土曜日, 3月 19, 2016

公共財:再考


NAMs出版プロジェクト: 公共財:再考

http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_22.html
NAMs出版プロジェクト: 宇沢弘文(1928~2014):メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2016/03/blog-post_10.html
NAMs出版プロジェクト: Thorstein Veblen, 1857-1929.

社会的共通資本SOCの説明(生産と消費両方に関わることで人間の経済活動をSOCは内包する):

社会的共通資本の賦与量V。
生産主体jの生産量Qjは、その使用する私的な資本の量Kj、労働雇用量Njに当然依存して定まってくる。
これら私的な生産要素の限界生産のスケジュールは、共通資本から生み出されるサービスの使用量Xjによって左右される。
生産主体jが、生産主体jの生産的諸条件を要約する生産関数はつぎのような形をしていると考えられる。
 Qj=Fj(Kj,Nj,Xj,X,V)
ここで、Xは、経済全体で、共通資本のサービスがどれだけ使用されているかということをあらわす。
効用水準Uiは、私的消費の量Ci、共通資本のサービスの使用量Xi、経済全体での共通資本のサービスの使用量X、および共通資本の賦与量Vに依存して定められる。
 Ui=Ui(Ci,Xi,X,V)
Xが増加するとiの効用水準は低下する。

『経済学の考え方』253~5頁より要約。

わかりにくいが、宇沢は公害を例に挙げている。



「国富が大きくなること」 と 「国民が豊かになること」 は違う/NHK・クローズアップ現代 「経済学者・宇沢弘文(うざわひろふみ) ~格差・貧困への処方箋~」 – @動画
http://www.at-douga.com/?p=12271
veoh - クローズアップ現代「人間のための経済学 宇沢弘文 格差・貧困社会への処方箋」_20141031_HD-1-a1
http://www.veoh.com/watch.php?v=v79749424NAFzZhCA
2014年10月30日に放送された、NHK・クローズアップ現代「人間のための経済学 宇沢弘文 格差・貧困への処方箋」を紹介します。(所要時間:約26分)


ポール・A・サミュエルソン (Paul A. Samuelson)

http://cruel.org/econthought/profiles/samuelson.html

"The Pure Theory of Public Expenditure", 1954, REStat

サミュエルソンのいう公共財は循環しないことが宇沢弘文『自動車~』1974年で批判される(混雑現象が道路で起こるという指摘が興味深い)。

Mod3_Samuelson.pdf

http://www.ses.unam.mx/docencia/2007II/Lecturas/Mod3_Samuelson.pdf






公共性研究の方法と公共性三元論(上) - 高知大学学術情報リポジトリ

(Adobe PDF)

 

-htmlで見る

ir.kochi-u.ac.jp/dspace/bitstream/10126/5149/.../99.2.p...

公共性(publicness)」とはなにか,「公共財(public goods or common goods)」. とは なにか,この問いに ... 論は,経済学分野のサミュエルソン氏やマスグレイブ氏などの新 古典派や公共. 経済学派の公共財論 ...... 15) 名和小太郎氏は,過度な著作権保護を 抑えて情報の公有領域を適度に拡大する. 「ほどよいコモンズ」を ..... Samuelson P.M., “The Pure Theory of Public Expenditure”, Review of Economics &. Statistics, Nov .


紀国論考


為関係・行為様式として公共性を明らかにしようとするものである。 財・サービスの素材的・物理的性質やそれらの属性で公共財を定義する方法論は,経済学分野のサミュエルソン氏やマスグレイブ氏などの新古典派や公共経済学派の公共財論に典型的にみられるものである。 これは公共財の定義を,「非排除性」と「非競合性」という財・サービスの素材的性質や物理的属性に求めるものである。非排除性とは,「他人の消費を排除できないこと」であり,サミュエルソン氏によって提唱された定義である。非競合性とは,「ある人が消費しても他の人の消費を妨げないこと」であり,マスグレイブ氏によって提唱されたといわれている定義である。


国際公共性諸学説(中)―国際金融システムの規範的方法の検討(2)―」,[2002]「国際公共性と国際公共性諸学説(下)― 国際金融システムの規範的方法の検討(2)―」。2) サミュエルソン氏がその定義を最初に提唱したのは,Samuelson P.M., “The Pure Theory of Public Expenditure”である。マスグレイブ氏が提唱したのは,Musgrave R. A., The Theory of Public Finance(木下和夫監修・大阪大学財政研究会訳[1961]『財政理論』)においてである。これについては,深谷昌弘[1972]『公共財と社会システム』,柴田弘文・柴田愛子[1988]『公共経済学』を参考にした。マスグレイブ氏は,氏のいう「第一の社会的欲求(本来の社会的欲求)」について,「社会的欲求とは,すべてのひとびとが等しい量の消費の対象とすべきサービスによって充足されるところの欲求である。このサービスの費用を支払わないからといって,その利益の享受から除去されることはありえない」と述べている(木下和夫監修・大阪大学財政研究会訳[1961]『財政理論』p.10)。しかし私見によれば,これは,ある人の消費が他の人の消費を妨げないこと(非競合性)を示した訳ではない。後生の人が曲解したのではなかろうか。

