月曜日, 10月 10, 2016

ミルグロム『組織の経済学』1997^1992

ミルグロム:メモ
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/3_13.html
ミルグロム『組織の経済学』1997 契約理論
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_10.html @

原書
(1992). Economics, Organization and Management. Prentice Hall. ISBN 0132246503.
邦訳
https://www.amazon.co.jp/dp/4871885364/
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
目次   
第1部 経済組織
第2部 コーディネーション―市場と組織
第3部 モティベーション―契約、情報とインセンティブ
第4部 効率的なインセンティブの提供―契約と所有 ☆
第5部 雇用―契約、報酬、キャリア
第6部 資金調達―投資、資本構成、コーポレート・コントロール
第7部 組織のデザインとダイナミックス

組織の経済学 |書籍出版|NTT出版
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
NTT出版 NTT Publishing Co.,Ltd.
組織の経済学 ポール・ミルグロム/ジョン・ロバーツ 著
ポール・ミルグロム/ジョン・ロバーツ 著
奥野正寛/伊藤秀史/今井晴雄/西村理/八木甫 訳
発売日:1997.11.03
定価:5,940円
サイズ:B5判変型

この本の内容
補完性をキー概念に、企業組織とそれをとりまく制度をシステムとして考察する経済学と経営学の独創的ブレークスルー。日本の制度改革にも貴重な示唆を与える一冊。

書評掲載情報
週刊東洋経済(2015年9月12日号)
日経BPムック 日経ビジネス「新しい経済の教科書2014~2015年版」

目次
序文
日本語版への序文
訳者まえがき
第1部 経済組織
 第1章 組織は重要か
 第2章 経済組織と効率性
第2部 コーディネーション:市場と組織
 第3章 コーディネーションと動機づけにおける価格の役割
 第4章 計画と行動のコーディネーション
第3部 モティベーション:契約、情報とインセンティブ
 第5章 限定合理性と私的情報
 第6章 モラル・ハザードと業績インセンティブ
第4部 効率的なインセンティブの提供:契約と所有
 第7章 リスク・シェアリングとインセンティブ契約 ☆
 第8章 レントと効率性
 第9章 所有と財産権
第5部 雇用:契約、報酬、キャリア
 第10章 雇用政策と人的資源のマネジメント
 第11章 内部労働市場、職務配置、昇進
 第12章 報酬と動機づけ
 第13章 経営者および管理者の報酬
第6部 資金調達:投資、資本構成、コーポレート・コントロール
 第14章 投資とファイナンスの古典的理論
 第15章 金融構造、所有、コーポレート・コントロール
第7部 組織のデザインとダイナミックス
 第16章 企業の境界と構造
 第17章 経営・経済システムの進化
用語解説
事項索引
人名索引

著者紹介
ポール・ミルグロム(Paul Milgrom)
スタンフォード大学経済学部教授。1948年米国デトロイト生まれ。
ジョン・ロバーツ(Jhon Roberts)
スタンフォード大学ビジネス・スクール教授。1945年カナダ、ウィニベグ生まれ。

___________
             (経済学リンク::::::::::) 
瀧澤弘和『現代経済学』より[上下逆にして改変]: 
図2-4 ゲーム理論の影響を受けた諸分野とノーベル賞


        1988 モーリス・アレ 市場と資源の効率的利用に関する理論 
*       1991 ロナルド・コース 取引費用経済学
ゲーム理論___________________________________
1994                   人間行動・制度     I    I
ハーサニ/ナッシュ
/ゼルテン                  行動ゲーム理論 I
      \                         実験ゲーム理論 I 
       \インセンティブ・制度設計               I    I
        \                          I    I
        /\___情報の非対称性
               I    I
       /  \  1996マーリーズ/ヴィックリー      I    I
      /    \ 2001アカロフスペンススティグリッツ I    I
     /      \              I       I    I
    /        \             I 行動経済学実験経済学
 対立と協力        \            I 2002       I
 2005         /\           I カーネマン/スミス  I
 オーマン/シェリング  /  \          I I          I
            /    \         I I          I
  マーケット・デザイン  メカニズム・デザイン   I I          I
       /  \     2007       I I 経済ガバナンスの理論
      /    \  ハーヴィッツ/マスキン/ I I 2009
サーチ理論       \ マイヤーソン  \    I I オストロム
 2010        \         \   I I ウィリアムソン
 ダイアモンド/      \         \  I I
 モーテンセン/ピサリデス  \         \ I I
マッチング理論         \         \I I
 2012        オークション理論   契約理論 I
 ロス/シャープレイ   (未受賞)      2014 I
             ミルグロム     ティロール I
                        2016 行動経済学 ナッジ理論
                ハートホルムストローム 2017
                             リチャード・セイラー
ミルグロムはノーベル賞未受賞
        



Paul Milgrom Nemmers Prize Lecture 2009
             (経済学リンク::::::::::) 
NAMs出版プロジェクト: ミルグロム『組織の経済学』1997 契約理論
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/blog-post_10.html @

米国「周波数オークション」仕掛け人が明かす改革の舞台裏:日経ビジネスオンライン 201404
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140403/262308/ x

オークション理論 Auction Theory
https://nam-students.blogspot.com/2019/01/auctiontheory.html


Prof. Paul Milgrom of Stanford University Lectures 2011







Eitan Berglas lecture at Tel Aviv University on “The Applied Science of Market Design.”
https://vimeo.com/21729271
https://youtu.be/Puulqi11j5E



Gillian Hadfield "Incomplete Contracts and AI Alignment" (Disc: Paul Milgrom)2018
https://youtu.be/n_eCir24F1k 31:30  20:10~


Paul Milgrom "Auctions and Matching: the New Science of Market Design" ... 2003
https://youtu.be/7YYL1JFQ29I

Game Theory Congress - Paul Milgrom 2012
https://youtu.be/XFi5yOakzJY


逆選択/逆淘汰 adverse selection
https://nam-students.blogspot.com/2019/01/httpsja.html
NAMs出版プロジェクト: ベン卜・ホルムストローム 2016ノーベル経済学賞
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/2016_32.html
NAMs出版プロジェクト: オリバー・ハート 2016ノーベル経済学賞
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/2016_39.html
NAMs出版プロジェクト: ジャン・ティロール2014年ノーベル経済学賞
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/2014.html
NAMs出版プロジェクト: 安田洋祐 - Wikipedia
http://nam-students.blogspot.jp/2016/10/wikipedia_16.html


契約と組織の経済学 柳川 範之


コースの定理 Coase's theorem
#2-41頁 
《2.5.2
コースの定理 当事者たちが交渉によって(彼らにとって)効率的な合意に達し,そして彼らの選好に資産効果が存在しないならば,彼らが同意する価値創出活動 y は,当事者たちの交渉力あるいは交渉が始まったときに各自が所有する資産額に依存することはない。効率性だけが活動が選択されるかを決定する。他の要因が影響を及ぼすのは,費用と便益の配分(x)に関してだけである。

 この有名な命題は,企業やその他の経済組織の理論への取引費用アプローチの基礎となる。資産効果が存在しないという仮定のもとで,コースの定理と効率性原理は,組織の費用(取引費用)や他の費用を考慮した上で,すべての経済活動が当事者たちの総価値を最大にするように決定されることを意味する。誰が何をどの資源を用いて生産するかが明らかな(したがって総生産費が明らかな)生産計画にとって,取引費用を取引を管理する費用(契約書を作成,労働者監督,契約履行,紛争解決費用を含む)と考えると,効率的な組織とは取引費用を最小にする組織である。》


#9-335頁
9.2.3
交渉費用とコースの定理の限界
 コースの定理においてキーとなる前提は,効率的な合意に到達しそれを実現させるための費用が十分低いという点である.この前提をもとにして,競争的市場がなくても,財産権の配分とも,交渉力の分布とも無関係に,資源は効率的に配分されるという結論がえられる。本節では,効率的な合意の達成と実行に対する重大な障害,もしくは費用が存在しうる理由を調べ,この「交渉費用」の性質を検討する。 ここでの議論は,第5章で述べた限定合理性と私的情報について行った議論の内容に深く依拠している。
 交渉費用の主たる発生源を明らかにすることにより3つの効能が期待できる。第1に,非効率性が生じやすい場合を識別できる。第2に,一連の慣行や制度に説明を与えるのに役立つ。このような慣行ならびに制度には,交渉費用の最小化を目的としたもの,ならびに,個別主体間での交渉があまりにも困難,複雑かつ高費用であるため現実的とはいえない状況下で,最大限の成果を挙げるために作られたと考えられる一定の政府規制が含まれる。最後に,法と経済学という新しい理論の基礎を築くことになる。財産権の配分が価値に影響するならば,新たに価値を生み出すような権利割当てを目指すことが財産権法の一目的となりえよう。


 
契約理論は効用関数を使ってはいるが、ゲーム理論の一環として考えるとスッキリする。
ただしミルグロムは制度学派寄り

#9.2-341頁にプルードンに関する記述。
《私有財産の倫理学 …19世紀の社会主義者プルードン(P.J.Proudhon)は端的に「財産は盗品だ」と言った。今日でもこの見解は広く受容されている。…》

#16-626~7頁に協同組合に批判的な記述あり

ポール・ミルグロム、ジョン・ロバーツ(奥野正寛、伊藤秀史、今井晴雄、西村理、八木甫訳)『組織の経済学』(NTT出版)、1997年

http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762 

米国「周波数オークション」仕掛け人が明かす改革の舞台裏:日経ビジネスオンライン 201404
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140403/262308/ リンク切れ

ポール・ミルグロム - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%

BB%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%A0
ポール・ミルグロム
Paul Milgrom
生誕1948年4月20日(70歳)
国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
母校スタンフォード大学
MS (Statistics), 1978
PhD (Business) 1979
ミシガン大学 BA 1970
影響を
受けた人物
Robert B. Wilson
影響を
与えた人物
Susan Athey
Joshua Gans
Yeon-Koo Che
神取道宏
John William Hatfield
Gillian Hadfield
Luis Cabral
Hongbin Cai
Lixin Ye
Bernard Sinclair-Desgagné
実績Auction theory
Incentive theory
メカニズムデザイン
受賞アーウィン・プレイン・ネンマーズ経済学賞 (2008)
BBVA Foundation Frontiers of Knowledge Award(2012)
Golden Goose Award (2014)
(1992). Economics, Organization and Management. Prentice Hall. ISBN 0132246503.

https://www.amazon.co.jp/dp/4871885364/
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
目次   
第1部 経済組織
第2部 コーディネーション―市場と組織
第3部 モティベーション―契約、情報とインセンティブ
第4部 効率的なインセンティブの提供―契約と所有 ☆
第5部 雇用―契約、報酬、キャリア
第6部 資金調達―投資、資本構成、コーポレート・コントロール
第7部 組織のデザインとダイナミックス
参考:
ミルグロム 組織の経済学・マレニヨム
http://hakase-jyuku.com/mare/

http://hakase-jyuku.com/mare/category3-3/entry54.html
リスク・シェアリングの原理
---------



組織の経済学 | ポール・ミルグロム, ジョン・ロバーツ, 奥野 正寛, 伊藤 秀史, 今井 晴雄, 西村 理, 八木 甫 1997
https://www.amazon.co.jp/dp/4871885364/
702頁
本書は、当代一流の経済学者が書いた組織論のテキストブックである。テキストブックと言っても、日本によくある並みの教科書ではない。先端の理論を豊富に盛り込み、記述の密度が高い良書だ。

本書の論述は厳密だ。アカデミックな研究の第一線に触れる内容が含まれている。だから気楽に読み進めるというには、ちょっと重たい内容だ。本自体が700ページにおよぶ大著でもある。しかし経営実務に携わっている人たちや学生が、この際少しまとまった時間をかけて「挑戦」してみようというのなら、おすすめしたい本だ。理論的論述が充実しているだけではなく、興味をそそるエピソードや事例も随所に盛り込まれていて、読者に対する配慮を忘れていない。

経済学者は伝統的に市場における取引に注意を集中してきた。しかし今では多くの経済活動が市場取引ではなく、企業という組織の内部で行われている。その組織内部の現象にスポットを当てて、基本的には経済学的視点に立ち経済学的分析ツールを駆使して議論を体系化している。

強いて言えば、本書で取り上げられているトピックの多くは、やや古い。日本で経営学とよばれるビジネス・リサーチの世界では、すでに主要トピックではなくなったものが、本書のトピックの多くを占めている。経営学では新製品開発、事業創造、ビジネスモデルの競争、経営イノベーションが主要テーマであって、議論の対象がきわめてダイナミックだ。たとえばゲーム理論の応用を考える場合も、本書で議論されている組織内部の現象より、むしろ競争戦略やビジネスモデルとの関連が議論されたら、はるかにおもしろかっただろう。

とはいえ組織論の教科書として、これは第一級の本である。こういう高水準の教科書が出版され、そしてアメリカで売れていることは、かの国の高等教育がきわめて質の高いものであることを示唆している。(榊原清則)



efficient incentives contracts and ownership

https://books.google.co.jp/books?id=3xK7AAAAIAAJ&source=gbs_navlinks_s&redir_esc=y

Economics, Organization and Management:United States Edition - Paul Milgrom - 9780132246507 - Economics - Business Economics
https://www.pearson.ch/HigherEducation/Pearson/EAN/9780132246507/Economics-Organization-and-Management-United-States-Edition

TABLE OF CONTENTS 邦訳と違う版

I. THE CONCEPTUAL FRAMEWORK.
1. Does Organization Matter?
2. Economic Organization and Efficiency.
II. THEORIES OF COORDINATION AND MOTIVATION.
3. Using Prices for Coordination and Motivation.
4. Coordinating Plans and Actions.
5. Incentives and Motivation.
6. Moral Hazard.
7. Risk Sharing and Incentive Contracts. ☆
8. Rents and Efficiency.
III. COORDINATION, MOTIVATION, AND MANAGEMENT.
9. Ownership and Property Rights.
10. Employment Policy and Human-Resource Management.
11. Internal Labor Markets, Job Assignments, and Promotions.
12. Compensation and Motivation.
13. Executive and Managerial Compensation.
IV. DESIGNING AND CHOOSING ORGANIZATIONAL FORMS.
14. The Classical Theory of Investments and Finance.
15. Financial Structure, Ownership, and Corporate Control.
16. The Boundaries and Structure of the Firm.
Glossary.
Author and Subject Indexes.


Risk Sharing and Incentive Contracts.
http://masonlec.org/site/rte_uploads/files/Milgrom%20Roberts-Chapter%207%20excerpt%20class%203%20reference.pdf


#7:
私は言った,「そこでだ,まっとうに仕事するのがとても大変で,インチキするには手間が
いらない,そしてどっちにしろ賃金は同じなのに,まっとうな仕事を習うなんて何の役に
立つのかい」
  ハックルベリー・フィン(Huckleberry Finn)

Well, then, says I , what's the use you learning to do right when it's troublesome to do right and ain't no trouble to do wrong , and the wages is just the same?
Huckleberry Finn
…だったら、正しいことを教わったとこで何の役に立つんだ?正しいことをしようとすりゃ面倒なことになって、正しくねえことをしてりゃ面倒になんねえんだったら?そんなで、損得もおなじだとしたら?…(ハックルベリーフィンの冒険16章)













http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
組織の経済学 |書籍出版|NTT出版
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
NTT出版 NTT Publishing Co.,Ltd.

