月曜日, 2月 12, 2018

ナッシュ均衡


ナッシュ均衡
NAMs出版プロジェクト: パレート最適:メモ
http://nam-students.blogspot.jp/2015/04/blog-post_82.html
参考:ゲーム理論で解明されたユダヤの知恵
http://nam-students.blogspot.jp/2012/11/blog-post_28.html
アダム・スミス Smith, Adam『国富論』
http://nam-students.blogspot.jp/2014/06/smith-adam.html
「アダム・スミスは間違っている…」
NON-COOPERATIVE GAMES
John Nash 1951

ゲーム理論入門/(7)映画「ビューティフル・マインド」についてAdd Star

 | 

映画「ビューティフル・マインド」について

ナッシュの半生を描いた映画「ビューティフル・マインド」では、ナッシュナッシュ均衡のアイディアを思いつくシーンで、以下のようなシチュエーションが描写されている。

  • 1人の美人とそれ以外の女性3人がバーに入ってくる
  • こちらの男性は3人

→ 3人が1人の美人に群がれば、競合して誰も美人をゲットできないだけでなく、気を悪くした他の3人の女性にも相手にされなくなる。結局、誰も女性をゲットできない。

→ 3人が美人を無視してそれぞれ美人以外の女性にアタックすれば、各人が女性をゲットできる。こちらの方が皆がハッピーな結果となる。

映画では、この考察をもとに、バーを飛び出したナッシュが後にノーベル経済学賞の対象となる論文を書いたことになっている。

しかし…

  • 他者が美人を無視するならば、自分が美人をアタックするのが最適反応戦略となる。すなわち、映画のナッシュが良いと考えた結果はナッシュ均衡ではない。

ハリウッドの脚本だから仕方ないのかもしれないが、これではナッシュ均衡に関する誤った理解が広がる恐れがある!

(…でもこの脚本が第74回アカデミー脚色賞を取っている)*1


ビューティフル・マインド [DVD]

ビューティフル・マインド [DVD]

ちなみに、「Anderson, Simon P., Maxim Engersy (2002) “A Beautiful Blonde: a Nash coordination game,” University of Virginia, Working Paper」(リンク)では、このシチュエーションのナッシュ均衡について考察を行っている。

*1:個人的な話をすると、当初はこの映画を公開時に見に行こうと考えていたのだが、「王様のブランチ」などの紹介番組でこのシーンを見て一気に行く気を失った。ナッシュ本人も含めこの点をあまり気にした人はいなかったようだが、これではニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て天動説を考え付いた、とか、アインシュタインニュートン力学の限界に気づいてエーテル理論を思いついた、というのと同じようなものではないか、と一人で非常に憤激していたことを覚えている。

当時の私の友人に宛てたメールから、そのあたりの失望感が現れている部分を引用しておく:
=======
先ほどTBSの「王様のブランチ」で「ビューティフル・マインド」(日本では本日公開)のそのシーンをやっていましたが、これって「他人の戦略を所与とした場合の最適反応戦略を各人が取っている」という定義からして、ナッシュ均衡になっていないのではないでせうか。(他人が美人をあきらめるという戦略を所与とすれば、自分が美人を口説くのが最適戦略になる) ま、脚本家が勝手に創り上げたエピソードだからどうでも良いけど。 [Sent: Saturday, March 30, 2002 11:59 AM]
=======
その後CSN1の映画紹介番組でそのシーンをもっと詳しくやっていましたが、その中では「アダム・スミスは間違っている。自分の利益だけじゃなく全体の利益も考えなくてはならないんだあ~」と叫びつつナッシュが酒場を出て行くシーンが紹介されていました。これはむしろゲーム理論ではなく厚生経済学の考え方だと思いますが、ひょっとしてこれは、ナッシュが狂気の中で自分が19世紀のイタリア経済学者Paretoになったと錯覚して、パレート均衡(誰も他人の効用を悪化させずに自分の効用を高めることができない状態)の概念を思い付いたという幻想を再現したシーンなのでせうか…てそんなわけないか(でもこれでアカデミー脚色賞もらっているんだからな~)。 [Sent: Saturday, March 30, 2002 07:34 PM]
=======


NON-COOPERATIVE GAMES
John Nash 1951


ナッシュは何を見たか -純粋数学とゲーム理論単行本 – 2005/10/22



ナッシュの論文と解説
 Amazon.co.jp より,先日注文しておいた「ナッシュは何を見たか」が届く.