マルクス[1968]『資本論』第1巻第1章,pp. 102~103,原文pp. 90~91。9) このような人間観をわたしは「方法論的人間主義」と名づけた。詳しくは次の拙稿参照。紀国正典[2006]「国際金融システム論(2)―金融におけるシステム論的方法の展開―」。10) 「共同利用財」という概念を提唱して公共財研究に挑んだ先駆的研究は,わたしの知る限りで日本においては,深谷昌弘氏の次の研究成果だけである。深谷昌弘[1972]『公共財と社会システム』。深谷氏は,公共財研究を,①サミュエルソン氏,マスグレイブ氏の外部性アプローチ,②ブキャナン氏の結合供給アプローチ,③スタイナー氏の共同利用アプローチと三つに分類し,氏の立場は③にあることを明らかにする。そして多様に存在する共同利用財について鋭い分析を展開するのであるが,残念ながら,それらの共同利用財のうち政府が管理・運営する財を「公共財」と定義するに至る。しかしわたしの立場は,多様に存在する共同利用財すべてを,その複数人による共同利用的性格でもって公共財と広く定義する点で,氏とは異なる。わたしは,公共財的性格を複数人による利用範囲と利用規模に求めるブキャナン氏のクラブ財の議論と共通する立場にある。深谷氏によれば,私企業が経営する私鉄は私的財であり公営鉄道は公共財というのであるが,わたしの考えからは,経営様式に関係なくいずれも公共財である。11) カール・マルクス[1968]『資本論』第1巻第2章,p. 124,原文pp. 107

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社会的共通財は以下のXに当たるということか?
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財政の理論的基礎 第16回
http://sugp.wakasato.jp/Material/Economics/cai/text/zaisei/lesson16/zaisei16-7.html

第7章.税制と資源配分/7-3.超過負担の測定と最適課税の理論

 課税による消費者余剰の減少は所得課税に伴う価格上昇で需要がどの程度減少するかに依存します。
つまり、需要の価格弾力性が大きい場合、その分超過負担は大きくなります。
・最適間接税
 税目を消費税に限定し、その中で個別消費税の税率をどのように設定するのが資源配分の視点から望ましいか分析してみます。
この方法で求められた消費税は最適間接税と呼ばれ、着想はラムゼーまでさかのぼります。

ここで、二つの財(X、Y)があり、需要は独立であると考えます。すると、下の図のようになります。

X|\            Y|              
の| \           の|               
価|  \          価|              
格|   \         格|              
 |    \         | ̄-_            
 |_____\小       |___ ̄-_大       
 |____|T\       |___|T_ ̄-_      
 |    |  \      |   |  |   ̄-_ 
 |____|___\____ |___|__|_____ ̄-__  
 0       需要量     0         需要量

             最適間接税

 この二つの財に対する課税の超過負担を最小にするには、X財の税率を高め、Y財に対する税率を低くする必要があります。
 すると、弾力性の低い製品には高い税を課し、弾力性の高い製品には低い税を課すことになります。弾力性の低い財は常識的に必需品であり、 最適間接税は逆進的というというパラドックスが生じることになります。

効率性と公平性のトレードオフ、二律背反。ラムゼイルール。
(角野浩財政学104頁、宇沢弘文経済解析基礎篇588~9頁参照。)


図のTは超過負担を表す。

tx/ty=ey/ex

必需品Xに対して高税率を課し、奢侈品Yに対して低税率を課すことになり、逆弾力性ルールによる最適間接税は逆進的になるというパラドックスが生じてしまうことになり、効率性と公平性のトレード・オフが存在することになる。
(角野浩財政学105頁)
二律背反。ラムゼイルール。
次のように書き換えることが出来る。
txex=tyey
これは価格が1%上昇したときの需要の変化率に価格の変化率を掛けた値であり、各財の課税に対して各財の需要の減少率が等しいことを要請するものであり、ラムゼイの比例性命題(ラムゼイ・ルール)が導かれる。ラムゼイ・ルールは価格の変化ではなく、需要量の変化こそが超過負担の要因であるという観点から同量の需要量の変化率が最適間接税のルールであることを主張するものである。
角野105~6頁




4.公共財(Public goods: なぜある特定の財やサービスは政府によって供給されなければならないのだろうか? また、ある財―それも数にして限られた財―の生産を市場に委ねるべきであるとすれば、一体どのような条件によってそうなる(=その財の供給を市場に委ねるべきということになる)のであろうか? これらの問いに対する答えを知りたければ、サミュエルソンの1954年論文「公共支出の純粋理論」(“Pure theory of public expenditure”)に立ち返ってみられればよい。

サミュエルソンの8つの功績 - himaginaryの日記http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20091228/the_incomparable_economist 