組織の経済学 ポール・ミルグロム/ジョン・ロバーツ 著
ポール・ミルグロム/ジョン・ロバーツ 著
奥野正寛/伊藤秀史/今井晴雄/西村理/八木甫 訳
発売日:1997.11.03
定価:5,940円
サイズ:B5判変型

この本の内容
補完性をキー概念に、企業組織とそれをとりまく制度をシステムとして考察する経済学と経営学の独創的ブレークスルー。日本の制度改革にも貴重な示唆を与える一冊。
書評掲載情報

週刊東洋経済(2015年9月12日号)
日経BPムック 日経ビジネス「新しい経済の教科書2014~2015年版」

目次
序文
日本語版への序文
訳者まえがき
第1部 経済組織
 第1章 組織は重要か
 第2章 経済組織と効率性
第2部 コーディネーション:市場と組織
 第3章 コーディネーションと動機づけにおける価格の役割
 第4章 計画と行動のコーディネーション
第3部 モティベーション:契約、情報とインセンティブ
 第5章 限定合理性と私的情報
 第6章 モラル・ハザードと業績インセンティブ
第4部 効率的なインセンティブの提供:契約と所有
 第7章 リスク・シェアリングとインセンティブ契約 ☆
 第8章 レントと効率性
 第9章 所有と財産権
第5部 雇用:契約、報酬、キャリア
 第10章 雇用政策と人的資源のマネジメント
 第11章 内部労働市場、職務配置、昇進
 第12章 報酬と動機づけ
 第13章 経営者および管理者の報酬
第6部 資金調達:投資、資本構成、コーポレート・コントロール
 第14章 投資とファイナンスの古典的理論
 第15章 金融構造、所有、コーポレート・コントロール
第7部 組織のデザインとダイナミックス
 第16章 企業の境界と構造
 第17章 経営・経済システムの進化
用語解説
事項索引
人名索引

著者紹介
ポール・ミルグロム(Paul Milgrom)
スタンフォード大学経済学部教授。1948年米国デトロイト生まれ。
ジョン・ロバーツ(Jhon Roberts)
スタンフォード大学ビジネス・スクール教授。1945年カナダ、ウィニベグ生まれ。

___________

ラチェット効果とは、可処分所得が低下しても、低下した可処分所得の割合ほどには 消費を減らさない現象のこと。景気後退時にも、ラチェット効果により、所得の減少が そのまま…
_____


参考:

ミルグロム 組織の経済学・マレニヨム
http://hakase-jyuku.com/mare/
第3章 契約、情報とインセンティブ


http://hakase-jyuku.com/mare/category3-3/entry54.html
リスク・シェアリングの原理
----------



 それぞれ独立したリスクを持った二人以上の人間が、互いにリス
クを分担しあうことによって総リスク負担費用を抑えることができ
る。これを特に
「リスクシェアリングの原理」
と言う。

 リスクシェアリングの原理は、全ての保険契約の基礎となってい
る考えである。

 たとえば自動車事故にあう確率は、人間それぞれ独立している。

 つまりAさんが事故に遭えばBさんも事故に遭うというような従
属現象(つまりAさんの事故がある確率でBさんの事故を必ず引き
起こす)ということはまず起こらない。

 AさんはAさんで独立して事故に遭い、BさんはBさんでまた、
独立して事故に遭う。 

 それぞれが独立して事故に遭うから、それぞれに適当な事故確率
を設定でき保険料率を当てはめることができる。

 だから多数の人間が保険に加入し、事故に遭う確率が独立である
と、保険が上手く機能する。

 たとえば株を買うとき、ナントカ商事と、その子会社と、その関
連会社の株式を買うような事をすると、そのナントカ商事が潰れた
ら子会社や孫会社も影響を受け、たいてい全部損になってしまう。

 けれどナントカ商事の株と、ナントカ商事とは全然関係ない中位
の会社の株と、さらにそれらとまるで関連のない会社の株を買えば、
どれかはダメになって損はするが、丸ごと全部損にはならない。

 この場合、それぞれの株の安全性・危険性は独立しているから、
リスク・シェアリングを考えるのが簡単になる。

 簡単になればそれを調べる費用は安く済むし保険料率の設定やリ
スク・シェアリングも簡単になるから、より条件のいい保険を提示
でき、効率がよくなる。


----------
■インセンティブ報酬の原理
~業績指標に基づいた支払方法
----------

 個人や組織が、他人のために行動するように動機を与える問題は、
経済学では「プリンシパル(依頼人)=エージェント(代理人)問
題」として知られている。

 ここからしばらくは雇用問題におけるこの問題を考えることにす
る。プリンシパルが雇用主で、エージェントが従業員である。

 で前にも書いたとおり、従業員に仕事に対するインセンティブを
与えるには、従業員の報酬を何らかの形で企業の業績にリンクさせ
ねばならないが、しかしそれをするには従業員の仕事を客観的・明
示的にハッキリ測定できなくてはならず、結局大抵の場合、企業や
個人の業績に対して金銭的インセンティブが与えられるという形を
取る。

 つまり企業の業績が良く個人の寄与が大きければ、その者に与え
る給料やボーナスを増額し、逆に企業の業績が悪く個人の働きが悪
ければ給料は下がりボーナスはなし、、という形である。

 だが金銭的インセンティブは、企業の業績悪化によるリスクを従
業員で分散して負担するということである。

 だから給料を全てインセンティブ報酬にしてしまうと、個人のリ
スク負担は大きくなりすぎてしまう。

 たいていの人間は「リスク回避的」であると考えられるので、業
績が悪ければ給料0というのでは殆どの従業員が辞めてしまい、企
業はもはやその体をなさなくなり、長期的な企業運営が不可能にな
ってしまう。

 だから各個人が背負うリスクは、不確実な収入の不確実性を回避
できる程度にしなければならないが、そうすると今度は逆にリスク・
シェアリングが非効率なものとなる。

 リスクを均等に従業員に負担させると、個人が背負うリスクが大
きすぎてしまうのでそれは小さめに配分しなければならないが、そ
うすると今度はリスク・シェアリングとしては非効率になるから、
企業はこの差を負担せねばならない。これは企業にとっての損失で
ある。

 だが業績と報酬をリンクさせている企業は、従業員から優れた業
績を引き出すことによって、その損失を取り返せると考えている。

 そしてまたリスク回避的な従業員に支払う給料はその分安くつく
ので、企業はこれらの損失をいくらか埋め合わせているとも考えら
れる。

----------
■従業員の努力水準eと評価
----------
 それでは従業員に与えるインセンティブについて考えよう。

雇用主の利益を図って従業員が費やす努力の水準をe、その私的
費用をC(e)とする。

 努力水準eが示すのは、企業の業績向上に役立つために従業員が
行うあらゆる種類の行動 たとえば接客態度の向上(服装を正した
り言葉遣いを丁寧にしたり)、業務に役立つ勉強、業界動向や新技
術の研究、市場調査や分析、企画の提案、部内作業の効率化などな
どの水準である。

 そのために支払った授業料や時間、業務の不愉快さ、失われた利
益や名声、その他雇用主の利益向上と引き換えに失われる全てにか
かわる費用をC(e)とする。

 もちろんこれらの仕事が楽しかったり、努力が企業の業績向上と
ともに従業員のスキルアップに大きく意味があるならばC(e)は0や
マイナスになることだってあるだろう。

 が、これらの努力はたいてい正当な仕事の一部として認められな
かったり、貢献度を正当に評価されないことが多いので、プラスと
考える。

 企業の利潤P(e)を、従業員の努力水準eに依存する関数であると
仮定すると、eが高ければそれは高い利潤をもたらすことになる。

 たとえば接客態度の良い店員がいたとする。その店員のお陰で業
績が結構向上したとする。

 だがしかし、その業績向上が「店員の誰の接客態度」によっても
たらされたモノなのかは、店長や支配人にはわかりにくい。

 特に裏表がある人間は上司には態度が良いが、部下や客には態度
が悪かったりということがよくあるから、努力水準eやその結果を
評価するのは容易ではない。

 そんな状態で店長や支配人の主観で業績を評価し、それによって
従業員にボーナスを出したりするとたいていギクシャクする。

 同僚や部下はたいてい同僚の人物の裏面を上司や支配人よりよく
知っているのだから、それは当然だ。

 そしてまた上司や支配人に評価する資質があるかどうかも問題に
なる。原因と結果を正確に結びつけるような分析能力があるかどう
かという問題も起こってくる。

 従業員の努力水準eやそれによる業績向上という結果はそういう
わけで結局そうそう観察できるもんじゃないから、たいていの場合
は仕方なく便宜的に労働時間や仕事に費やしたエネルギー量などで
数値化することになってしまう。

 eを努力水準、xを需要水準(確率変数)、yをその産業全体に
対する需要水準とすると

 w(賃金)=α(基本給)+β・(e+x+γy)

というモデルを立てることができる。

 このモデルにおいて歩合給を決めるのは「本人の努力」と「店全
体の売り上げ」と「その産業全体の状態」である。

 このときのこの式のβを特に「インセンティブ強度」という。

 α(基本給:固定)が大きくβ(インセンティブ強度)が小さけ
れば、従業員に与えるインセンティブは弱く、逆にαが小さくβが
大きければ従業員に与えるインセンティブが強い、というわけであ
る。

※もちろんβが大きければ大きいほど従業員の負担するリスクも大
きくなるので、それを受け入れる従業員数は少なくなる。


(つづく)
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          今週の・・・

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「保険」と言っても生命保険とか健康保険とかじゃなくて、社会の
中で発生するありとあらゆる「保険的なモノ」を指すと考えてくだ
さい。
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努力インセンティブと、契約の実現可能性
http://hakase-jyuku.com/mare/category3-3/entry55.html
インセンティブ報酬の原理
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雇用主の利益を図って従業員が費やす努力の水準をe、その私的
費用をC(e)とする。

 努力水準eが示すのは、企業の業績向上に役立つために従業員が
行うあらゆる種類の行動 たとえば接客態度の向上、業務に役立つ
勉強、業界動向や新技術の研究、市場調査や分析、企画の提案、部
内作業の効率化などなどの水準である。

 そのために支払った授業料や時間、業務の不愉快さ、失われた利
益や名声、その他雇用主の利益向上と引き換えに失われる全てにか
かわる費用をC(e)とする。

 企業の利潤P(e)を、従業員の努力水準eに依存する関数であると
すると、eが高ければそれは高い利潤をもたらすことになる。

 努力水準eはなかなか数値化できないので、代わりに労働時間や
仕事に費やしたエネルギー量などで数値化することになる。

 eを努力水準、xを需要水準(確率変数)、yをその産業全体に
対する需要水準とすると

 w(賃金)=α(基本給)+β・(e+x+γy)

というモデルを立てることができる。

 このモデルにおいて歩合給を決めるのは「本人の努力」と「店全
体の売り上げ」と「その産業全体の状態」である。

 このときのこの式のβを特に「インセンティブ強度」という。


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       インセンティブ契約の実現可能性

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■線型報酬関数を支える論理
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 従業員に与えるインセンティブ報酬のモデルは eを努力水準、
xを需要水準(確率変数)、yをその産業全体に対する需要水準と
したとき

 w(賃金)=α(基本給)+β・(e+x+γy)

であった。

 もちろんこのような線型の式で表されるような報酬体系以外にも、
世の中には様々な形のインセンティブ契約が存在する。

 たとえばセールスマンが一定以上の業績を挙げたときのみに支払
われる「成功報酬」である。

 商品やサービスを売った分だけ歩合を与えるというやり方で、モ
ノを仕入れて売るだけの販社によくあるパターンである。

 だがしかしこういう形式の契約には、大きな欠点がある。

 それは
「最初につまづいて、その成功報酬をもらうための規準となる業績
に達しない見込みになるや否や、従業員のインセンティブが急激に
落ちる」
ということである。

 与えられたノルマや達成水準に達しなければボーナス無し、とい
う条件下では、達成率30%も達成率99%も同じであるから、期
末に達成率が100%を越えなさそうだとわかった時点で従業員は
努力を止めて転職先を探し出し始めてしまう。

 だからそういう契約ではなく、線型の歩合給の形でインセンティ
ブ契約を結ぶというのは、売り上げを伸ばすために一様なインセン
ティブを与えるために有効なのである。

 線型の歩合給形式のインセンティブなら、期末に達成水準に達し
ないと分かった状態でも、次に一つ商品を売ったときに成功報酬を
受け取れるならセールスマンは商品を売ろうとするからである。

線型報酬関数に基づくインセンティブ契約は、そういうわけで従
業員に一様なインセンティブ・プレッシャーを与えることができ、
インセンティブ契約の最も良いモノの一つであると考えられる。

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■線型契約の下での総所得
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 雇用主が中規模以上の企業の場合、従業員一人が担えるリスク負
担能力は、雇用主と比べて取るに足らないくらい小さい。

 このため、インセンティブの問題を考えないとすれば、従業員の
給与に変動をもたらす全てのリスク発生源に対して保険を掛け、雇
用主が金銭的リスクを全部負担するのが最適であろう。

 だがしかし、報酬中の全てのリスクを取り除いてしまうと、努力
水準を高めて利潤を増大させるインセンティブが、同時に従業員か
ら失われてしまう。

 だから問題は(何度も書くが)リスク・シェアリングとインセン
ティブを与えバランスなのである。

 さてここで、努力水準eと雇用主から与えられたインセンティブ
契約の規準となるパラメータα(固定給)、β(インセンティブ強
度)、γを考えてみる。

 つまりベクトル(e、α、β、γ)によって、従業員の報酬が決
定されるようなインセンティブ契約を考えるわけである。

 このとき従業員の確実同値額は、

「報酬の期待値」-「努力に要する費用」-「リスク・プレミアム」

となり、ゴチャゴチャ計算して簡素化すると、

 α+βe-C(e)-(1/2)rβ^2・Var(x+γy)

となる。

 そしてまた、同時に雇用主の確実同値額は、
「粗利潤の期待値」-「報酬支払い額の期待値」、つまり

 P(e)-(α+βe)

である。

 そういうわけで、従業員と雇用主の式を足しあわすと
「線型契約下における総所得」
が計算でき、それはつまり

P(e)-C(e)-(1/2)rβ^2・Var(x+γy)

ということになる。

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■努力インセンティブと、契約の実現可能性
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 さて今、従業員の確実同値額は、
α+βe-C(e)-(1/2)rβ^2・Var(x+γy)
であった。

 これはつまり従業員にとって収入が大きく変動すると困るから、
リスク・プレミアム分だけ安くていいから給料の基幹部分を固定給
にして、後はインセンティブ契約(つまり一部歩合給)で給与をも
らおうという仕組みである。

 だからもし従業員に上手くインセンティブを与えて業績を伸ばそ
うと雇用主が考えるなら、従業員の努力水準eが、他のパラメータ
とどういう関係にあるか、確かめておかねばならない。

 努力しても見返りがないなら、インセンティブ契約にはならない
から、βe-C(e)≧0は明らかであろう。がそれだけでは、適当な
インセンティブ・プレッシャーを与えているかどうかはわからない。

 そういうわけでこの式をeの関数であると見なしてeで微分する。
 するとβ-C'(e)となる。

 努力水準をe上げるのは、最初はたやすいかも知れないが、どん
どん難しくなっていく。だから努力の費用C(e)はeが大きくなるに
つれ増加していく。

 それに対してβが小さくなったり大きくなったりすると一様なイ
ンセンティブを与えることができなくなるから、βの値は常に、

  β-C'(e)=0

を満たすように決めなければならない。

 これを「インセンティブ制約式」と呼び、実現可能なインセンテ
ィブ雇用契約は、必ずこの式を満たさねばならないのである。


(つづく)
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          今週の・・・

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 計算式はややこしいけど、要するに常に努力するための費用の増
分とインセンティブ強度βが常に等しくなるように設定しなければ、
効率的な結果は得られないと言うことです。

 たとえばものすごく努力しなければ結果がでないような場合、イ
ンセンティブ強度βはかなり大きくないと誰も努力しない。

 これは激烈な競争をしているIT業界でストック・オプションが
多用される一つの原因である。

 しかし少しの努力で結果がでるような場合、βを大きくすると企
業は利益を従業員に還元しすぎてしまう。

、、、ということです。

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インセンティブ契約のおさらい
http://hakase-jyuku.com/mare/category3-3/entry56.html

■努力水準とインセンティブ報酬制度
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 さて、努力するにも何らかのコストがかかる。

 業績アップのために本を読んだり英会話学校に通ったり、、或い
はその他の様々なトレーニングを行ったり、、、、

 これらの費用をC(e)で表し、そしてIに
α(基本給)+β・(e+x+γy)
を代入して計算すると、インセンティブ契約における従業員の給料
(確実同値額)は、結局下のようになる。

 w=α+βe-C(e)-(1/2)rβ^2・Var(x+γy)
           (※ここでβ^2はβの二乗である。)

 wは努力水準eの関数である(つまり従業員の努力いかんによっ
て給料が変化するわけだから)から、これをeで微分すると努力水
準と支払われる給料の上昇速度関係がはっきりする。

 ∂w/∂e=β-C'(e) 
         ※C'(e)は努力一単位に必要な限界費用になる。

 ここでβ-C'(e)>0だと、努力が大きい人はもの凄くたくさん
歩合をもらえることになり、小さい努力しかしない人はまるで実入
りが増えないことになってしまう。そしてまら企業は報酬を払いす
ぎることになる。

 逆にβ-C'(e)<0だと、1努力した人は1もらえるが、10努力
したひとは7くらいしかもらえない事になる。

 そう言うわけだから効率的なインセンティブ契約となるのは、
β-C'(e)=0となる場合である。

 だからもし企業が従業員の努力水準を引き上げようと思うなら、
インセンティブ契約を結んだ上でβを引き上げなければならない。

 この式を特に「インセンティブ制約」と呼び、実現可能な雇用契
約は必ずこの式を満たさねばならない。「インセンティブ両立的」
な契約は「インセンティブ制約」を満たす。


NEXT:インフォーマティブ原理

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ベン卜・ホルムストローム 2016ノーベル経済学賞

BREAKING 2016 Prize in Economic Sci. to Oliver Hart @Harvard & Bengt Holmström
@MIT “for their contributions to contract theory” #NobelPrize

Bengt Holmstrom, born 1949 in Helsinki, Finland.
Ph.D. 1978 from Stanford University, CA, USA.
Paul A. Samuelson Professor of Economics,
and Professor of Economics and Management at Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA, USA.


《一九八〇年代後半には、経済学者のベン卜・ホルムストロームとポール・ミルグロム
により、もう一つの重要な研究結果が示された。両氏は数々の仮説に基づく極めて理論的
な論文において、通常は売上高にかかわらず歩合をー定に保つのが、営業担当者の報酬制
度として最適であると結論づけた。さまざまな種類のボーナスを設けたり、一定期間内に
目標を達成した人に以後は別の報酬体系を適用したりするなど、仕組みを複雑にしすぎる
と、担当者たちはそれにうまく乗じる方法を見つけ出すだろう、というのだ。

 ホルムストロームとミルグロムが提案したようなシンプル極まりない報酬体系は、訴求
力がありそうに見えるが(理由のーつとして、運用しやすくコストもかさまない)、実際のと
ころ、多くの企業はもっと複雑な仕組みを選ぶ。「営業担当者はそれぞれ個性があり、モ
チべーションやニーズが異なるため、いくつもの要素から成る報酬体系のほうが幅広い層
にアピールするだろう」と考えるのだ。その理屈でいえば、個々の担当者から最高の成果
を引き出すには、個別に報酬体系を決めるべきだということになる。…》
(「営業を本気にさせる報酬制度とは」ダグ J.チュン ハーバード・ビジネス・スクール 助教授
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2015年8/01号)

How to Really Motivate Salespeople
https://hbr.org/2015/04/how-to-really-motivate-salespeople
Another important study, from the late 1980s, came from the economists Bengt Holmstrom
and Paul Milgrom☆. In their very theoretical paper, which relies on a lot of assumptions, they
found that a formula of straight-line commissions (in which salespeople earn commissions
at the same rate no matter how much they sell) is generally the optimal way to pay reps.
They argue that if you make a sales comp formula too complicated—with lots of bonuses or
changes in commission structure triggered by hitting goals within a certain period—reps will
find ways to game it. The most common method of doing that is to play with the timing of
sales. If a salesperson needs to make a yearly quota, for instance, she might ask a friendly
client to allow her to book a sale that would ordinarily be made in January during the final
days of December instead (this is known as “pulling”); a rep who’s already hit quota, in contrast,
might be tempted to “push” December sales into January to get a head start on the next year’s goal.