 本書は, 1994年にノーベル経済学賞(ノーベル記念スウェーデン銀行賞)を受賞した数学者 ,すなわち映画「ビューティフル・マインド」の主人公である, ジョン・ナッシュ (John F. Nash Jr.) 博士の経歴,自伝,主要論文8編(全訳)とそのれらの解説等をまとめたものである.
(ナッシュ博士の学位論文である,「非協力ゲーム」(NON-COOPERATIVE GAMES) は,英文原論文のフォトコピーも掲載.これは必見.)

 ナッシュ博士は,「統合失調症」を発症して1959年から約30年間病院漬けとなっていたが,現在はプリンストン大学で「Senior Research Mathematician」として,研究を続けている.

 自伝の中に「そこで私は,ゲーム理論がその数学教室では学位論文として受け入れがたいと見なされる可能性にそなえて学位修得の目的を他の結果で実現できるようにした.」(p.30)とあった.つまり,「非協力ゲーム」の論文が,学位論文として通らない場合にそなえて,後に発表された「実代数的多様体」の論文を並行して準備していたという.これには,いささか驚いた.
 また,ナッシュ博士が,「一般流体の微分方程式に対するコーシー問題」とい流体力学関連の論文を発表していたこと,1950年ごろのMITがまだ「一流の工科大学」であり今日のような米国を代表する研究大学ではなかったことを,本書で始めて知った.


 わたしは,数学を専門とするわけではないので,日本語に翻訳されていたからといって,ナッシュ博士の多くの論文をちゃんと理解できるとは限らないが,最初から原文にあたるよりは,解説付きの翻訳は理解しやすいと思う.
 
 ゲーム理論,交渉問題,ナッシュ均衡,ナッシュ交渉解,あるいはナッシュ博士自身に興味のある方に,お勧めする.


ナッシュは何を見たか -純粋数学とゲーム理論

シュプリンガー・フェアラーク東京

このアイテムの詳細を見る
形式: 単行本|Amazonで購入
映画ビューテイフルマインドの原作者のナサーとナッシュの友人でクーン・
タッカーの定理で知られるクーンが編集したナッシュのすべてがわかる本
です。

はじめにナサーによるナッシュの業績の解説とナッシュ自身による自伝が
あります。
後ろのほうに、訳者の落合、松島両氏によるナッシュの数学論文とゲーム
論の評価と解説がついています。客観的な書き方と思います。

さて中身は、ゲーム論の論文が5つと数学の論文が4つ。
ゲーム論の論文はweb上でも検索ダウンロードできますが、日本語で読めるの
はありがたいです。
それに27ページの学位論文「非協力ゲーム」は、オリジナルの写真版がついて
います。

またナッシュの24枚の写真をつかった簡単な伝記がたのしめます。
ナッシュがプリンストンで講義を聞いたアインシュタイン、友人のクーン、ゼミ
の先生のタッカー、それにノイマンとモルゲンシュタインなどが写っています。

紹介だけのレビューになってしまいましたが、ゲーム論の論文は、大学生なら
読めるもので、ノーベル賞を受けた論文で素人に読めそうなのはアインシュタ
インの特殊相対性理論[直接の対象ではないのですが]とマーコビッツのポート
フォリオ理論がありましたが、ナッシュが3つ目ですね。

数学の論文は、イソップのキツネではないのですが、全くわからないのを読む楽
しみがあります。

ジョン・F・ナッシュ (John F. Nash), 1928-2015

原ページ
 
Google  
WWW 検索 cruel.org 検索

Photo of J. Nash

2 Comments:

Blogger yoji said...

ナッシュ均衡
ゲーム理論入門/(7)映画「ビューティフル・マインド」について - himaginaryの日記
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20080826/game_7
https://video.twimg.com/ext_tw_video/962911828954136576/pu/vid/640x360/rB67xk7PBbWkaJOR.mp4

NON-COOPERATIVE GAMES
John Nash 1951
http://www.lsi.upc.es/~ia/nash51.pdf

11:39 午後  
Blogger yoji said...









  ビルの効用

F.2 解となる点
選択肢の集合


F.3

対応する物々交換取引

図2 第1象限内の、選択肢の集合と1点のみで接する直角双曲線上に、解となる点がある。
図3 内側の領域は、貨幣を使わずに達成可能な取引を表す。平行線に挟まれた領域は、貨幣が
使用可能な場合の達成可能な取引を表す。ここでは、少量の貨幣については、効用と貨幣単位の
利益が同一視されている。解は、u1+u2が最大となる物々交換型の取引と貨幣のやり取りによ
り形成される。

2:44 午後  

コメントを投稿

Links to this post:

リンクを作成

<< Home