金曜日, 8月 21, 2015

「蛸壺に入ったときはみなケインジアンになるようだ」ルーカス




SEAN COLLINS 

KEYNES TO THE RESCUE? SEAN COLLINS 



Robert Skidelsky's latest book on Keynes gives a clear and concise account of the current economic crisis, but its faith in Keynes as the 'master' of economic debate is seriously misplaced. 

Recent government actions in response to the financial crisis – in particular the Bush and Obama stimulus packages in the US – have been widely viewed as a sign that Keynes’ brand of economics is back in fashion. Whatever their theoretical inclinations prior to the crash, a majority of economists – and especially those in the Obama administration – dropped any inhibitions they may have had about increasing state spending and debt substantially when confronted with what they thought was the prospect of another Great Depression. As Robert Lucas, a leading economist and critic of Keynes, puts it, ‘I guess everyone is a Keynesian in a foxhole’ (2).

(2) Cited in Justin Fox, ‘The Comeback Keynes’, Time, 27 January 2009

「蛸壺に入ったときはみなケインジアンになるようだ」ルーカス
『なにがケインズを復活させたのか?』(ロバート・スキデルスキー,16頁)

ニコラス・ワプショット著『ケインズかハイエクか』邦訳では
「誰も彼もが避難所に隠れていたケインズ主義者のようだ」(#17,320頁)となっている。前者の方が訳としては正しいが、『使えるマクロ経済学』では後者の訳を採用している。


ニコラス・ワプショット著『ケインズかハイエクか』その2 | 堀内社会保険労務士事務所ブログ ::

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ニコラス・ワプショット著『ケインズかハイエクか』その2

 『ケインズかハイエクか ~資本主義を動かした世紀の対決』(新潮社)
著 者:ニコラス・ワプショット

 以下は『ケインズかハイエクか』からの引用ですが、内容は2007年から始まってリーマンショック以後のアメリカ経済について書かれています。

 ケインズは復讐とともに戻ってきた。『タイム』誌はこの過去の人物の復活を歓迎した。ジャーナリストのフォックスはこう記している。「われわれが目の当たりにしているのは、信用破壊が需要減退を招き、需要減退が経済破綻を招く方向へ向かっているのではないかという不安である。この脅威に直面した政府は、1930年代初めの暗黒の時期にケインズが立てた政策への回帰を余儀なくされると考えている。つまり、強制ではないが望ましい支出として、高速道路や学校などの有益な公共事業に対し、歳入を超える額を支出して需要を刺激するのだ」。
 シカゴ学派の經濟学者の中でもケインズ主義の打倒に最大級の影響力を及ぼしたノーベル賞受賞学者のロバート・ルーカスは、「誰も彼もが避難所に隠れていたケインズ主義者のようだ」と言い切った。
「われわれはみな、ケインズ主義は機能しないという意見で一致していると思っていた。ところが、いまや連邦議会に提出された新たな景気刺激策とともに、ケインズ派がぞろぞろと現われている。ケインズ主義的な制度に反対していた理論家は、みなどこへいってしまったのだろうか」。