Aggregation and Linearity in the Provision of Intertemporal Incentives.(Adobe PDF)1987
Bengt Holmstrom Yale University Paul Milgrom Stanford University
https://faculty.fuqua.duke.edu/~qc2/BA532/1987%20EMA%20Holmstrom%20Milgrom.pdf 全27頁
邦訳組織の経済学267頁#7参照

Multitask Principal-Agent Analyses: Incentive Contracts, Asset Ownership, and Job Design 1991
Bengt Holmstrom Yale University Paul Milgrom Stanford University
https://faculty.fuqua.duke.edu/~qc2/BA532/1991%20JLEO%20Holmstrom%20Milgrom.pdf 全30頁

6章付録:インセンティブ契約の数学モデル より
表6.5 努力水準に対応した結果の確率
         収入
行動      R=10     R=30
e=1     P=2/3    P=1/3
e=2     P=1/3    P=2/3




√Z______
 |     / 
5|    /            
 |   /1/3√z-1=1/3√y
4|  /誘因制約
 | /        
3|/          
 |-_   参加制約
2|   ̄-_ 1/3(√y-1)+2/3(√z-1)=1
 |      ̄-_ 
1|         ̄-_
 |___________ ̄-__  
 0 1 2 3 4 5 6 √y
図6.1:この例では,点(0,3)はインセンテイブ制約と参加制約の両方を満たす範囲で,プリンシパルに最小のコ
ストをもたらす,このグラフは√yおよび√Zで表されている点に注意してほしい.

組織の経済学222頁



72 Comments:

Blogger yoji said...

米国「周波数オークション」仕掛け人が明かす改革の舞台裏:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140403/262308/
広野 彩子広野 彩子
バックナンバー
2014年4月16日(水)
メールで送るメールで送る 印刷印刷 保存保存 EvernoteEvernote Facebook twitter
 日本を除く経済協力開発機構(OECD)諸国で採用されている、政府による周波数免許のオークション。その生みの親が、ポール・ミルグロム米スタンフォード大学教授である。別冊「2014~2015年版 新しい経済の教科書」では、周波数オークション誕生秘話や理論的背景、さらにはミルグロム教授が経済学者になったきっかけや、共著で著した教科書『組織の経済学』(NTT出版)などの誕生秘話まで詳しく掲載している。本稿では、そのインタビューの一部をご紹介する。(聞き手は広野彩子)
ミルグロム教授は、米国で1994年から実施されている、周波数免許を入札で決める「周波数オークション」の仕組みを作った生みの親の1人です。米国では、1人の売り手と複数の買い手(入札者)による取引を、ゲーム理論も応用して理論化した「オークション理論」が使われています。

 そうです。私は、博士課程の大学院生の時、ウィリアム・ビックリーという研究者が書いたオークション理論に関する論文に大変影響を受け、ゲーム理論と経済学に興味を持つようになりました。私の博士論文はオークション理論でしたし、オークションについては若い頃から研究してきました。

 その後幸運なことに、米国政府が周波数免許の割り当てをオークション方式で実行すると正式に決めた時、私の論文が脚注で引用されたのです。その影響で、大手通信会社数社から私のところに直接連絡がありました。周波数オークションにあたって助言を求めてきたのです。そのうちの1社のアドバイザーとして活動したのが発端でした。


ポール・ミルグロム(Paul Milgrom)
1948年米国デトロイト生まれ。70年に米ミシガン大学を卒業、保険数理士(アクチュアリー)の仕事に数年間従事した後、78年米スタンフォード大学経営大学院でPh.D.を取得。87年から現職。著書に『組織の経済学』(ジョン・ロバーツ氏との共著、NTT出版)、『オークション理論とデザイン』(東洋経済新報社)などがある。(写真:林幸一郎)
 政府の提案書を見ると、オークションの中身は複雑でしたが、これが実現すれば社会的意義は大きい。大きなチャンスだと思い、かかわることになりました。

周波数オークションで、どのような問題を解決したかったのでしょうか。

 過去何百年もの間、(絵画などの入札で知られる)いわゆる「オークション」は、個々の財の競争的な価格を決める役割を果たしてきましたものです。周波数免許のオークションの仕組みづくりにあたって新しく、興味深かった点は、かなり多くの異なる「財」(ここでいうとたくさんの周波数)を、同時に、最適な買い手(通信会社など)に、最も役に立つ組み合わせで配分できるところにありました。

 その意味で、社会的に最も良い結果が出るように持っていくためには、オークションが、セットで売られる周波数の組み合わせ及び、組み合わせるルールを決める仕組みとなり、かつ価格決定機能を果たす必要がありました。

米国ではミルグロム教授のような経済学者が数多くの政策立案過程に本格的にかかわっています。また、経済学はビジネスにも活用されています。日本では米国ほどそうした動きはありません。経済理論をどのように使えば、ビジネスの役に立つのでしょうか?

米国「周波数オークション」仕掛け人が明かす改革の舞台裏 (2ページ目):日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140403/262308/?P=2
ポール・ミルグロム米スタンフォード大学教授に聞く

広野 彩子広野 彩子
バックナンバー
2014年4月16日(水)
メールで送るメールで送る 印刷印刷 保存保存 EvernoteEvernote Facebook twitter
 既に、数多くの経済分析が現実への応用に生かされています。金融市場はその最たるものです。オプションの価格決定モデルなどは典型でしょう。シリコンバレーの大手IT(情報技術)企業では、グーグルやフェイスブックが経済学者を様々な理由で雇っています。彼らがインターネット広告のオークション設計に理論面で役に立っているのは良く知られています。

周波数オークションは、今のところ日本では採用されていません。どのようなメリットがあるのですか。

 周波数オークションはまず、様々な意味で政府にとって役に立ちます。オークションであれば、事業への課税によって価格のゆがみを生み出すこともなく、政府に収益をもたらすことが可能です。また、周波数免許が、なるべく高い価値を生み出せる、つまりふさわしい価格で買おうとする買い手に割り当てられるようになります。それから、放送・通信事業会社の新規参入も促進します。

 そしてその過程を通じて、顧客(携帯電話などのユーザー)に恩恵をもたらすでしょう。既存企業に対しては品質・実績・収益性の向上を促す力になるからです。つまりこれは、誰にとっても役に立つのです。

 日本で周波数オークションが受け入れられないのは、主に政治的な理由だと私は思っています。既得権のある関係者は現状維持を好むものです。規制当局者も、周波数免許割り当てに自らの裁量を行使できる権限と影響力を保ちたいでしょう。

米国ではさらに新しいオークションを設計するそうですね。ミルグロム教授が相当かかわっているそうですが。

 新しい仕組みについて、専門的にはインセンティブ・オークションと呼んで設計に携わっているところですが、これまでの周波数オークションとは2つの意味で違います。第1に、このオークションでは買い手も売り手も入札に参加します。つまり、既存の放送局にあてがわれた周波数免許を買い取って、それをブロードバンドの会社に売るわけなのですが、この売りと買いを同時にするのです。

 これは買い手にとって大きなことです。ほかの周波数オークションと違って、金額がいくらの周波数免許を買えるのかが前もって分からないからです。また周波数免許を売る側、すなわち放送局側の立場は、周波数オークションにおける「新たな参加者」となります。



米国「周波数オークション」仕掛け人が明かす改革の舞台裏 (3ページ目):日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140403/262308/?P=3
 第2に、買い手は単に周波数免許を買い、売り手は単に周波数免許を売るだけのようにも見えますが、実際に売り買いされる権利はかなり違います。誰が売るかという情報に基づき、政府がどのチャンネル(局)が売りに出されるのか認識しつつ、残されたほかの放送局が互いに相互干渉することなく周波数免許を割り当てられ、どの免許を買い手に提示し得るのかについて判断しなければならないからです。

 オークションを通じてこうした問題を解決するためには、前代未聞の複雑な仕組みが必要になるのです。米国政府は2015年6月にも最初のオークションをしたいと思っているようで、それまでに仕組みを完成させるため、鋭意研究に取り組んでいます。

20140416

8:20 午後  
Blogger yoji said...

契約理論について、邦書でも以下の優れた教科書があります。
前者は、先ほどの伊藤教授による完備契約(ホルムストロムが大きく貢献した)に関する上級レベルのテキスト、後者は東大の柳川教授による不完備契約(ハートが特に貢献した)分野の分かりやすい入門テキストです:

契約の経済理論
契約の経済理論 [単行本]
伊藤 秀史
有斐閣
2003-05

契約の経済理論
著者名等  伊藤秀史/著  
著者等紹介 1982年一橋大学商学部卒。京都大学経済学部助教授、大阪大学社会経済研究所助教授を経て、2000年より一橋大学大学院商学研究科教授。この間カリフォルニア大学サンディエゴ校、スタンフォード大学、コロンビア大学で客員助教授等を務める。専攻:組織の経済学と契約理論。
出版者   有斐閣
出版年   2003.4
大きさ等  22cm 422p
NDC分類 331
件名    経済学  
要旨    情報が等しく共有されていないとき最も望ましい行動に人々を誘う仕組みを考えるための基礎理論と分析手法。

目次   
第1章 アドバース・セレクションの基本モデル
第2章 アドバース・セレクションのモデル:バリエーションと拡張
第3章 複数エージェントのアドバース・セレクション
第4章 モラル・ハザードの基本モデル
第5章 モラル・ハザードのモデル:バリエーションと拡張
第6章 複数エージェントのモラル・ハザード
第7章 ダイナミック・モデル
第8章 複数プリンシパルの理論
第9章 不完備契約の理論
数学付録☆

内容
情報が等しく共有されていないとき、最も望ましい行動に人々を誘うことが出来る仕組みとは。保険市場や政府の内部組織、人事慣行などの様々な分野で利用されている契約理論の基礎理論と標準的な分析手法を解説。


リスク・プレミアム394頁
くじ(確率分布関数)396頁

契約と組織の経済学
契約と組織の経済学 [単行本]
柳川 範之
東洋経済新報社
2000-03-01

契約と組織の経済学
著者名等  柳川範之/著  
出版者   東洋経済新報社
出版年   2000.04
大きさ等  21cm 224p
NDC分類 331
件名    経済学  
要旨    最先端のテーマを、数式を用いずにやさしく解説。
目次    契約理論の新展開;不完備契約の考え方;不完備契約理論の基礎;企業の境界と所有権の
配分;権限配分への応用;形式的権限と実質的権限;法律の役割;公的企業組織の問題;
民営化の問題;金融契約への応用〔ほか〕
内容    文献あり 索引あり
ISBN等 4-492-31272-2

4:32 午前  
Blogger yoji said...

川越敏司「マーケット・デザイン オークションとマッチングの経済学」
https://itun.es/jp/eicr6.l


ミルグロムを創始者と位置付ける

6:55 午後  
Blogger yoji said...

ミルグロムは自身で1995年にマーケット・デザインに関するコンサルティング会社Market Design Inc.を設立しました(8)。おそらくこれが、マーケット・デザインという用語が公式に生まれた瞬間なのだと思います。

6:56 午後  
Blogger yoji said...

メカニズム・デザインでは目標を実現するメカニズムが理論的にデザインできればそれで研究課題を達成したことになるが、マーケット・デザインではそうしてデザインしたメカニズムを実地に適用せねばならず、

7:00 午後  
Blogger yoji said...

シャプレーが1962年にデビッド・ゲールとともに執筆したのが「大学入学と結婚の安定性」という論文(3)で、これがノーベル経済学賞受賞対象となった「配分の安定性」に関する研究です

、そのアルゴリズムの特徴から受入保留方式(4

3 Gale and Shapley (1962)

4 Deferred Acceptance algorithmの訳。



7:04 午後  
Blogger yoji said...

アルヴィン・ロス(写真1)は、重要な応用例を発見します。それは、医学部を卒業した研修医が研修先の病院を決める問題です。これを研修医マッチングというのですが、この問題は大学入学問題と基本的に同じ問題です

7:05 午後  
Blogger yoji said...

1961年にウィリアム・ヴィッカレー(5)が書いた論文以来のことです(6)。ヴィッカレーは、このオークションに関する研究を通じて、経済主体の間で情報上の格差のある状況(情報の非対称性といいます)を分析

Vickrey (1961) 7 strategy-proofnessの訳。戦略的操作不能性とも訳されます。 8 http://www.marketdesign.com/

7:06 午後  
Blogger yoji said...

100アメリカ合衆国で周波数オークションが検討されるようになったのは1950年代後半のことです。「法と経済学」という研究分野の創始者でノーベル経済学賞受賞者のロナルド・コースが、FCCに提案を行い、論文を書いています(Coase (1959))。

7:08 午後  
Blogger yoji said...

カップリング・パーティのマッチング方式の性質を新規に研究する必要性に迫られました。執筆も後半になって、この方式は、アルヴィン・ロスが調べたイギリスでの研修医マッチングで使用されていた方式(順位優先方式)と類似

7:09 午後  
Blogger yoji said...

このコメントは投稿者によって削除されました。

10:49 午前  
Blogger yoji said...


《一九八〇年代後半には、経済学者のベン卜・ホルムストローム[2016年ノーベル経済学賞受賞]とポール・ミルグロム
により、もう一つの重要な研究結果が示された。両氏は数々の仮説に基づく極めて理論的
な論文において、通常は売上高にかかわらず歩合をー定に保つのが、営業担当者の報酬制
度として最適であると結論づけた。さまざまな種類のボーナスを設けたり、一定期間内に
目標を達成した人に以後は別の報酬体系を適用したりするなど、仕組みを複雑にしすぎる
と、担当者たちはそれにうまく乗じる方法を見つけ出すだろう、というのだ。

 ホルムストロームとミルグロムが提案したようなシンプル極まりない報酬体系は、訴求
力がありそうに見えるが(理由のーつとして、運用しやすくコストもかさまない)、実際のと
ころ、多くの企業はもっと複雑な仕組みを選ぶ。「営業担当者はそれぞれ個性があり、モ
チべーションやニーズが異なるため、いくつもの要素から成る報酬体系のほうが幅広い層
にアピールするだろう」と考えるのだ。その理屈でいえば、個々の担当者から最高の成果
を引き出すには、個別に報酬体系を決めるべきだということになる。…》
(「営業を本気にさせる報酬制度とは」ダグ J.チュン ハーバード・ビジネス・スクール 助教授
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2015年8/01号)

参考:
Holmström, B., and P. Milgrom (1987), "Aggregation and Linearity in the Provision of Intertemporal Incentives," Econometrica, 55: 303-28.
https://edisciplinas.usp.br/pluginfile.php/159918/mod_resource/content/1/HM%201987.pdf

以下は上の論考の紹介を兼ねていてオススメ

研究開発のリスク要因と職務発明
豊福 建太、佐藤(柴田)優子
〈日本知財学会誌〉Vol.5 No.2―2008 : 72―87
https://www.ipaj.org/bulletin/backnumber/JIPAJ5-2/p72-87.html
https://www.ipaj.org/bulletin/pdfs/JIPAJ5-2PDF/5-2_p072-087.pdf 図入りでわかりやすい

10:58 午前  
Blogger yoji said...

組織の経済学
著者名等  ポール・ミルグロム/著  ≪再検索≫
著者名等  ジョン・ロバーツ/著  ≪再検索≫
著者名等  奥野正寛/〔ほか〕訳  ≪再検索≫
出版者   NTT出版
出版年   1997.11
大きさ等  25cm 702p
注記    Economics,organization and management.
NDC分類 331
件名    経済学  ≪再検索≫
要旨    補完性をキー概念に、企業組織とそれをとりまく制度をシステムとして考察する経済学と
経営学における独創的ブレークスルー。米国のMBA、比較制度分析、企業理論の標準的
教科書となった本書は豊富な事例とともに日本の制度改革にも貴重な示唆を与える。
目次    第1部 経済組織;第2部 コーディネーション―市場と組織;第3部 モティベーショ
ン―契約、情報とインセンティブ;第4部 効率的なインセンティブの提供―契約と所有
;第5部 雇用―契約、報酬、キャリア;第6部 資金調達―投資、資本構成、コーポレ
ート・コントロール;第7部 組織のデザインとダイナミックス
内容    各章末:参考文献
ISBN等 4-87188-536-4

11:03 午前  
Blogger yoji said...

契約の経済理論
著者名等  伊藤秀史/著  ≪再検索≫
著者等紹介 1982年一橋大学商学部卒。京都大学経済学部助教授、大阪大学社会経済研究所助教授
を経て、2000年より一橋大学大学院商学研究科教授。この間カリフォルニア大学サン
ディエゴ校、スタンフォード大学、コロンビア大学で客員助教授等を務める。専攻:組織
の経済学と契約理論。
出版者   有斐閣
出版年   2003.4
大きさ等  22cm 422p
NDC分類 331
件名    経済学  ≪再検索≫
要旨    情報が等しく共有されていないとき最も望ましい行動に人々を誘う仕組みを考えるための
基礎理論と分析手法。
目次    第1章 アドバース・セレクションの基本モデル;第2章 アドバース・セレクションの
モデル:バリエーションと拡張;第3章 複数エージェントのアドバース・セレクション
;第4章 モラル・ハザードの基本モデル;第5章 モラル・ハザードのモデル:バリエ
ーションと拡張;第6章 複数エージェントのモラル・ハザード;第7章 ダイナミック
・モデル;第8章 複数プリンシパルの理論;第9章 不完備契約の理論
内容    情報が等しく共有されていないとき、最も望ましい行動に人々を誘うことが出来る仕組み
とは。保険市場や政府の内部組織、人事慣行などの様々な分野で利用されている契約理論
の基礎理論と標準的な分析手法を解説。
ISBN等 4-641-16181-X
書誌番号  3-0203032362

11:05 午前  
Blogger yoji said...

