   /  
   \ (インド)   ナ  /   
    \________ム_/    
___________________________
      近世以降ユーラシア全体 4-4~6,5-1,7-1

「元は中国の王朝であるよりも、モンゴルの世界帝国の一部」
(「現代思想」2013.08,『帝国の構造』4-4,123頁参照)
 
「大航海時代」(p142,5-2)のジェノア(p149,5-3)、スペイン(p141,5-2、p149,5-3)を経て、帝国以後は以下、

b循環的な様相  
__________________________________________
     |~1750|1750〜|1810〜|1870〜|1930〜|1990〜 
     |     |1810 |1870 |1930 |1990 |  
_____|_____|_____|_____|_____|_____|______
ヘゲモニー|オランダ |     |英国   |     |米国   | 
国家   |     |     |     |     |     |
_____|_____|_____|_____|_____|_____|______
世界資本 |自由主義的|帝国主義的|自由主義的|帝国主義的|自由主義的|帝国主義的
主義   |     |     |     |     |     |
_____|_____|_____|_____|_____|_____|______

      世界資本主義の諸段階(『帝国の構造』6-2,181頁より)
           |           
   国家      | ネーション     
   B       | A                
           |          平
 __________|__________
           |          等   
           |           
   資本      | アソシエーション   
   C       | D   X     
           |           
          自 由

『世界史の構造』15頁、定本『トランスクリティーク』425頁(文庫版415頁)参照。


前近代文明の三重構造の地政学的型(一部のみ): 

         亜周辺| 
  アテネ   ____| 
       /ア   | 
古 ローマ / ナ 周辺| 
典    / リト   | 
古   /  ア  __| 
代  /キ    /中心|  
社 | プ   /ペルシア
会 | ロ  |   帝国 
__|_ス__|____| 
   ユーラシア西1          

(湯浅赳男 『 「東洋的専制主義」論の今日性—還ってきたウィットフォーゲル 』より)

古代以降、ペルシア(p74,3-3)→(ヘレニズムp99,3-7)→ローマ(p99)→イスラム(p131,4-6)と
中心が移行すると考えられる。
『帝国の構造』ではさらにもうひとつ、モンゴル(中国)を中心にした図が必要になる。

亜周辺| 周辺 |  中心    |  周辺| 亜周辺
   |    |        | 朝  |
キエフ|ロシア |   モンゴル | 鮮  |
公国 |_   |     (中国) 半  |
   |オスマン|  唐→宋x→元| 島  |
   |トルコ  \      /     | 日本
    \  イラン\____/ベ    / 
     \/ ムガール帝国  ト   /  
      \ (インド)   ナ  /   
       \________ム_/    
___________________________
      近世以降ユーラシア全体 4-4~6,5-1,7-1

「元は中国の王朝であるよりも、モンゴルの世界帝国の一部」
(「現代思想」2013.08,『帝国の構造』4-4,123頁参照)
 
「大航海時代」(p142,5-2)のジェノア(p149,5-3)、スペイン(p141,5-2、p149,5-3)を経て、帝国以後は以下、

b循環的な様相  
__________________________________________
     |~1750|1750〜|1810〜|1870〜|1930〜|1990〜 
     |     |1810 |1870 |1930 |1990 |  
_____|_____|_____|_____|_____|_____|______
ヘゲモニー|オランダ |     |英国   |     |米国   | 
国家   |     |     |     |     |     |
_____|_____|_____|_____|_____|_____|______
世界資本 |自由主義的|帝国主義的|自由主義的|帝国主義的|自由主義的|帝国主義的
主義   |     |     |     |     |     |
_____|_____|_____|_____|_____|_____|______

      世界資本主義の諸段階(『帝国の構造』6-2,181頁より)



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18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。投稿者 Das Eismeer 投稿日 2007/12/3
形式: 単行本
受験生時代に出会い、自分に衝撃を与えた参考書。今なお色あせない、現存する最高の世界史参考書と言ってもいいし、一般書として出版すべき内容の惜しい本とも言える。「憲法」とは何か。「権利」とは何か。「民主主義」とは何か。またそれらの由来は?あなたははっきり答えられるだろうか。この本は上記に挙げた専門用語の説明に重心を置きつつ、近代ヨーロッパの政治・経済・国際関係を概覧している。この時代の激動の諸現象が、前近代からどのように発展し、そして現代の諸問題と結びついているか。それが解き明かされたとき、目から鱗が落ちるであろう。読み物としても十分におもしろい。さすがに著書二冊目とあって、文章もこなれている。

ただし気をつけるべき点を二点だけ挙げておく。この参考書はE・ウォーラステインの「国際分業体制・近代世界システム論」という思想を元に書かれているので、これが標準的な高校世界史の解釈というわけではない。単に一つの論理を軸に論述試験を解けば高得点が得られやすいので、それにウォーラステインを利用しているに過ぎない。また、(だからこそ読み物としておもしろいのではあるが)受験参考書にしては異例なほど著者のイデオロギーにあふれており、特に左翼が大嫌いで(授業内での発言ではあるが)ソ連を「悪の帝国」とののしっているなど、思想的偏りが見られる。純真な受験生諸氏には、くれぐれもかぶれないように気をつけながら学習していただきたい。