4.公共財 

なぜある種の財・サービスは政府により提供されねばならないのか? 民間市場に適した財は全体の一部に過ぎないが、それを決めるのは何か? それらはすべてサミュエルソンの1954年の 「公共支出の純粋理論」に遡る。   



https://ndlopac.ndl.go.jp/F/


タイトルサミュエルソン経済学体系. 7 (厚生および公共経済学) / 
タイトルよみサミュエルソン ケイザイガク タイケイ. 
責任表示篠原三代平, 佐藤隆三 編.
出版事項東京 : 勁草書房, 1991.10.
形態/付属資料328p ;  22cm.
注記原編者: Joseph E.Stiglitz, Robert C.Merton.
原タイトル: The collected scientific papers of Paul A. Samuelson.
ISBN4-326-54838-X :
価格等4532円 (税込)
全国書誌番号92004819
個人著者標目Samuelson, Paul Anthony, 1915-2009 
篠原, 三代平, 1919-2012 || シノハラ, ミヨヘイ, 
佐藤, 隆三, 1931- || サトウ, リュウゾウ 


http://www.amazon.co.jp/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E5%85%AC%E5%85%B1%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6-%E3%82%B5%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E4%BD%93%E7%B3%BB-P-A-%E3%82%B5%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/toc/432654838X
第1部 厚生経済学(厚生経済学に関する評論
実質国民所得の評価
社会無差別曲線
厚生経済学に関するコメント
「独占的競争」革命
返答
効率性の原理―討論
所得分布不変の主張にからむパレート法則解釈上の誤謬
アローの数理政治学
結合供給と公共財との厚生条件の対比)
第2部 公共経済学(公共支出の純粋理論
公共支出理論の図説
公共支出理論の諸側面
公共支出と課税の純粋理論
公共財と会員制テレビ放送―記録の修正
公共財理論における政府の役割の不確定性
公共財分析の落し穴
現代経済の現実と個人主義
民間活動の経済的役割
混合経済における個人的自由と経済的自由)

業績区分その他 翻訳・監訳
タイトルP.A.Samuelson「公共支出の純粋理論」 
単著・共著区分共著
出版社(掲載誌)『サミュエルソン経済学体系』第7巻 勁草書房 
巻/号 
発行日1991年 10月 01日
掲載ページ/総ページ数167P~171 /

1 Comments:

Blogger yoji said...

社会的共通財は以下のXに当たるということか?
______
財政の理論的基礎 第16回
http://sugp.wakasato.jp/Material/Economics/cai/text/zaisei/lesson16/zaisei16-7.html

第7章.税制と資源配分/7-3.超過負担の測定と最適課税の理論
 課税による消費者余剰の減少は所得課税に伴う価格上昇で需要がどの程度減少するかに依存します。
つまり、需要の価格弾力性が大きい場合、その分超過負担は大きくなります。
・最適間接税
 税目を消費税に限定し、その中で個別消費税の税率をどのように設定するのが資源配分の視点から望ましいか分析してみます。
この方法で求められた消費税は最適間接税と呼ばれ、着想はラムゼーまでさかのぼります。

ここで、二つの財(X、Y)があり、需要は独立であると考えます。すると、下の図のようになります。

X|\            Y|              
の| \           の|               
価|  \          価|              
格|   \         格|              
 |    \         | ̄-_            
 |_____\小       |___ ̄-_大       
 |____|T\       |___|T_ ̄-_      
 |    |  \      |   |  |   ̄-_ 
 |____|___\____ |___|__|_____ ̄-__  
 0       需要量     0         需要量

             最適間接税

 この二つの財に対する課税の超過負担を最小にするには、X財の税率を高め、Y財に対する税率を低くする必要があります。
 すると、弾力性の低い製品には高い税を課し、弾力性の高い製品には低い税を課すことになります。弾力性の低い財は常識的に必需品であり、 最適間接税は逆進的というというパラドックスが生じることになります。

効率性と公平性のトレードオフ、二律背反。ラムゼイルール。
(角野浩財政学104頁、宇沢弘文経済解析基礎篇588~9頁参照。)
図のTは超過負担を表す。

tx/ty=ey/ex

必需品Xに対して高税率を課し、奢侈品Yに対して低税率を課すことになり、逆弾力性ルールによる最適間接税は逆進的になるというパラドックスが生じてしまうことになり、効率性と公平性のトレード・オフが存在することになる。

上の数式は、次のように書き換えることが出来る。
txex=tyey
これは価格が1%上昇したときの需要の変化率に価格の変化率を掛けた値であり、各財の課税に対して各財の需要の減少率が等しいことを要請するものであり、ラムゼイの比例性命題(ラムゼイ・ルール)が導かれる。ラムゼイ・ルールは価格の変化ではなく、需要量の変化こそが超過負担の要因であるという観点から同量の需要量の変化率が最適間接税のルールであることを主張するものである。
(角野浩『財政学』105~6頁)

宇沢弘文参照


11:28 午後  

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