Aggregation and Linearity in the Provision of Intertemporal Incentives," Econometrica, 55: 303-28.
異時点間インセンティブの提供における集約と線形性、 "Econometrica、55:303-28。

11:07 午前  
Blogger yoji said...


経済学において、逆選抜 (英: adverse selection) とは、情報の非対称性が存在する(売り手と買い手が保持している情報量に格差がある)状況(レモン市場)において発生する市場の失敗、厚生の損失である。逆選択、逆淘汰とも呼ばれる。

目次
概要 編集
情報の非対称性が存在する状況では、情報優位者(保持している情報量が多い取引主体)は情報劣位者(保持している情報量が少ない取引主体)の無知につけ込み、粗悪な財やサービス(レモン財)を良質な財やサービスと称して提供したり、都合の悪い情報を隠して保険サービスなどの提供を受けようとするインセンティブが働く。そのため、情報劣位者はその財やサービスに対して、本来の価値より過度に悲観的な予想を抱くことになり、もし情報の非対称性が無ければ売買が行われていたはずの取引の一部が行われなくなる。そして、市場で取引されるものは、悲観的な予想に見合った粗悪な財やサービスばかりとなる。これを、通常は良いものが選ばれ生き残るという『選抜』、『淘汰』の逆であるという意味で、逆選抜、逆淘汰と呼ぶ。

いま、ある中古車の売り手と買い手を考える。買い手は、中古車情報誌などから、買いたい中古車の価値はジャンク(20万円)から掘り出し物(100万円)までの間に一様に分布していることだけを知っている。一方で、売り手は本当の中古車の価値を知っているとする。この時、まず、買い手が自身にとっての価値の平均値である60万円を提示したとする。すると、もしこの中古車の本当の価値が60万円より高ければ、そのことを知っている売り手は取引をしないであろう。取引に応じるのは、本当の価値が60万円以下の時だけである。そうなると、買い手は相手が取引に応じるならば、中古車の価値は60万円以下であるということを知ることになるので、買い手にとって中古車の価値は20万円から60万円の間に分布することになる。そこで、買い手は新たな価値の平均値である40万円を提示しなおすとする。すると上記と同様の流れにより、買い手が取引に応じるのは本当の価値が40万円以下の時だけであろう。以下同様に繰り返していくと、最終的には中古車の価値が20万円というジャンクの場合にしか取引は成立しないこととなる。その結果、中古車市場での取引は閑散としたものとなり唯一取引されるものはジャンクのみ、となってしまうのである。

なお、上記の例において、買い手と売り手の両者が本当の価値を知っている場合のみならず、両者が本当の価値がよく分からずに20万円から100万円の間に一様に分布していると考えている場合においても、ジャンク以外の中古車の取引が行われる。どちらの場合も情報の非対称性の問題が起きていないからである。

保険市場における逆選抜 編集
逆選抜は元々保険市場で使われる用語であり、保険加入者が幅広い層に行き渡らずに特定の層(多くの場合、保険金支払いの確率が高い層)に偏ってしまう現象を指す。

医療保険を例にとると、保険会社としては健康や安全を心掛ける病気や事故と無縁の人物と契約するのが望ましいだろう。しかし保険会社において、ある人物が、健康に気を配っているのか、それとも全く気にしていないのかを判別できるとは、必ずしも言いがたい。ある人物に関わる健康情報を、保険会社が知らないためである。

この状況下においては、保険会社が嫌がるであろう不健康な、若しくは危険な生活を送る者に対しては、その条件でも自分にとって得になると考え、その保険に加入するインセンティブが与えられる。結果、その者は保険に加入しようとする強い動機が与えられるだろう。しかしそうではない人物、保険会社が本来想定するはずであろう人物は、場合によっては保険料の負担により加入しないという決断をするかもしれない。このため保険会社の元を訪れる加入希望者は、本来保険会社が望まないであろう属性を有する人物らに偏っている可能性がある。

実際には保険会社は、契約者に医師の診断書を求めたり、喫煙歴などの生活習慣などの情報を求めたりし、あるいは保険契約の広告方法又は募集方法それ自体(団体生命保険契約など)を工夫するなどして対応している。

中古車市場における逆選抜 編集
中古車市場では、売り手は車の品質をよく理解しているが、買い手は車を購入するまで車の品質を詳しく調査できない場合が多い。そのため情報優位者である売り手は情報劣位者である買い手の無知につけ込んで、良質な車は手元に置いておき、劣悪な車を売りつけようとする。したがって、中古車市場には劣悪な車ばかりが出回る結果になってしまう。

中古車市場における中古車の品質などの情報は、売り手のみが知りうる情報であり、買い手には知りえない情報であるため、「隠された情報」と呼ばれている。

逆選抜への対策 編集
売り手の所持する情報量が多い場合 編集
売り手の所持する情報量が、買い手の所持する情報量よりも多い場合に発生する逆選抜の問題を回避する方法の一つに、国や地方公共団体・消費者団体などの第三者機関の介入が挙げられる。売り手が提供している財やサービスの品質について、第三者機関が審査・検定を行い、買い手に対して財やサービスの品質を保証する方法である。

劣悪な財やサービスを提供する売り手に対して罰則を課す法や条例を制定したり、良質な財やサービスを提供する売り手に対して税制面の優遇を与える法や条例を制定したりする方法を併せて行うと、財やサービスの品質の確保はより確実になる。

ただし、財やサービスの品質維持に対するインセンティブが売り手にある場合、第三者機関が品質保証に介入する必要はない。例として、信用やブランドなどが売り手の利益に大きく影響する場合が挙げられる。買い手が何度も繰り返し来たり、大量の顧客が企業の名前を信用の基準としている場合、その企業自身に財やサービスと値段の関係を正常に維持するインセンティブがもたらされるため、売り手と買い手との間に信用が形成され、第三者機関が品質保証に介入する必要はなくなる。

買い手の所持する情報量が多い場合 編集
買い手の所持する情報量が売り手の所持する情報量よりも多い場合に発生する逆選抜の問題を回避するためには、売り手が提供する財やサービスの内容や宣伝方法が大きく影響する。保険市場を例に挙げる。

一つに、個人ではなく、企業やサークルなどの団体に対して保険への加入を促す方法がある。個人を中心に加入者を募集すると、早死にする確率の高い人が加入申請する可能性が高くなるが、ひとつの企業やサークルに病気がちな人ばかりが集まっているケースは極めて特殊である。そのため全体の危険度は平均的な水準に落ち着くと予想されるので、保険会社は団体加入を優遇する制度を制定する方法によって、逆選抜の問題を回避できる。場合によっては、法律で加入を義務づけ、選抜そのものを双方に不可能にすることもある。(強制保険)。

もう一つに、保険会社の社員が個々の家庭を訪問して保険への勧誘を行う方法がある。街のいたるところに加入窓口を設けた場合、リスクの高い人が多く訪れてくる可能性が高くなる。情報劣位者である保険会社側が個人の家庭を訪問して回る方法によって、逆選抜の問題を回避できるのである。

関連項目 編集
レモン市場
私的情報
情報の非対称性
モラル・ハザード
参考文献 編集
Learn more出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。
Holt, Charles A. and Roger Sherman (1999年), "Classroom Games: A Market for Lemons," Journal of Economic Perspectives, Winter 1999, 205-214.
Milgrom, Paul and John Roberts (1992年), Economics, Organization and Management, Englewood Cliffs, New Jersey: Prentice Hall.
Rothschild, Michael and Joseph Stiglitz (1976年), "Equlibrium in Competitive Insurance Market: An Essay on the Economics of Imperfect Information," Quarterly Journal of Economics, 80, 629-649.

11:13 午前  
Blogger yoji said...

なんとか。
5つ星のうち4.0組織の見直しを叫ぶ前に読むべき一冊
2010年11月11日
形式: 単行本Amazonで購入
組織を設計する上で大切なことは当たり前ですが
1組織にどう使命を与えるか
2使命が果たされているかどうかを、どう可視化するか
3形式上の組織だけではなく、実際に上司が部下をどう評価するか
となります。そしてこれらは組織のメンバーに対するインセンティブ構造を大きく左右するという点を精緻に描き出していきます。
(もちろんこれだけではありません。)

そして、これらを踏まえた上で実際に「どう設計していくべきか。」「マネジメントはいかに組織がワークするよう、どのようにコミットメントを示すべきか」といった点について示唆に富む理論が展開されます。こういった理論的なバックグラウンドを学ぶと、企業や役所の不祥事が繰り返される背景やそれに対する批判に対して冷静に考えられるようにナルト思います。
(ある意味ドラッカーの内容を経済学の言葉で描き直してあります。私はこれを読んだおかげで、MBA取得時の組織論の意味が再整理できました。アカデミックに組織論を勉強したい片には特にお勧めです。)

そして、一見立派に見える「組織としての総括」がそれを利用して「自分のやりたいことがやれるように組織を誘導しようとしている思惑」に満ちたものとなっている、或いは「世間の批判をそらすだことだけが目的で、本当に改めるつもりが無い。」といったことが手に取るようにわかるようになります。

組織内にいながらにして事実を見通せるようになるためには欠かせない本ではないでしょうか。独学でも大変読み易いです。
内容は5点ですが、厚すぎて一時期積ん読にしてしまいハードルを上げているので−1。
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Amazon Customer
5つ星のうち5.0最も面白いミクロ経済学のテキスト
2001年4月30日
形式: 単行本
学部生、MBA向けのミクロ経済学のテキストとしては最も面白く、かつわかりやすいと思う。
日本語の題名は「組織の経済学」となっているが、副題には、「経済組織」「コーディネーション: 市場と組織」「モティベーション: 契約、情報とインセンティブ」「効率的なインセンティブの提供: 契約と所有」「雇用: 契約、報酬、キャリア」「資金調達: 投資、資本構成、コーポレート・コントロール」「組織のデザインとダイナミックス」 がついており、扱っているテーマは豊富である。
従来のミクロ経済学は、経済組織を構成する様々な要素間の相互依存関係を重視してこなかったため、各主体がもつ情報量、インセンティブ、モティベーションなどによって引き起こされる様々なダイナミクスが考慮されず、現実への適用には無理があり、勉強していても面白くなかった。このテキストはそういった複雑なダイナミクスを考えていくため入門書ともなる。(はやりの?)ゲームの理論などを勉強していくための前提ともなるテキストだと思う。
ちなみに、本書の序文には、原著者により「本書こそが現実の企業や組織を体系的に扱い、その複雑さを認識して分析した最初の教科書である。」とはっきり書かれている。(多分そうなんでしょう)
最近は、このような「契約」「情報」「インセンティブ」などの観点から書かれた入門書も日本では出ているが、本書が一番、現実の事例が多く、包括的で、面白く、そして読みやすい。
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4:10 午前  
Blogger yoji said...

以下とは別人

ミルグラム実験 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/ミルグラム実験
ミルグラム実験(ミルグラムじっけん、英:Milgram experiment)とは、閉鎖的な状況における権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したものである。 .... スタンレー・ ミルグラム『服従の心理』(河出書房新社)- 実験者自らによる詳細な報告書. 岸田秀訳 1974年 ...
概要-実験方法-実験の内容-実験の結果
「服従の心理」はスゴ本: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読ん ...

10:40 午後  
Blogger yoji said...



ポール・ミルグロム『組織の経済学』#9.2-邦訳341頁にプルードンに関する記述。
《私有財産の倫理学 …19世紀の社会主義者プルードン(P.J.Proudhon)は端的に「財産は盗品だ」と
言った。今日でもこの見解は広く受容されている。…》

6:22 午後  
Blogger yoji said...



ポール・ミルグロム『組織の経済学』#9.2-邦訳341頁にプルードンに関する記述。
《私有財産の倫理学 …19世紀の社会主義者プルードン(P.J.Proudhon)は端的に「財産は盗品だ」と
言った。今日でもこの見解は広く受容されている。…》

マルクスは上のプルードンの言葉に反発して再生産表式を編み出して行った。
ただしあくまでもプルードンからの書簡にあったプログラムに則って

6:25 午後  
Blogger yoji said...

『資本論第一巻草稿──直接的生産過程の諸結果』(マルクス/森田成也・訳)

『資本論』入門シリーズ第2弾。経済学史上もっとも革新的な理論を打ち立てたマルクスが、自らの剰余価値論を総括し、資本の再生産と蓄積、資本の生産物としての商品生産について考察する。『資本論』全体を理解するうえでの最重要論考。
別訳:
『直接的生産過程の諸結果』1863~5 向坂逸郎訳、岩波文庫、1953
『直接的生産過程の諸結果』、岡崎次郎訳、国民文庫、大月書店、1970
http://www.otsukishoten.co.jp/book/b52355.html
Fwd: 直接的生産過程の諸結果 - 株式会社 大月書店直接的生産過程の諸結果 29
直接的生産過程の諸結果
著者 カール・マルクス 著
岡崎 次郎 訳
ジャンル 文庫
出版年月日 1970/08/18
ISBN 9784272802906

再生産表式発見の陰にいたプルードン

訳者は解説(光文社新訳解説421頁~)で草稿集邦訳2(大月書店45頁~)の説明を図入りで再現するが、プルードンの真意を理解していない。
プルードンが総生産を無視しているというのは間違いだ。マルクスが引用した箇所のすぐ後でプルードンはフランスの労働者の日当の年間総量を二千億フランと仮定している。さらに要素として「所有権」「利子」「地代」等を挙げている(『プルードン3 所有とは何か』三一書房208頁)。
プルードンは集合力を重視する。だから剰余価値もそこから生まれるし、剰余価値内に生産した分が換算されるのは当然だ。
所有権に不変資本は入るだろう。マルクスがプルードン批判の為に展開した再生産表式自体がプルードンのテキストに内在する。
だから労働者は自分が生産した分全てを買い戻せないというのは間違いではない。そもそも引用が恣意的だ。
(マルクスの論理は、ツガン=カウツキー論争におけるツガンの論理に似ているが、ツガンの方は価格論に留まることなくカレツキに有効需要の論理の発見を促した。)

ちなみに資本論第一部フランス語版(1872年)にはプルードンの名前が一つもない。マルクスが削除した。
マルクスはプルードンからアイデアを得て1850年以降経済学を勉強してリカード流価値論で体裁を整えたにすぎない。アイデアを得てその後で隠蔽したのだ。
その再生産表式はレオンチェフ、より本質的にはカレツキによる読解を待つ必要があった(カレツキは転形論争からヒントを得ている)。

4:44 午前  
Blogger yoji said...

制度学派はミクロ的基礎を求めるから新自由主義とも近くなる
生産者の効用を考えたが
そう考えるとプルードンに近い
エンゲルは消費者の効用を考えた


4:48 午前  
Blogger yoji said...

エンゲルは生産と消費の場が一致すると考えたと捉え得る

4:49 午前  
Blogger yoji said...

瀧澤弘和『現代経済学』より[上下逆にして改変]: 
図2-4 ゲーム理論の影響を受けた諸分野とノーベル賞

        1988 モーリス・アレ 市場と資源の効率的利用に関する理論
*       1991 ロナルド・コース 取引費用経済学
ゲーム理論_______________________________
1994                 人間行動・制度   I    I
ハーサニ/ナッシュ/ゼルテン              行動ゲーム理論 I
      \                     実験ゲーム理論 I 
       \インセンティブ・制度設計           I    I
        \                      I    I
        /\___情報の非対称性           I    I
       /  \  1996マーリーズ/ヴィックリー  I    I
      /    \ 2001アカロフ/スペンス/    I    I
     /      \    スティグリッツ I     I    I
    /        \           I 行動/実験経済学 I
 対立と協力        \          I 2002     I
 2005         /\         I カーネマン/スミスI
 オーマン/シェリング  /  \        I I        I
            /    \       I I        I
  マーケット・デザイン  メカニズム・デザイン I I        I
       /  \     2007     I I経済ガバナンスの理論
      /    \  ハーヴィッツ/    I I 2009
サーチ理論       \ マスキン/      I I オストロム/
 2010        \マイヤーソン     I I ウィリアムソン
 ダイアモンド/      \     \    I I
 モーテンセン/ピサリデス  \     \   I I
マッチング理論         \     \  I I 
 2012       オークション理論  契約理論 I
 ロス/シャープレイ            2014 I
                     ティロール I
                      2016 行動経済学 ナッジ理論
              ハート/ホルムストローム 2017
                           リチャード・セイラー

価値学説の系譜
http://nam-students.blogspot.com/2018/09/blog-post_53.html
https://nam-students.blogspot.com/2019/01/blog-post_63.html

経済学説の系譜と論点: ○ ○ ○
  19世紀   20世紀                    21世紀 

     シュモラー 
      ウェーバー
      ゾンバルト ヴェブレン コース 
    ドイツ歴史学派━制度学派  新制度学派
    エンゲル    ┣━━━━━━━━━━━━━━━レギュラシオン学派
  リカード      ┃              分析的マルクス主義      
   投下労働価値説━労働価値説・恐慌論┳正統派  数理的マルクス主義
     ┃┃マルクス(学派)     ┗宇野派    森嶋通夫       A
     ┃┃  ┗━━━カレツキ━━━┓┗━━日本人経済学者      生産者費用
     ┃┗━━━━━━スラッファ  ┃        宇沢弘文     マルクス
     ┃              ┃ ____________________
     ┣プルードン━ゲゼル     ┃            岩村充   D
     ┃              ┃                プルードン
     ┃              ┃                生産者効用
     ┃              ┃ ____________________
     ┃         リンダール┃レーン=メイドナー  岩井克人
     ┃(北欧)ヴィクセル┳┛   ┃            清滝信宏
     ┃       ケインズ   ┃     ミンスキー スティグリッツ
     ┃        ケインズ学派┻ポスト・ケインジアン━ニュー・ケインジアン
17世紀 ┃        ┃ハロッド カルドア ロビンソン   ┃ マンキュー
ペティ  ┃      ケンブリッジ学派             ┃クルーグマン
 ┃   ┃        ┗━━━━━━━━┓サミュエルソン┏━┛
 ┗古典派┫          レオンチェフ ┣新古典派総合 ┣━━シムズ
A・スミス┣J.S.ミル  ┏━━━━━━━━┛トービン   ┗━┓    
18世紀 ┃      マーシャル 部分均衡       奥野正寛┃ 
     ┃        ┃ピグー           ルイス ┃ピケティ
     ┃        ┣━ヒックス IS・LM マンデル  ┃    B
   シスモンディ     ┃                  ┃ 消費者費用
  マルサス        ┃ラムゼー 外生的 成長理論 ソロー━┫ マルサス
   支配労働価値説┓   ┃ ________┃ _______┃_______
          ┃  ┏┛ノイマン 内生的━┛  OLG   ┃ゲーム
          ┗新古典派経済学 シュンペーター   ローマー┃ 理論*
           ワルラス 一般均衡        AKモデル┃    C
 テュルゴー  クールノー┃パレート  シカゴ学派 バロー    ┃ ワルラス
 コンディヤック  主流派┃ クズネッツ フリードマン ルーカス ┃ 消費者効用
ケネー          ┃    ┏マネタリズム━合理的期待学派┫
             ┃    ┃        サージェント┃
   (貨幣中立説)  フィッシャー┃RBC(リアル・ビジネス・サイクル)モデル
 機械的貨幣数量説━━━┳貨幣数量説┛     外生的  プレスコット
ヒューム        ┃       ハイエク     キドランド
 連続的影響説     エッジワース  ドラッカー        ┃
      シーニョア ┃オーストリア学派   内生的  ┏━━━┛
  平均効用 限界効用 メンガー バヴェルク       ┗DSGE
     セイ   ジェボンズ  転形論争
                                 消費者  生産者
                        四元的   費用  B    A
                        価値論   効用  C    D

4:51 午前  
Blogger yoji said...

改訂新版試作


経済学説の系譜と論点: ○ ○ ○
  19世紀   20世紀                    21世紀 

  リカード                      分析的マルクス主義      
   投下労働価値説━労働価値説・恐慌論━━┳正統派 数理的マルクス主義
     ┃┃マルクス(学派)┗━━━━━┓┗宇野派    森嶋通夫       A
     ┃┃  ┗━━━カレツキ━━━┓┃ ┗━日本人経済学者     生産者費用
     ┃┗━━━━━━スラッファ  ┃┃       宇沢弘文     マルクス
     ┃              ┃┣━━━━━━レギュラシオン学派
     ┃┏━━━━━━━━━━━━━┛┃____________________
     ┃┃      ドイツ歴史学派━制度学派  新制度学派
     ┃┃ シュモラー 
     ┃┃   ウェーバー
     ┃┃   ゾンバルト ヴェブレン コース 
     ┃┃エンゲル   
     ┃┗━━━━━━━━━━━━━┓
     ┣プルードン━ゲゼル     ┃            岩村充   D
     ┃              ┃                プルードン
     ┃              ┃                生産者効用
     ┃              ┃ ____________________
     ┃         リンダール┃レーン=メイドナー  岩井克人
     ┃(北欧)ヴィクセル┳┛   ┃            清滝信宏
     ┃       ケインズ   ┃     ミンスキー スティグリッツ
     ┃        ケインズ学派┻ポスト・ケインジアン━ニュー・ケインジアン
17世紀 ┃        ┃ハロッド カルドア ロビンソン   ┃ マンキュー
ペティ  ┃      ケンブリッジ学派             ┃クルーグマン
 ┃   ┃        ┗━━━━━━━━┓サミュエルソン┏━┛
 ┗古典派┫          レオンチェフ ┣新古典派総合 ┣━━シムズ
A・スミス┣J.S.ミル  ┏━━━━━━━━┛トービン   ┗━┓    
18世紀 ┃      マーシャル 部分均衡       奥野正寛┃ 
     ┃        ┃ピグー           ルイス ┃ピケティ
     ┃        ┣━ヒックス IS・LM マンデル  ┃    B
   シスモンディ     ┃                  ┃ 消費者費用
  マルサス        ┃ラムゼー 外生的 成長理論 ソロー━┫ マルサス
   支配労働価値説┓   ┃ ________┃ _______┃_______
          ┃  ┏┛ノイマン 内生的━┛  OLG   ┃ゲーム
          ┗新古典派経済学 シュンペーター   ローマー┃ 理論*
           ワルラス 一般均衡        AKモデル┃    C
 テュルゴー  クールノー┃パレート  シカゴ学派 バロー    ┃ ワルラス
 コンディヤック  主流派┃ クズネッツ フリードマン ルーカス ┃ 消費者効用
ケネー          ┃    ┏マネタリズム━合理的期待学派┫
             ┃    ┃        サージェント┃
   (貨幣中立説)  フィッシャー┃RBC(リアル・ビジネス・サイクル)モデル
 機械的貨幣数量説━━━┳貨幣数量説┛     外生的  プレスコット
ヒューム        ┃       ハイエク     キドランド
 連続的影響説     エッジワース  ドラッカー        ┃
      シーニョア ┃オーストリア学派   内生的  ┏━━━┛
  平均効用 限界効用 メンガー バヴェルク       ┗DSGE
     セイ   ジェボンズ  転形論争
                                 消費者  生産者
                        四元的   費用  B    A
                        価値論   効用  C    D

5:10 午前  
Blogger yoji said...

41:
などにも応用できる。2.52コースの定理現実の事業活動で,合意によって実現される便益がどのように当事者間で分けられるかは,各自がどんな資産を提供するか,各当事者がどれだけ忍耐強いか,外部のどんな機会を利用できるか,等々に依存する。それにもかかわらず,当事者たちが効率的な交渉を行い,それ以上お互いの利益を増やせないような合意に達すれば,そしてまた価値最大化原理が適用できるならば,合意によっていくらの現金移転が行われるかと関係なく,当事者たちの総価値を最大化するνが選ばれる。当事者たちの交渉力は費用と便益の分配だけに影響を与え,この分配は"で表される。この結論は,コースによる次の命題に要約されている。 .

コースの定理
当事者たちが交渉によって(彼らにとって)効率的な合意に達し,そして彼らの選好に資産効果が存在しないならば,彼らが同意する価値創出活動 y は,当事者たちの交渉力あるいは交渉が始まったときに各自が所有する資産額に依存することはない。効率性だけが活動が選択されるかを決定する。他の要因が影響を及ぼすのは,費用と便益の配分(x)に関してだけである。


この有名な命題は,企業やその他の経済組織の理論への取引費用アプローチの基礎となる。資産効果が存在しないという仮定のもとで,コースの定理と効率性原理は,組織の費用(取引費用)や他の費用を考慮した上で,すべての経済活動が当事者たちの総価値を最大にするように決定されることを意味する。誰が何をどの資源を用いて生産するかが明らかな(したがって総生産費が明らかな)生産計画にとって,取引費用を取引を管理する費用(契約書を作成,労働者監督,契約履行,紛争解決費用を含む)と考えると,効率的な組織とは取引費用を最小にする組織である。一一一一十一一.一一一一一一一一一一一一・一第2章経済組織と

12:59 午前  
Blogger yoji said...

41頁
2.5.2
コースの定理
当事者たちが交渉によって(彼らにとって)効率的な合意に達し,そして彼らの選好に資産効果が存在しないならば,彼らが同意する価値創出活動 y は,当事者たちの交渉力あるいは交渉が始まったときに各自が所有する資産額に依存することはない。効率性だけが活動が選択されるかを決定する。他の要因が影響を及ぼすのは,費用と便益の配分(x)に関してだけである。


この有名な命題は,企業やその他の経済組織の理論への取引費用アプローチの基礎となる。資産効果が存在しないという仮定のもとで,コースの定理と効率性原理は,組織の費用(取引費用)や他の費用を考慮した上で,すべての経済活動が当事者たちの総価値を最大にするように決定されることを意味する。誰が何をどの資源を用いて生産するかが明らかな(したがって総生産費が明らかな)生産計画にとって,取引費用を取引を管理する費用(契約書を作成,労働者監督,契約履行,紛争解決費用を含む)と考えると,効率的な組織とは取引費用を最小にする組織である。

1:01 午前  
Blogger yoji said...

335:
9.2.3交渉費用とコースの定理の限界
 コースの定理においてキーとなる前提は,効率的な合意に到達しそれを実現させるための費用が十分低いという点である.この前提をもとにして,競争的市場がなくても,財産権の配分とも,交渉力の分布とも無関係に,資源は効率的に配分されるという結論がえられる。本節では,効率的な合意の達成と実行に対する重大な障害,もしくは費用が存在しうる理由を調べ,この「交渉費用」の性質を検討する。 ここでの議論は,第5章で述べた限定合理性と私的情報について行った議論の内容に深く依拠している。
交渉費用の主たる発生源を明らかにすることにより3つの効能が期待できる。第1に,非効率性が生じやすい場合を識別できる。第2に,一連の慣行や制度に説明を与えるのに役立つ。このような慣行ならびに制度には,交渉費用の最小化を目的としたもの,ならびに,個別主体間での交渉があまりにも困難,複雑かつ高費用であるため現実的とはいえない状況下で,最大限の成果を挙げるために作られたと考えられる一定の政府規制が含まれる。最後に,法と経済学という新しい理論の基礎を築くことになる。財産権の配分が価値に影響するならば,新たに価値を生み出すような権利割当てを目指すことが財産権法の一目的となりえよう。

1:18 午前  
Blogger yoji said...

331:
9,2.2取引不可能かつ不確かな財産権
 通常の財に対する所有権の基本的な一側面は,それらが売買可能だという点である。そのため,コースの定理に従えば,資産はその利用に最も適した人の手に渡る。ある人の所有する財または権利が隣人にとってより価値がある場合には,両者がともに取引から利益を得られるような価格が存在して,財貨はそれを最も高く評価する人の手へと移動する。
 しかしながら,所有権は常に取引可能であるとはかぎらない。このような場合(偶然にはじめから最も評価の高い人に割り当てられているケースを除けば)資産はその最適な用途に利用されなくなり効率的な資源利用が阻害される。2番目の問題は,財産権が不確かであり,公正な見返りを支払われないまま将来に財産が制約を受けたり消失したりする可能性がある場合に生じる。権利が不確かな場合には,資産とそれが産む収益がともに失われてしまう危険が絶えずある。このため,資産の維持改善を目的として所有者が投資するインセンティブを弱めてしまう。以上2つの問題点について,カリフォルニアでの水利権という特定のケースに即して以下で述べる。ただし,そこでの分析内容は,所有のパターンと所有者に与えられた権利に関する法の原則とがどのように経済効率に影響を及ぼすかを表している,という意味で,広く適用可能なものである。

1:20 午前  
Blogger yoji said...

整合

科学と感性のBtoBマーケティングA
第18回:今年のキーワード「Alignment」とは?
庭山 一郎=シンフォニーマーケティング 2015/06/23 日経 xTECH Active
連載目次
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 2015年5月に米国ナッシュビルで開催されたSiriusDecisions のマーケティングイベント「Summit2015」で、アナリストやアワード受賞者のプレゼンテーションで最も多く出たキーワードは「Alignment」でした。「調整・連携」などを表す名詞であり、動詞だと「一直線に並べる・整列させる」という意味を持ちます。SiriusDecisions 創業者のJohn Neesonは、基調講演の中で「セールスとマーケティングと製品のAlignmentは高収益企業の特徴である」と話し、具体的な数字を列挙して、連携している場合としていない場合ではどのくらい収益性や成長スピードが違うのかを解説しました。

 私はもう10年以上前から、日本企業のマーケティング活動の最大の問題点は、展示会、広告、セミナー、テレマーケティング、メールマガジン、Webなどが「部分最適」で運用されており、これを「全体最適」に修正できなければ、売上に対してなんの貢献もできず、その結果マーケティング部門の予算や組織は縮小され、やがて営業の「やっかいもの」になってしまうと言い続けてきました。この「全体最適」と、今年のSummitでのキーワード「Alignment」はとても近いニュアンスを持っています。

 「部分最適」のマーケティングを指して、かつて米国では「パッチワークマーケティング」と言っていました。パッチワーク、つまり「つぎはぎだらけ」で一貫性がなく、疲弊はしても成果が出ないという意味で、もちろん褒め言葉ではありません。この状態だとそれぞれがシナジー(相乗効果)を発揮できませんから、無駄が多い上に、売上に貢献しているのかいないのか、さっぱり効果測定ができない、ということになり、景気が悪くなると真っ先に予算削減の対象になってしまいます。

 企業の業績が良いときのマーケティング部門は「部分最適」でも評価してもらえます。業績が悪いときにはやっきになって「犯人探し」をして予算をカットする企業でも、業績が良いときには「みんな良く頑張った」となります。もちろん営業部門も十分に評価されますから、社内の同僚には寛大になります。マーケティング部門も、「展示会」でたくさんの名刺やアンケートを収集すれば、「セミナー」を満席にすれば、「テレマーケティング」でアポイントをたくさん獲れば、「Web」のPVを増やせば、「メディア」の取材を増やせば、メディアが発表する「認知度調査」で順位を上げれば、それだけで充分に評価してもらえます。この活動は売上にあまり貢献していないのでは?などとは誰も言いません。

 でも、いったん業績や業績見通しが悪化するとそうはいきません。売上への貢献度を定量的に説明できなければ「無駄」というレッテルを貼られて予算を削減され、部門を縮小されます。「予算カットの3K」という言葉があります。「広告費」「交際費」「交通費」の頭文字からきた言葉で、不景気のときに真っ先に削減される経費項目のことです。この広告費にマーケティング予算が含まれる場合、私はしつこく食い下がります。「売れる仕組み」であり、売上に多大な貢献ができるマーケティングが、接待やタクシーチケットと同列に見られること自体おかしいと思うからです。

 展示会、セミナー、リードデータマネジメント、Web&メルマガ、などは売上を目的とした「手段」でありプロセスです。ですから売上にどれだけ貢献したか、という定量的な指標で評価するのは当然なのですが、それぞれの担当者が各プロセスを掘り下げていくうちに、ついついプロセスが「目的化」し、ついには部分最適に陥ってしまうのです。

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6:03 午前  
Blogger yoji said...

『オークション理論とデザイン』(東洋経済新報社)2007

オークション 理論とデザイン 単行本 – 2007/11/1
ポール ミルグロム (著), Paul Milgrom (原著), 川又 邦雄 (翻訳), 奥野 正寛 (翻訳), 計盛 英一郎 (翻訳), 馬場 弓子 (翻訳)
5つ星のうち 4.0 2件のカスタマーレビュー
ミルグロム,ポール
1948年米国デトロイト生まれ。1970年にミシガン大学を卒業し、数年間保険数理士(アクチュアリー)の仕事に就いた後、1978年にスタンフォード大学ビジネス・スクールでPh.D.の学位を取得。ノースウエスタン大学の助教授(1979~81年)、准教授(1981~82年)、教授(1982~83年)、イェール大学教授(1985年~87年)を経て、1987年からスタンフォード大学経済学部教授。その間ハーバード大学、MITでも教鞭をとり、ゲーム理論や数理経済学などのさまざまな分野で多数の研究論文を専門誌上に発表し、とりわけオークション理論の世界的権威として現代経済学をリードする研究者。同僚のジョン・ロバーツ教授との共著『組織の経済学』(邦訳はNTT出版、奥野正寛ほか訳、1997年)は、ビジネス・スクールの標準的教科書として高く評価されている

川又/邦雄
慶應義塾大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程修了。ミネソタ大学大学院修了(Ph.D.)。慶應義塾大学経済学部助教授、同教授を経て、同大学名誉教授、および立命館アジアパシフィック大学マネジメント学部客員教授。この間、プリンストン大学客員研究員、ミネソタ大学訪問教授等も務める

奥野/正寛
東京大学経済学部卒業、スタンフォード大学大学院修了(Ph.D.)。イリノイ大学シャンペン・アーバナ校経済学部助教授、横浜国立大学経済学部助教授を経て、東京大学大学院経済学研究科教授

計盛/英一郎
東京大学教養学部卒業、スタンフォード大学大学院修了(Ph.D.)。カリフォルニア工科大学・スタンフォード大学ビジネススクールリサーチフェローを経て、東京大学経済学部金融教育センターリサーチフェロー。ヨーロッパ計量経済学会Young Economist Award受賞。平成19年度情報処理推進機構未踏ソフトウエア創造事業採択

馬場/弓子
慶應義塾大学経済学部卒業、スタンフォード大学大学院修了(Ph.D.)。東京大学大学院経済学研究科助手、青山学院大学経済学部専任講師を経て、青山学院大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報
単行本: 419ページ
出版社: 東洋経済新報社 (2007/11/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4492313850
ISBN-13: 978-4492313855
発売日: 2007/11/1
梱包サイズ: 21 x 15.6 x 2.6 cm
おすすめ度: 5つ星のうち 4.0 2件のカスタマーレビュー
Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 736,254位 (本の売れ筋ランキングを見る)
3214位 ─ 本 > ビジネス・経済 > 経済学・経済事情 > 経済学
さらに安い価格について知らせる
この商品を出品する場合、出品者サポートを通じて更新を提案したいですか?
目次を見る

さあ、始めよう
第1部 メカニズム・デザインによるアプローチ(ヴィックリー=クラーク=グローブス・メカニズム
包絡面定理と収入等価定理
オークションの均衡と収入の相違
タイプと価値の相互依存性
状況に応じたオークション)
第2部 複数財のオークション(一律価格オークション
パッケージ・オークションと組み合わせ入札)



2007年12月1日
形式: 単行本Amazonで購入
ゲーム理論にもとづくオークション理論の権威Milgromによる
Putting Auction Theory to Workの邦訳。
本書の特徴は一財オークションの包絡線定理による一貫した分析であるが、
一財オークションだけでなく、一様価格オークションや組み合わせオークションまでも
含んでおり、文句なく現状のオークション理論の最高峰テキストであると言えるだろう。
原書を持っているのだが、邦訳が出たと聞いて人から借りて照らし合わせてみたところ、
訳も原文に忠実に行われており、信頼できそうだと感じた。
しかしいかんせん、この教科書にもひとつだけ欠点?がある。
文章が読みにくいのである。
別に訳者のせいではない。論文もそうなのだけどMilgromが単著で書いているものは
癖のある文章というのか非常に読みづらいのである。
(Rubinsteinのエレガントなわかりにくさとはまた別の意味で。)
優秀な指導者を中心とした輪読や講義にはよいだろうが、
独学する人は内容の難しさもさることながら癖のある文章とも対決しなければならないので、
購入する場合少し注意が必要(だと思う)。

5つ星のうち4.0邦語で唯一のオークション専門書
2009年2月28日
形式: 単行本
現在、日本語で読める唯一の大学院レベルのオークション専門書です。他の方のレビューで訳出の硬さ/読みにくさが指摘されているようですが、もともと原著も決して読みやすいとは言えないので(基本的にMilgromの文章はやや読みにくい気がします)、訳出の仕方自体は大きなDisadvantageとは言えないでしょう。むしろ原著でも難解とされる本書の翻訳を行ったこと自体が評価されるべきように思います。他のオークション関連の専門テキストと比べた本書の大きな特色は
1.包絡線定理と単調比較静学という数学ツールを軸に統一的な視点から様々な結果を導いている
2.Milgrom自身の体験を通じた現実のオークション設計の実例や教訓がふんだんに散りばめられている
3.近年ますます重要性が高まっている複数財オークションについてまとまった分析がなされている
といった点ではないでしょうか。特に1は本書をかなりユニークなテキストにしている要因なのですが、通常の講義等で習う「顕示原理を用いたスタンダードなアプローチ」とは大きく異なりますので、慣れない人にはかなり理解しにくいかもしれません。このへんの注意を踏まえた上で、関心のある方はぜひ画期的なオークション本である本書に挑戦して頂きたいと思います。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています

7:40 午前  
Blogger yoji said...

2011
Eitan Berglas lecture at Tel Aviv University on “The Applied Science of Market Design.”

2:37 午後  
Blogger yoji said...

ミルグロム『組織の経済学』
#4-104頁
4.2.2数学的定式化とその分析
 価格が比較的うまく機能する場合について, より一般的な考察を行うために,問題を数学的に
整理しよう.上で見た数値例と同様,限界便益と限界費用が産出量の線形関数である場合を検討
する。しかし,数値例と異なり,産出量は整数にかぎらない,また数値例と同様に,意思決定担
当者は線形関数の傾きはわかっているが,費用関数の切片をはっきりわかっていない、したがっ
て,すべての限界費用は(未知の)一定額だけ,予想額より高くなったり低くなったりする,価
格と数量が決まった場合のあるシステムの逸失利益は,数値例と同様に,そのシステムが実現す
る純便益と,情報が正しい場合に実現される純便益との差額と定義する.この場合,逸失利益の
割合は, 次式のように限界便益関数の傾きと限界費用関数の傾きに依存する。

価格コントロールにより逸失利益    /限界便益の傾き\^2
________________={ _______ }
数量コントロールによる逸失利益   \限界費用の傾き/   (4.1)

 式(4.1)によれば、限界便益関数の傾きが限界費用関数の傾きよりも小さいときには,価格に基
づくコーディネーション·システムのほうが,数量システムより逸失利益を少なくする.
また傾きの関係が逆の場合には、逆の結果になる。この定性的な結論は, これまでの数値例で得た
と一致する (数値例は産出量が整数に限られていたので,額は完全には一致しない)。
 市場で決まる価格と費用に基づいて企業が生産量を決定する競争市場の理論では,この比率は、
企業の需要関数の傾きと限界費用関数の傾きとの比率で与えられる競争企業の観点からすれば
需要は無限に弾力的であり,需要関数の傾きはゼロである. したがって式(4.1)に従えば、企業の
行動選択にもっともすぐれた指針を与えるのは価格システムであり,競争性は高まらない。

公式の導出




図4.1
    |
    |\MB    MC
    | \    /
    |  \  /   MC'
   P|___\/___/_____
    |   /\  /|
    |  / |\/ |
    | / d|▶︎◀︎ |D
    |/   / c\|
    |   /| | \
    |  / | | |\MB
    | /  | | |
    |/   | | |
    |    | | |
    |____|_|_|______
   0     Q Q'Q"
       
図4.1:左右の影をつけた三角形は,誤信シナリオにおける量のコントロールと価格のコントロールそれぞれによって生じる逸失利益を示している.この面積の比率は,式(4.1)で与えられる.

(ピグー税と同じ考え方。コースの定理そのものがピグーに依拠している。マーシャルがさらに先行する)

https://4.bp.blogspot.com/--zgeQPrd7wY/XFpT9rsngII/AAAAAAABgOc/At617sJDrQEkU2BdmxGC1j6YfuJfIFArwCLcBGAs/s1600/IMG_8243.PNG

6:10 午前  
Blogger yoji said...

2014~2015年版 新しい経済の教科書 (日経BPムック 日経ビジネス) 雑誌 – 2014/4/14
日経ビジネス (編集)
ヴァリアンとミルグロムのインタビューの完全版
ネットにあったのは一部

このシリーズは充実していたがこの号は突出してお得


8:22 午前  
Blogger yoji said...

日本語版序文に1998年マクミランと築地市場へ行き感嘆したことが書かれている
収入等価定理が関係しているらしい

『オークション理論とデザイン』(東洋経済新報社)2007

オークション 理論とデザイン 単行本 – 2007/11/1
ポール ミルグロム (著), Paul Milgrom (原著), 川又 邦雄 (翻訳), 奥野 正寛 (翻訳), 計盛 英一郎 (翻訳), 馬場 弓子 (翻訳)
5つ星のうち 4.0 2件のカスタマーレビュー
ミルグロム,ポール
1948年米国デトロイト生まれ。1970年にミシガン大学を卒業し、数年間保険数理士(アクチュアリー)の仕事に就いた後、1978年にスタンフォード大学ビジネス・スクールでPh.D.の学位を取得。ノースウエスタン大学の助教授(1979~81年)、准教授(1981~82年)、教授(1982~83年)、イェール大学教授(1985年~87年)を経て、1987年からスタンフォード大学経済学部教授。その間ハーバード大学、MITでも教鞭をとり、ゲーム理論や数理経済学などのさまざまな分野で多数の研究論文を専門誌上に発表し、とりわけオークション理論の世界的権威として現代経済学をリードする研究者。同僚のジョン・ロバーツ教授との共著『組織の経済学』(邦訳はNTT出版、奥野正寛ほか訳、1997年)は、ビジネス・スクールの標準的教科書として高く評価されている

川又/邦雄
慶應義塾大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程修了。ミネソタ大学大学院修了(Ph.D.)。慶應義塾大学経済学部助教授、同教授を経て、同大学名誉教授、および立命館アジアパシフィック大学マネジメント学部客員教授。この間、プリンストン大学客員研究員、ミネソタ大学訪問教授等も務める

奥野/正寛
東京大学経済学部卒業、スタンフォード大学大学院修了(Ph.D.)。イリノイ大学シャンペン・アーバナ校経済学部助教授、横浜国立大学経済学部助教授を経て、東京大学大学院経済学研究科教授

計盛/英一郎
東京大学教養学部卒業、スタンフォード大学大学院修了(Ph.D.)。カリフォルニア工科大学・スタンフォード大学ビジネススクールリサーチフェローを経て、東京大学経済学部金融教育センターリサーチフェロー。ヨーロッパ計量経済学会Young Economist Award受賞。平成19年度情報処理推進機構未踏ソフトウエア創造事業採択

馬場/弓子
慶應義塾大学経済学部卒業、スタンフォード大学大学院修了(Ph.D.)。東京大学大学院経済学研究科助手、青山学院大学経済学部専任講師を経て、青山学院大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報
単行本: 419ページ
出版社: 東洋経済新報社 (2007/11/1)
言語: 日本語
ISBN-10: 4492313850
ISBN-13: 978-4492313855
発売日: 2007/11/1
梱包サイズ: 21 x 15.6 x 2.6 cm
おすすめ度: 5つ星のうち 4.0 2件のカスタマーレビュー
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3214位 ─ 本 > ビジネス・経済 > 経済学・経済事情 > 経済学
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第1部 メカニズム・デザインによるアプローチ(ヴィックリー=クラーク=グローブス・メカニズム
包絡面定理と収入等価定理
オークションの均衡と収入の相違
タイプと価値の相互依存性
状況に応じたオークション)
第2部 複数財のオークション(一律価格オークション
パッケージ・オークションと組み合わせ入札)



2007年12月1日
形式: 単行本Amazonで購入
ゲーム理論にもとづくオークション理論の権威Milgromによる
Putting Auction Theory to Workの邦訳。
本書の特徴は一財オークションの包絡線定理による一貫した分析であるが、
一財オークションだけでなく、一様価格オークションや組み合わせオークションまでも
含んでおり、文句なく現状のオークション理論の最高峰テキストであると言えるだろう。
原書を持っているのだが、邦訳が出たと聞いて人から借りて照らし合わせてみたところ、
訳も原文に忠実に行われており、信頼できそうだと感じた。
しかしいかんせん、この教科書にもひとつだけ欠点?がある。
文章が読みにくいのである。
別に訳者のせいではない。論文もそうなのだけどMilgromが単著で書いているものは
癖のある文章というのか非常に読みづらいのである。
(Rubinsteinのエレガントなわかりにくさとはまた別の意味で。)
優秀な指導者を中心とした輪読や講義にはよいだろうが、
独学する人は内容の難しさもさることながら癖のある文章とも対決しなければならないので、
購入する場合少し注意が必要(だと思う)。

5つ星のうち4.0邦語で唯一のオークション専門書
2009年2月28日
形式: 単行本
現在、日本語で読める唯一の大学院レベルのオークション専門書です。他の方のレビューで訳出の硬さ/読みにくさが指摘されているようですが、もともと原著も決して読みやすいとは言えないので(基本的にMilgromの文章はやや読みにくい気がします)、訳出の仕方自体は大きなDisadvantageとは言えないでしょう。むしろ原著でも難解とされる本書の翻訳を行ったこと自体が評価されるべきように思います。他のオークション関連の専門テキストと比べた本書の大きな特色は
1.包絡線定理と単調比較静学という数学ツールを軸に統一的な視点から様々な結果を導いている
2.Milgrom自身の体験を通じた現実のオークション設計の実例や教訓がふんだんに散りばめられている
3.近年ますます重要性が高まっている複数財オークションについてまとまった分析がなされている
といった点ではないでしょうか。特に1は本書をかなりユニークなテキストにしている要因なのですが、通常の講義等で習う「顕示原理を用いたスタンダードなアプローチ」とは大きく異なりますので、慣れない人にはかなり理解しにくいかもしれません。このへんの注意を踏まえた上で、関心のある方はぜひ画期的なオークション本である本書に挑戦して頂きたいと思います。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています

11:52 午後  
Blogger yoji said...

#2,#3でホルムストロームに言及
1977,1979

12:00 午前  
Blogger yoji said...


Reinventing the Bazaar: A Natural History of Markets [Paperback] [2003] Reprint Ed. John McMillan ペーパーバック – 2002
John McMillan (著)

https://www.amazon.co.jp/dp/475712127X/
市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える") (叢書“制度を考える”) 単行本 – 2007/3/1

ジョン マクミラン (著), John McMillan (原著), 瀧澤 弘和 (翻訳), 木村 友二 (翻訳)
5つ星のうち 4.6 13件のカスタマーレビュー



θ
ベスト500レビュアー
5つ星のうち5.0極めてよくできた市場設計のための一般書
2011年6月24日
形式: 単行本
市場に関する議論では、「完全放任」と「完全統制」の二極になりやすい。
その議論を乗り越えても「必要な範囲で必要な規制を」という曖昧な結論でお茶を濁すことは多いだろう。
本書では、「ではどのように、どうしたら市場はうまく行くのか」を、豊富な例と経済学の知識をフル活用して、分かりやすくかつ面白く論じてくれる。

取り上げられるのは、オークションの設計、電力自由化がうまく行く場合と行かない場合、不正をなくすための制度設計、特許や知的財産権保護が有効に機能する場合としない場合、など、具体性に富みかつ興味深い問題である。
一つ一つ絶妙なバランスの設計で初めてうまく行くような問題であることが、文章からは伝わってくる。

各章の内容は、タイトルだけ見てもわからないので、横に簡単に書いておく。

唯一の自然な経済(市場経済の歴史:総論)
知性の勝利(市場の自然的発生とその精巧さ)
地獄の沙汰も金次第(抗エイズ剤の開発インセンティブとその高値の問題)
情報は自由を求めている(バザールにおける探索費用の問題)
正直は最善の策(契約と信頼の形成の問題)
最高札の値付け人へ(競争と交渉の関係)
サァ、いくらで買う!(オークションの設計問題)
自分のために働くときには(市場と財産権の関係)
特許という困惑(知的財産権保護の問題)
なんびとも孤島にあらず(外部性の解消の問題)
公衆に対する陰謀(賄賂の市場への影響)
草の根の努力(統制の範囲の問題)
他人のお金を管理する人々(企業の管理の問題)
競争の新時代(汚染権取引の問題)
空気を求めて(統制経済から市場経済への移行の問題)
貧困撲滅の戦士たち(貧困・不平等と経済成長の関係)
市場の命令(まとめ)
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った


「市場」はどのように「設計」されてきたか、あなたの側にある、その成功と失敗。教科書が教えない「市場」の原理。新しい時代の経済学入門。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
マクミラン,ジョン

12:07 午前  
Blogger yoji said...

オークション理論とデザイン / 原タイトル:Putting auction theory to work
ポール・ミルグロム 川又邦雄 奥野正寛 計盛英一郎 馬場弓子
5832円

発売日 2007/11/28 発売

収録内容

1 さあ、始めよう
2 第1部 メカニズム・デザインによるアプローチ(ヴィックリー=クラーク=グローブス・メカニズム
3 包絡面定理と収入等価定理
4 オークションの均衡と収入の相違
5 タイプと価値の相互依存性
6 状況に応じたオークション)
7 第2部 複数財のオークション(一律価格オークション
8 パッケージ・オークションと組み合わせ入札)

12:56 午前  
Blogger yoji said...

オークション理論とデザイン / 原タイトル:Putting auction theory to work
ポール・ミルグロム 川又邦雄 奥野正寛 計盛英一郎 馬場弓子
5832円

発売日 2007/11/28 発売

目次

第1章 さあ、始めよう

第I部 メカニズム・デザインによるアプローチ
第2章 ヴィックリー=クラーク=グローブス・メカニズム
第3章 包絡面定理と収入等価定理
第4章 オークションの均衡と収入の相違
第5章 タイプと価値の相互依存性
第6章 状況に応じたオークション

第2)部 複数財のオークション
第7章 一律価格オークション
第8章 パッケージ・オークションと組み合わせ入札

1:05 午前  
Blogger yoji said...

https://www.jstor.org/stable/3003562?read-now=1&refreqid=excelsior%3A7fa7cbf8fd0f1f054bc8f3de5b08482e&seq=12#page_scan_tab_contents

JOURNAL ARTICLE
Good News and Bad News: Representation Theorems and Applications
Paul R. Milgrom
The Bell Journal of Economics
The Bell Journal of Economics
Vol. 12, No. 2 (Autumn, 1981), pp. 380-391 (12 pages)
Published by: RAND Corporation
Previous Item | Next Item
DOI: 10.2307/3003562
https://www.jstor.org/stable/3003562
Cite this item
Auctions
Nash equilibrium
Increasing functions
Economic models
Fee schedule
Insurance markets
Market prices
Security prices
Risk aversion

2:44 午前  
Blogger yoji said...

ミルグロム2007^2004#3


ホルムストロム1979
マイヤーソン1981

決定成果関数=z(t)
Vi =参加者iの利得の最大値

:82

107:
ミルグロムウェーバー1982
ミルグロムホルムストロム1987

7:15 午前  
Blogger yoji said...

107:
22) たとえば,Milgrom and Weber(1982)は絶対的リスク回避が一定である仮定を用
いて統計的な情報開示が価格にどう影響するかを調べた. 1つの影響はこのような情報
開示がリスクを平均的に減少させるというものである.資産効果を差し引いても,この
効果は入札者が支払おうとする平均価格を上昇させる効用関数が滑らかで,絶対的リ
スク回避度が定数でない場合には,賭けや統計的情報で,情報を開示する場合の所得効
果が, リスクの減少の効果を上回る例が常に存在する.
 同様に, Holmstrom and Milgrom (1987)はエージェントの過去の所得が,現在の
リスク回避に影響するのを防ぐために,絶対的リスク回避度が定数である場合のプリン
シパル·エージェント問題を検討した·セールスマンに対するコミッションや工場労働
者に対する歩合制などの線形の報酬契約が最適であるのはこれらの仮定が満たされる場
合である.

4:56 午後  
Blogger yoji said...



107:
22) たとえば,Milgrom and Weber(1982)は絶対的リスク回避が一定である仮定を用
いて統計的な情報開示が価格にどう影響するかを調べた. 1つの影響はこのような情報
開示がリスクを平均的に減少させるというものである.資産効果を差し引いても,この
効果は入札者が支払おうとする平均価格を上昇させる効用関数が滑らかで,絶対的リ
スク回避度が定数でない場合には,賭けや統計的情報で,情報を開示する場合の所得効
果が, リスクの減少の効果を上回る例が常に存在する.

Milgrom, Paul and Robert J. Weber (1982). "A Theory of Auctions and Competitive
Bidding, II." The Economic Theory of Auctions. P. Klemperer. Cheltenham: Edward
Elgar Publishing, Ltd. 2: 179-194.

 同様に, Holmstrom and Milgrom (1987)はエージェントの過去の所得が,現在の
リスク回避に影響するのを防ぐために,絶対的リスク回避度が定数である場合のプリン
シパル·エージェント問題を検討した.セールスマンに対するコミッションや工場労働
者に対する歩合制などの線形の報酬契約が最適であるのはこれらの仮定が満たされる場
合である.

Holmstrom, Bengt and Paul Milgrom (1987). "Aggregation and Linearity in the
Provision of Intertemporal Incentives." Econometrica 55 (2): 303-328.

5:03 午後  
Blogger yoji said...

Aggregation and Linearity in the Provision of Intertemporal Incentives.(Adobe PDF)1987
Bengt Holmstrom Yale University Paul Milgrom Stanford University
https://faculty.fuqua.duke.edu/~qc2/BA532/1987%20EMA%20Holmstrom%20Milgrom.pdf 全27頁
邦訳組織の経済学267頁#7参照

5:04 午後  
Blogger yoji said...

組織の経済学
#6-505,533,534
フィッシャーの分離定理

2:57 午前  
Blogger yoji said...

日本版はアメリカ版に
17 経営・経済システムの進化 が付け加わったのか?

アメリカ版は未確認
ネット上の目次にはない

the evolution of business and economic systems

7:20 午前  
Blogger yoji said...




組織の経済学 | ポール・ミルグロム, ジョン・ロバーツ, 奥野 正寛, 伊藤 秀史, 今井 晴雄, 西村 理, 八木 甫 1997
https://www.amazon.co.jp/dp/4871885364/
702頁
本書は、当代一流の経済学者が書いた組織論のテキストブックである。テキストブックと言っても、日本によくある並みの教科書ではない。先端の理論を豊富に盛り込み、記述の密度が高い良書だ。

本書の論述は厳密だ。アカデミックな研究の第一線に触れる内容が含まれている。だから気楽に読み進めるというには、ちょっと重たい内容だ。本自体が700ページにおよぶ大著でもある。しかし経営実務に携わっている人たちや学生が、この際少しまとまった時間をかけて「挑戦」してみようというのなら、おすすめしたい本だ。理論的論述が充実しているだけではなく、興味をそそるエピソードや事例も随所に盛り込まれていて、読者に対する配慮を忘れていない。

経済学者は伝統的に市場における取引に注意を集中してきた。しかし今では多くの経済活動が市場取引ではなく、企業という組織の内部で行われている。その組織内部の現象にスポットを当てて、基本的には経済学的視点に立ち経済学的分析ツールを駆使して議論を体系化している。

強いて言えば、本書で取り上げられているトピックの多くは、やや古い。日本で経営学とよばれるビジネス・リサーチの世界では、すでに主要トピックではなくなったものが、本書のトピックの多くを占めている。経営学では新製品開発、事業創造、ビジネスモデルの競争、経営イノベーションが主要テーマであって、議論の対象がきわめてダイナミックだ。たとえばゲーム理論の応用を考える場合も、本書で議論されている組織内部の現象より、むしろ競争戦略やビジネスモデルとの関連が議論されたら、はるかにおもしろかっただろう。

とはいえ組織論の教科書として、これは第一級の本である。こういう高水準の教科書が出版され、そしてアメリカで売れていることは、かの国の高等教育がきわめて質の高いものであることを示唆している。(榊原清則)


efficient incentives contracts and ownership

https://books.google.co.jp/books?id=3xK7AAAAIAAJ&source=gbs_navlinks_s&redir_esc=y

Economics, Organization and Management:United States Edition - Paul Milgrom - 9780132246507 - Economics - Business Economics
https://www.pearson.ch/HigherEducation/Pearson/EAN/9780132246507/Economics-Organization-and-Management-United-States-Edition

TABLE OF CONTENTS 邦訳と違う版

I. THE CONCEPTUAL FRAMEWORK.
1. Does Organization Matter?
2. Economic Organization and Efficiency.
II. THEORIES OF COORDINATION AND MOTIVATION.
3. Using Prices for Coordination and Motivation.
4. Coordinating Plans and Actions.
5. Incentives and Motivation.
6. Moral Hazard.
7. Risk Sharing and Incentive Contracts. ☆
8. Rents and Efficiency.
III. COORDINATION, MOTIVATION, AND MANAGEMENT.
9. Ownership and Property Rights.
10. Employment Policy and Human-Resource Management.
11. Internal Labor Markets, Job Assignments, and Promotions.
12. Compensation and Motivation.
13. Executive and Managerial Compensation.
IV. DESIGNING AND CHOOSING ORGANIZATIONAL FORMS.
14. The Classical Theory of Investments and Finance.
15. Financial Structure, Ownership, and Corporate Control.
16. The Boundaries and Structure of the Firm.
Glossary.
Author and Subject Indexes.


Risk Sharing and Incentive Contracts.
http://masonlec.org/site/rte_uploads/files/Milgrom%20Roberts-Chapter%207%20excerpt%20class%203%20reference.pdf


#7:

9:54 午後  
Blogger yoji said...

私は言った,「そこでだ,まっとうに仕事するのがとても大変で,インチキするには手間が
いらない,そしてどっちにしろ賃金は同じなのに,まっとうな仕事を習うなんて何の役に
立つのかい」
  ハックルベリー・フィン(Huckleberry Finn)

Well, then, says I , what's the use you learning to do right when it's troublesome to do right and ain't no trouble to do wrong , and the wages is just the same?
Huckleberry Finn
…だったら、正しいことを教わったとこで何の役に立つんだ?正しいことをしようとすりゃ面倒なことになって、正しくねえことをしてりゃ面倒になんねえんだったら?そんなで、損得もおなじだとしたら?…(ハックルベリーフィンの冒険16章)

















http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
組織の経済学 |書籍出版|NTT出版
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762
NTT出版 NTT Publishing Co.,Ltd.

組織の経済学 ポール・ミルグロム/ジョン・ロバーツ 著
ポール・ミルグロム/ジョン・ロバーツ 著
奥野正寛/伊藤秀史/今井晴雄/西村理/八木甫 訳
発売日:1997.11.03
定価:5,940円
サイズ:B5判変型

この本の内容
補完性をキー概念に、企業組織とそれをとりまく制度をシステムとして考察する経済学と経営学の独創的ブレークスルー。日本の制度改革にも貴重な示唆を与える一冊。
書評掲載情報

週刊東洋経済(2015年9月12日号)
日経BPムック 日経ビジネス「新しい経済の教科書2014~2015年版」

目次
序文
日本語版への序文
訳者まえがき
第1部 経済組織
 第1章 組織は重要か
 第2章 経済組織と効率性
第2部 コーディネーション:市場と組織
 第3章 コーディネーションと動機づけにおける価格の役割
 第4章 計画と行動のコーディネーション
第3部 モティベーション:契約、情報とインセンティブ
 第5章 限定合理性と私的情報
 第6章 モラル・ハザードと業績インセンティブ
第4部 効率的なインセンティブの提供:契約と所有
 第7章 リスク・シェアリングとインセンティブ契約 ☆
 第8章 レントと効率性
 第9章 所有と財産権
第5部 雇用:契約、報酬、キャリア
 第10章 雇用政策と人的資源のマネジメント
 第11章 内部労働市場、職務配置、昇進
 第12章 報酬と動機づけ
 第13章 経営者および管理者の報酬
第6部 資金調達:投資、資本構成、コーポレート・コントロール
 第14章 投資とファイナンスの古典的理論
 第15章 金融構造、所有、コーポレート・コントロール
第7部 組織のデザインとダイナミックス
 第16章 企業の境界と構造
 第17章 経営・経済システムの進化
用語解説
事項索引
人名索引

著者紹介
ポール・ミルグロム(Paul Milgrom)

9:55 午後  
Blogger yoji said...

#7
226頁
ハックルベリーフィンの冒険 引用
エピグラフに

9:57 午後  
Blogger yoji said...

2001に原書新版

5つ星のうち4.0組織の見直しを叫ぶ前に読むべき一冊
2010年11月11日
形式: 単行本Amazonで購入
組織を設計する上で大切なことは当たり前ですが
1組織にどう使命を与えるか
2使命が果たされているかどうかを、どう可視化するか
3形式上の組織だけではなく、実際に上司が部下をどう評価するか
となります。そしてこれらは組織のメンバーに対するインセンティブ構造を大きく左右するという点を精緻に描き出していきます。
(もちろんこれだけではありません。)

そして、これらを踏まえた上で実際に「どう設計していくべきか。」「マネジメントはいかに組織がワークするよう、どのようにコミットメントを示すべきか」といった点について示唆に富む理論が展開されます。こういった理論的なバックグラウンドを学ぶと、企業や役所の不祥事が繰り返される背景やそれに対する批判に対して冷静に考えられるようにナルト思います。
(ある意味ドラッカーの内容を経済学の言葉で描き直してあります。私はこれを読んだおかげで、MBA取得時の組織論の意味が再整理できました。アカデミックに組織論を勉強したい片には特にお勧めです。)

そして、一見立派に見える「組織としての総括」がそれを利用して「自分のやりたいことがやれるように組織を誘導しようとしている思惑」に満ちたものとなっている、或いは「世間の批判をそらすだことだけが目的で、本当に改めるつもりが無い。」といったことが手に取るようにわかるようになります。

組織内にいながらにして事実を見通せるようになるためには欠かせない本ではないでしょうか。独学でも大変読み易いです。
内容は5点ですが、厚すぎて一時期積ん読にしてしまいハードルを上げているので−1。
もっと少なく読む

10:02 午後  
Blogger yoji said...

11p

scrib
Economic theories of the firm: past, present, and future
PAUL MILGROM and JOHN ROBERTS
Stanford University
Abstract. We explore the current state of the theory of the firm, with attention to its historical
origins. Answers to the crucial theoretical question of why an organization controlled by a central
authority cannot always duplicate the performance of a decentralized organization are presented.
Finally, we describe some important current directions in the theory of the firm and point out
promising avenues for continuing research.
MARKETS, FIRMS, AND WESTERN ECONOMIC HISTORY

10:05 午後  
Blogger yoji said...

621から600へ逆か

章が減って頁数は増えないだろう

10:26 午後  
Blogger yoji said...

初版
Hardcover: 640 pages
Publisher: Pearson; US Ed edition (1 Feb. 1992)
Language: English
ISBN-10: 0132246503
am.uk

10:27 午後  
Blogger yoji said...

モラルハザードを経済学に取り入れたのはアローだそうだが

以下も重要

http://www.utdallas.edu/~nina.baranchuk/Fin7310/papers/Holmstrom1979.pdf
ホルストロムのもっとも有名な論文は1979年の「モラルハザードと観察可能性(Moral Hazard and Observability)」だ。プランシパルは結果を観察できるが努力や投入は観察できないといった場合、最適な分配規則はどのようなものになるだろうか。そしてそのような分配規則は最適な結果よりもどれだけ少ないものとなりうるのだろうか。これはおそらく契約内の直接的なインセンティブと保険としての価値が衝突し、効率性を損なうかについての一番優美で影響力のある説明ではないだろうか。簡単な例として、健康保険契約における控除免責額を考えてみよう。もちろんこれは顧客がより健康的であり続けることの価値を契約内に内部化する。でも一方でこれによって契約の保険としての価値は制限されることになる。ホルムストロムが証明した内容の一部は、このような状況では最良の結果はもたらされないということで、彼はそれを比較的扱いやすい形で示した。

タイラーコーエン

8:11 午前  
Blogger yoji said...

契約時 逆選択
契約後 モラルハザード

8:12 午前  
Blogger yoji said...

モラルハザードを経済学に取り入れたのはアロー1963だそうだが

以下も重要

http://www.utdallas.edu/~nina.baranchuk/Fin7310/papers/Holmstrom1979.pdf
ホルストロムのもっとも有名な論文は1979年の「モラルハザードと観察可能性(Moral Hazard and Observability)」だ。プランシパルは結果を観察できるが努力や投入は観察できないといった場合、最適な分配規則はどのようなものになるだろうか。そしてそのような分配規則は最適な結果よりもどれだけ少ないものとなりうるのだろうか。これはおそらく契約内の直接的なインセンティブと保険としての価値が衝突し、効率性を損なうかについての一番優美で影響力のある説明ではないだろうか。簡単な例として、健康保険契約における控除免責額を考えてみよう。もちろんこれは顧客がより健康的であり続けることの価値を契約内に内部化する。でも一方でこれによって契約の保険としての価値は制限されることになる。ホルムストロムが証明した内容の一部は、このような状況では最良の結果はもたらされないということで、彼はそれを比較的扱いやすい形で示した。

タイラーコーエン


Blogger yoji さんは書きました...
契約時 逆選択
契約後 モラルハザード

ミルグロム組織の#6が必読

8:18 午前  
Blogger yoji said...


両面性市場におけるプラットフォーム戦略 に関する研究 海 野 大 (Adobe PDF)
https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=27784&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1
上121頁によれば保険用語のモラルハザードを経済学に適用したのはアローが最初。
https://cruel.org/econthought/profiles/arrow.html
 …初期の保険統計での経験を活かして、アローは医療保険に関する有名な 1963 年論文を書いた。これはモラルハザードの概念を経済学に導入し、情報理論の夜明けを告げるものだった。1965 年の講演集 Aspects of the Theory of Risk Bearing (リスク負担理論の諸側面) は、有名な「アロー=プラットのリスク(危険)回避度」の概念や、わかりやすくした非対称情報と「モラルハザード」条件、そして「逆選択」などの概念を導入している。モラルハザード、最適保険や最適リスク負担配分に関するアローの業績のほとんどは、有名な 1971 年の著書 Essays in the Theory of Risk- Bearing に収められた。アローの教育と人種差別に関する研究 (1972, 1973) は、非対称情報のもとでのシグナリングとスクリーニング機構の応用として有名な練習問題となっている。
"Uncertainty and the Welfare Economics of Medical Care", 1963, AER.
https://web.stanford.edu/~jay/health_class/Readings/Lecture01/arrow.pdf


アローによれば市場が失敗するとき組織が登場する
ミルグロム1997:55頁参照
アロー邦訳組織の限界1994
組織の限界 (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2017/3/8
ケネス・J. アロー (著), Kenneth Joseph Arrow (原著), 村上 泰亮(翻訳)
ケネス・J・アロー (Kenneth J. Arrow), 1921-
https://nam-students.blogspot.com/2019/02/j-kenneth-j-arrow-1921.html

8:20 午前  
Blogger yoji said...

Francesco Trebbi (@xftrebbi)
2019/10/07 7:11
Monday Oct 14th is the day of the announcement for the 2019 Economics Nobel Prize. This year I am calling
it for Alesina, Persson, Tabellini for Political Economics.


Colin Camerer (@CFCamerer)
2019/10/07 19:28
Nobel prize prediction this year: Paul Milgrom.
Ticks every box:
huge influence in game theory, contracting, math econ.
Guided very tricky design of US incentive auction, many more.
Economics at both its most scientific and useful.

5:07 午後  
Blogger yoji said...

契約理論は効用関数を使ってはいるが、ゲーム理論の一環として考えるとスッキリする。
ただしミルグロムは制度学派寄り

#9.2-341頁にプルードンに関する記述。
《私有財産の倫理学 …19世紀の社会主義者プルードン(P.J.Proudhon)は端的に「財産は盗品だ」と言った。今日でもこの見解は広く受容されている。…》

#16-626~7頁に協同組合に批判的な記述あり

ポール・ミルグロム、ジョン・ロバーツ(奥野正寛、伊藤秀史、今井晴雄、西村理、八木甫訳)『組織の経済学』(NTT出版)、1997年

http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000762

プルードンについて記述したのはロバーツだろう

5:50 午後  
Blogger yoji said...

現代企業の組織デザイン 戦略経営の経済学
ジョン・ロバーツ、 谷口 和弘 | 2005/11/12
5つ星のうち3.5 4
単行本
こちらからもご購入いただけます


¥1,792 (15点の中古品)
グレン・グールド書簡集
グレン・グールド書簡集
ジョン・P.L. ロバーツ, ギレーヌ ゲルタン他 | 1999/3/11
5つ星のうち4.5 2
単行本
¥7,480¥7,480
Amazon ポイント: 75pt (1%)
による無料配達 明日, 10月9日, 8:00 - 12:00
残り1点(入荷予定あり)
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¥2,233 (16点の中古品と新品)
三井―日本における経済と政治の三百年 (1976年)
三井―日本における経済と政治の三百年 (1976年)
ジョン・G.ロバーツ, 安藤 良雄他 | 1976/1/1

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¥7,556 (6点の中古品)
軍隊なき占領―戦後日本を操った謎の男 (講談社プラスアルファ文庫)
軍隊なき占領―戦後日本を操った謎の男 (講談社プラスアルファ文庫)
ジョン・G. ロバーツ, グレン デイビス 他 | 2003/3/1
5つ星のうち3.7 6
文庫
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¥660 (14点の中古品)
グレン・グールド発言集
グレン・グールド発言集
グレン・グールド, ジョン・P.L.ロバーツ他 | 2005/9/10
5つ星のうち4.4 3
単行本
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軍隊なき占領―ウォール街が「戦後」を演出した
軍隊なき占領―ウォール街が「戦後」を演出した

5:55 午後  
Blogger yoji said...

現代企業の組織デザイン 戦略経営の経済学 単行本 – 2005/11/12
ジョン・ロバーツ (著), 谷口 和弘 (翻訳)
5つ星のうち3.5 4個の評価
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商品の説明
内容紹介
既存事業の業績を向上させる(発掘)ための組織と、新たな事業を開発する(探査)ための組織とは、おのずから異なる。目的にかなった組織をいかにデザインし、機能させるか。最先端の理論を駆使し、説得力のある事例を提示して、組織デザインの基本問題を解明する。『組織の経済学』の読者は必読。

内容(「BOOK」データベースより)
「コヒーレント」な組織デザインとは何か、業績向上と成長を実現する組織をいかにデザインするか、現代企業の事例と先端理論を用いて解明。名著『組織の経済学』の著者による戦略・組織研究の新機軸。21世紀のマネジメントの指針。

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登録情報
単行本: 269ページ
出版社: NTT出版 (2005/11/12)
言語: 日本語
ISBN-10: 4757121393
ISBN-13: 978-4757121393
発売日: 2005/11/12
梱包サイズ: 21.8 x 16 x 2.2 cm
おすすめ度: 5つ星のうち 3.5 4件のカスタマーレビュー
Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 316,170位 (本の売れ筋ランキングを見る)
197位 ─ 経営戦略
12723位 ─ 投資・金融・会社経営 (本)
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5:58 午後  
Blogger yoji said...

economist
5つ星のうち4.0企業組織を経済学で分析
2010年2月1日
形式: 単行本
経済学者として著名なJohn Robertsが書いた企業組織論である。この本は2004年度のエコノミスト誌のBEST経営書に選ばれた本とのことである。John Robertsは、Paul Milgromと「組織の経済学」というこの領域のスタンダードとなる本を書いている。
本書は、市場がコーデイネーション問題やモチベーション問題に対して 最適な解をもたらさない場合、コーデイネーションや動機付けを実現する上で他のメカニズムが必要になると説き、それが企業組織であると企業の存在を理由つけている。つまり企業は、人々の経済活動に対するタスクを効率的にコーディネートするため、さらに人々を適切に動機付けを実現するための仕組みだと言っている。企業組織のメインテーマである、「組織デザイン問題」を、「環境変化を勘案しながら、相互に適合した戦略と組織を創造することで 高業績を実現すること」と定義し、戦略経営論、組織経済学そして比較制度分析などの経済学の分析概念を使って、ケース・スタ ディによる説明を試みている。
組織デザインにおいては、市場分析の経済学で前提している、◇ 実行可能な選択集合の凸性や ◇選択と業績の関係の凹性が、満たされないこともあり、最適解が一意に決まらないという特性を持つ。このような前提の下で、経営者は、目標を設定し、自社で実施するアクティビティの範囲、競争優位の構造を決定していく。そのために、PARC(人々、アーキテクチュア、ルーティン、文化)の要素をを整合的に組み合わせていく必要があると説く。
企業組織を最新の経済学で分析した貴重な本であるが、得られる結論は平凡なものになっている感じがする。」一般の読者にも分かりやすくしたためか、文書の説明が多い。シンプルなモデルで説明したもらったほうが、分かり易かったかも知れない。
より詳細なサマリーに関心ある方は、以下を参照してください。
[...]
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雷電
5つ星のうち2.0これは組織の論文ですね
2006年8月9日
形式: 単行本
タイトルにある組織デザインに関する考え方を参照しようとして本書を手にした。感想としては下記3点。
・観察的記述が多くメッセージがわかりにくい
・事例とコンセプトが混在しており、どちらの話をしているか混乱しやすい
・コンセプトが抽象的すぎ納得感が得られにくい
まず観察的記述についてだが、一例としては、組織の分類法の一つとしてPARC(P: People, A: Architecture, R: Routine, C: Culture)という言葉を挙げているのだが、そこから話が深くならない。あくまで、「そういう分類がある」というにとどまる。
事例とコンセプトの混在については、読めば読むほど混乱に陥りやすい。もう少し明確な区分があった方が読者としては助かる。
コンセプトについては、「コヒーレント」「非凹型」「非凸型」など組織の記述としては新奇な言葉使いが多く理解することが難しいという印象を受けた。
全体として、組織に関する高度な論文のような構成になっており、組織学を専門にしている方には充実した内容になっていると思われるが、実務レベルでは活用は難しいと感じた。
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草枕温泉老人
5つ星のうち3.0組織の経済学に比べ理解が難しい
2006年1月2日
形式: 単行本
この本は洋書原本を読んでも、そもそも理論書なのか、実務家向けの一般書に毛が生えた本なのか、表現が難解な部分があり理解しづらい。訳者も苦労したのであろう、訳書についても何度読んでも理解しにくい箇所が散見される。一般のビジネスマンが実務書と勘違いしてこの本を買って読んでも無駄な気がする。もう一度著者とミルグロムの共著『組織の経済学』(訳がよい)を読んだ上で、暇がある人がじっくりこの本を読むと、著者が何を言いたかったのかがよく分かる。スタンフォードの制度経済学者が考えることはじっくり読まないと理解しづらいのである。
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MIkkey
5つ星のうち5.0読みごたえあり
2006年1月6日
形式: 単行本
環境変化や戦略と整合的に組織をデザインせよというこの本のメッセージは、あらためて参考になった。IT投資やJIT方式の採用を個別に行っただけでは、企業の業績を高めることはできない。要は、組織を全体的に、しかもコヒーレントに変えなくてはならないのである。この本では、ケースが豊富に利用されている。しかし、新しい経済学を応用しているので、われわれのようなビジネスマン向けにもっと親切な説明がほしい。経営のエッセンスを知るうえでためになり、読みごたえもある。正直言えば、この本の内容をもっとやさしく解説した本が、あるとうれしい。


コヒーレント

6:00 午後  
Blogger yoji said...

コヒーレント(英語表記)coherent
翻訳|coherent
デジタル大辞泉の解説

コヒーレント(coherent)


[形動]《「干渉可能な」の意》波動が互いに干渉しあう性質をもつさま。二つ(または複数)の波の振幅と位相の間に一定の関係があることを意味する。代表的なものとしてレーザー光がある。干渉的。可干渉的。⇔インコヒーレント。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
大辞林 第三版の解説

コヒーレント【coherent】

① 〘論〙 整合性・論理的一貫性などの意を表す語。
② 〘物〙(波動などが)互いに干渉し合う性質をもつことを表す語。干渉可能な。

6:00 午後  
Blogger yoji said...

Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics)
2020/10/12 19:39
【ノーベル経済学賞 米大学2氏】
yahoo.jp/v3avYH

今年のノーベル経済学賞が発表され、アメリカ・スタンフォード大学の経済学者、ポール・ミルグロム氏とロバート・ウィルソン氏の2人の受賞が決まった。「オークション理論の発展と新たなオークション形式の発明」が評価された。

https://twitter.com/yahoonewstopics/status/1315602928665731072?s=21

4:02 午前  
Blogger yoji said...

Kreps, David, Paul Milgrom, John Roberts, and Robert Wilson (1982). “Rational Cooperation in the Finitely‑Repeated Prisoners’ Dilemma”. Journal of Economic Theory 27 (2): 245‑252. doi:10.1016/0022-0531(82)90029-1.


https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0022053182900291?via%3Dihub

Rational cooperation in the finitely repeated prisoners' dilemma

David MKrepsPaulMilgromJohnRobertsRobertWilson
Abstract

A common observation in experiments involving finite repetition of the prisoners' dilemma is that players do not always play the single-period dominant strategies (“finking”), but instead achieve some measure of cooperation. Yet finking at each stage is the only Nash equilibrium in the finitely repeated game. We show here how incomplete information about one or both players' options, motivation or behavior can explain the observed cooperation. Specifically, we provide a bound on the number of rounds at which Fink may be played, when one player may possibly be committed to a “Tit-for-Tat” strategy.

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Copyright © 1982 Published by Elsevier Inc.

クレプス,デビッド,ポール・ミルグロム,ジョン・ロバーツ,ロバート・ウィルソン(1982)."囚人のジレンマにおける合理的協力」. 経済理論ジャーナル 27 (2): 245-252.


https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0022053182900291?via%3Dihub

有限に繰り返される囚人のジレンマにおける合理的協力

仝それはそれでいいんだけど、それはそれでいいんだけど、それはそれでいいんだけど、それはそれでいいんだけど、それはそれでいいんだよね。
抄録

囚人のジレンマの有限反復を含む実験で共通して観察されるのは、プレイヤーが常に単一周期の支配的戦略(「フィンキング」)を実行するのではなく、その代わりにある程度の協力を達成するということである。しかし、各段階でのフィンキングは、有限反復ゲームの中で唯一のナッシュ均衡である。我々はここで、プレイヤーの一方または両方のオプション、動機、行動に関する不完全な情報が、観測された協力を説明することができることを示す。具体的には、一方のプレイヤーが "Tit-for-Tat "戦略にコミットしている可能性がある場合に、Finkがプレイされるラウンド数に限界があることを示す。

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Copyright © 1982 Published by Elsevier Inc.

4:09 午前  
Blogger yoji said...

川越マーケット#4

ニュージーランドでの失敗のもう1つの原因は、それぞれの周波数帯利用免許の配分を個別にオークションで決定したことです。これは、財がすべて代替財の場合ならば問題なかったかもしれませんが、補完性がある場合には、こうしてバラバラに販売することは得策ではなかったでしょう。
 そこで、アメリカ合衆国において周波数オークションが実施される際には、複数の利用免許を同時にオークションにかけることになりました。周波数オークションを取り仕切る連邦通信委員会(FCC)は、ポール・ミルグロムやロバート・ウィルソン、プレストン・マカフィーといった専門の経済学者にオークション方式の検討を依頼し、こうして浮かび上がってきた方式は、同時競り上げ式というものでした。
 同時競り上げ式オークションでは、入札者は購入したいと思う複数の財に関して、それぞれ個別になされる複数のオークションに同時に参加します。入札は封印入札で行われ、それぞれのオークションでなされた最高の入札額が記録されます。それから、それら最高の入札額に一定の追加額が加えられた価格を開始価格として、再度オークションが行われます。そこで、新たな入札がなされれば、最高額を更新し、それに一定の追加額を加えた価格を開始価格として、再びオークションが行われます。こうして何度もオークションを行い、もはやどの財についても新たな入札がなされなくなった時点でオークションは終了了します。
 つまり、複数の財のオークションを並行して行い、すべてのオークションでそれ以上価格が変化しなくなった時点での最高額を付けていた人が落札し、その時点での価格を支払うということです。

4:18 午前  
Blogger yoji said...

実際の運用では、最初の方では入札を行わず様子見をするといった行動を阻止するために、前の回で積極的に入札していなかった入札者に関しては、それ以降の回でのオークションの参加を制限するといったルール(活動ルールといいます)が設けられています。これは、そうしておかないと、オークションがなかなか終了しないからです。
 この同時競り上げ式の特徴は、すべての財についてのオークションが同時に終了するところにあります。したがって、例えば、ある財の価格が上昇しすぎた場合は、その財をあきらめて他の財を落札するといった裁定取引のような行為が可能なことです。これはちょうど、第1章で市場均衡について述べた、ワルラスの競り人による模索過程に似ています。
 しかし、同時競り上げ式は、オークションされる財に補完財が含まれる場合には、VCGメカニズムと同様に、売り手の収入が低くなるという問題があります。それにもかかわらず、アメリカ合衆国における周波数オークションは大成功を収めました。事実、2012年までに81回のオークションが行われ、累計落札額は780億ドルにのぼると報告されています(102)。

4:21 午前  
Blogger yoji said...

砂田篤子(2012)「周波数オークションをめぐる議論」『調査と情報』第750号、pp.1‐1

4:23 午前  
Blogger yoji said...

川越敏司『マーケット・デザイン』#4

《…ニュージーランドでの失敗のもう1つの原因は、それぞれの周波数帯利用免許の配分を
個別にオークションで決定したことです。これは、財がすべて代替財の場合ならば問題なかっ
たかもしれませんが、補完性がある場合には、こうしてバラバラに販売することは得策では
なかったでしょう。
 そこで、アメリカ合衆国において周波数オークションが実施される際には、複数の利用
免許を同時にオークションにかけることになりました。周波数オークションを取り仕切る連邦
通信委員会(FCC)は、ポール・ミルグロムやロバート・ウィルソン、プレストン・マカフィー
といった専門の経済学者にオークション方式の検討を依頼し、こうして浮かび上がってきた
方式は、同時競り上げ式というものでした。
 同時競り上げ式オークションでは、入札者は購入したいと思う複数の財に関して、それぞれ
個別になされる複数のオークションに同時に参加します。入札は封印入札で行われ、それぞれの
オークションでなされた最高の入札額が記録されます。それから、それら最高の入札額に一定の
追加額が加えられた価格を開始価格として、再度オークションが行われます。そこで、新たな
入札がなされれば、最高額を更新し、それに一定の追加額を加えた価格を開始価格として、再び
オークションが行われます。こうして何度もオークションを行い、もはやどの財についても新た
な入札がなされなくなった時点でオークションは終了します。
 つまり、複数の財のオークションを並行して行い、すべてのオークションでそれ以上価格が変化
しなくなった時点での最高額を付けていた人が落札し、その時点での価格を支払うということです。
 実際の運用では、最初の方では入札を行わず様子見をするといった行動を阻止するために、前
の回で積極的に入札していなかった入札者に関しては、それ以降の回でのオークションの参加を
制限するといったルール(活動ルールといいます)が設けられています。これは、そうしておか
ないと、オークションがなかなか終了しないからです。
 この同時競り上げ式の特徴は、すべての財についてのオークションが同時に終了するところにあ
ります。したがって、例えば、ある財の価格が上昇しすぎた場合は、その財をあきらめて他の財を
落札するといった裁定取引のような行為が可能なことです。これはちょうど、第1章で市場均衡に
ついて述べた、ワルラスの競り人による模索過程に似ています。
 しかし、同時競り上げ式は、オークションされる財に補完財が含まれる場合には、VCGメカニズム
と同様に、売り手の収入が低くなるという問題があります。それにもかかわらず、アメリカ合衆国
における周波数オークションは大成功を収めました。事実、2012年までに81回のオークション
が行われ、累計落札額は780億ドルにのぼると報告されています(102)。

(102)砂田篤子(2012)「周波数オークションをめぐる議論」『調査と情報』第750号、pp.1‐1》

4:29 午前  
Blogger yoji said...


高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi)
2020/10/12 18:56
ノーベル経済学賞。ミルグロムとウィルソンに決定。オークション理論だが、
この両者の研究で米政府は周波数オークションで儲けたが、日本は先進国で
唯一周波数オークションをやっていない国なんだな。日本でなぜノーベル
経済学賞がとれないのかがよくわかる、今年の受賞者だな

https://twitter.com/yoichitakahashi/status/1315592184192659457?s=21

4:35 午前  
Blogger yoji said...

マーケットデザイン2015

4:35 午前  
Blogger yoji said...


https://news.1242.com/article/249649

日本では“潰された”「電波オークション」がノーベル経済学賞を受賞
NEWS ONLINE 編集部  公開:2020-10-24(2020-10-24更新)
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月20日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。ノーベル経済学賞を受賞した「オークション理論」について解説した。


ノーベル賞のメダル=2020年3月5日 写真提供:共同通信社
ノーベル経済学賞~オークション理論

飯田)ノーベル経済学賞が出ました。授賞理由は「オークション理論の改善と新たな形式の発明」というものです。

高橋)90年代にあった話なので、古い原理なのですけれどね。総務省にいたときに電波オークションをやりたかったのですが潰されました。ノーベル賞授賞理由のときに「電波オークションによって、世界の納税者がみんな得をした」と解説していたのですが、残念ながら「日本を除いて」です。

飯田)1994年にアメリカで電波オークションをやったときに、今回受賞した2人の学者さんは実際の制度設計でなかに入っていたのですよね。

高橋)もちろんそうです。電波オークションはもともと会計法です。会計法というのは原則入札です。会計法から考えると、国民共有財産を入札するのはごく自然な話です。

飯田)電波と言われると電波法の方を思いますが、会計法の方なのですね。

高橋)国民共有財産ですから。それをどのようにやるかは随意契約してはいけなくて、原則入札です。そういう意味では、オークションというのは、まさしく会計法を具体化する手段です。

飯田)オークションと英語で言いますが。

高橋)入札ですよ。

飯田)電波オークションと一言で言っても、アメリカでやった方式とヨーロッパ各国でやった方式といろいろ違いますよね。

高橋)ざっくり言えば、入札は入札で一緒です。でも随意契約とはまったく違います。

飯田)新規参入を募った方が高い金額で売れたりしたところがあったけれども、一方でやっていたら途中で潰れてしまう会社が出て、市民に不利益が生じたのではないかと指摘する人もいますが。

高橋)随意契約とどちらがいいかという話です。オークションの方がミスが少なくまともです。随意契約で変なところに割り当てて、ずっと続いているよりはフェアでいいでしょう。だから会計法では入札しろと書いてあります。



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4:58 午前  

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